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第713話~ドワーフの国の巨大地下墳墓 地下三階 その3 巨大なカニの魔物を撃破せよ!~

 ドワーフの国の巨大地下墳墓の地下三階にて、ボス部屋を発見した俺たちはその部屋に突入した。すると。


「ホルストさん、見てください。黒くて巨大で片方のはさみがバカでかいカニが道を塞いでいます」


 ヴィクトリアが黒くて巨大で片方のはさみがバカでかいカニの魔物が行く手を遮っているのを発見した。

 そのカニは部屋の出口に陣取って、今のところジッとしている。

 多分俺たちに気がついていないんじゃないかと思う。


 それにしてもこんなでかいカニの魔物を見るのは初めてだな。


 俺がそう思っていると、リネットがこんなことをを言い出した。


「ホルスト君。あのカニの魔物。『クロイロオオバサミ』じゃないかな?前に図鑑で見たことがあるよ」


★★★


 目の前の巨大なカニの魔物は『クロイロオオバサミ』ではないか?

 図鑑でその知識を得たらしいリネットがそう言って来たので、調べてみることにする。


「『世界の知識』」


 魔法で検索すると。


 『クロイロオオバサミ』

 十メートルを超える巨大な体、黒色の体色、片方のはさみだけがとても大きいことが特徴のカニの魔物。

 そのはさみはとても鋭くドラゴンの体をも容易に切り裂くことができる。

 さらには水魔法まで使ってくる強敵。

 幼生体は水中で生活するが、成体は水魔法で必要な水分を補給できるため陸上で生活する。

 その甲羅は武器の素材として高額で売れる。

 なお、食べてもあまりおいしくない。


 ……以上が検索結果だった。

 で、その結果をみんなに伝えると。


「え?このカニおいしくないんですか?倒した後お鍋にしようと思っていたのに……残念です」


 と、ヴィクトリアが非常に残念がっていた。


 というか、お前これ食べる気だったの?こんな真っ黒なカニ、ちっともおいしく見えないんだが……。


 俺はそう思いつつも、こういう食い意地の張ったヴィクトリアをかわいく思うのだった。


★★★


 さて、相手の情報もわかったところで討伐開始だ!

 本当なら相手にせずさっと横をすり抜けたいところではあるが、こうやって道のど真ん中に居座られている以上それは無理そうなのでさっさと倒してしまうことにする。


「それじゃあ、作戦を伝える。エリカ、ネイア、ヴィクトリアの三人はこの場に残れ。エリカは魔法、ネイアは気弾で援護射撃。ヴィクトリアは魔法で二人の防御しつつ、精霊に援護させろ!」

「「「はい」」」

「リネットは俺と一緒に前進して、『クロイロオオバサミ』に攻撃だ。俺が注意を引き付けるから、その間にあのでかいハサミを破壊してくれ」

「了解!」


 そうやって皆に作戦を伝達すると、作戦開始だ。


★★★


「リネット、矢で先制攻撃だ!」

「任せて!」


 俺の指示でまずはリネットが雷属性を帯びた矢で先制攻撃をする。

 あの巨体に矢を一本射かけたくらいでダメージは無いと思うが、機先を制し、相手を挑発するのには有効だと思うので、この手で行くことにする。


 ビュッとリネットが矢を射ると、ブスッという音を立てて矢が『クロイロオオバサミ』に突き刺さる。

 体に矢が刺さったクロイロオオバサミはカッと目を見開くと。


「キシャアアアア」


 と、叫びながらその大きな鋏を振り回して俺たちに襲い掛かっていた。


 完全に想定通りの行動だった。

 ならば俺たちも想定通りに行かせてもらうとしよう。


★★★


 クロイロオオバサミの動きは意外に素早かった。

 相手はカニだけあって横歩きしかできないが、それでも俺たちの方にぐんぐん迫って来る。


「やるじゃないの」


 そうリネットが褒めるくらいには速い動きだった。

 ただ俺たちも黙って見ているわけがなく。


「みんな、支援しろ!」

「『極大化 電撃』」

「『武神昇天流 気弾』」

「『極大化 精霊召喚 火の精霊』。さあ、火の精霊よ。クロイロオオバサミを攻撃するのです!」


 俺の指示でエリカたちが援護射撃をする。

 ピシャンッ。ドンッ。ボンッ。と攻撃がクロイロオオバサミに命中し、クロイロオオバサミの動きが鈍くなる。

 そこへ俺が攻撃を仕掛けていく。


「『神強化 雷属性付与』」


 剣に雷属性を付与してクロイロオオバサミに斬りかかって行く。

 それに対してクロイロオオバサミもその大きなハサミを利用して迎撃してくる。

 キン、キン。剣とハサミがぶつかり合い大きな音が周囲にこだまする。


 この攻防はしばらく続いたが、その内にじれてきたクロイロオオバサミが次の手を打ってくる。


「『水刃』の魔法か!」


 水の魔法を使ってハサミの迎撃に当たっている俺に攻撃を仕掛けて来る。


「『重力操作』」


 俺はこの魔法を空を飛んで避け、逆に。


「『天雷』」


 魔法を使ったことで隙だらけになったクロイロオオバサミに魔法攻撃を飛ばしていく。

 俺の攻撃は十分に効果があったようで、クロイロオオバサミの動きがピタリと止まる。


 そこでリネットが動き出す。


「『フルバースト 飛翔脳天撃』」


 動きが止まっていたクロイロオオバサミの巨大ハサミに向けて全力で必殺技をぶつけていく。

 バキンッという破滅的な音を立ててクロイロオオバサミの巨大なハサミがへし折れた。

 これで、クロイロオオバサミは攻撃力も防御力も大幅ダウンだ。


 こうして弱ったクロイロオオバサミに俺がとどめを刺しに行く。


「『フルバースト 一点突破』」


 必殺剣でクロイロオオバサミの心臓を一気に貫く。

 心臓をやられたクロイロオオバサミは。


「キュウウゥゥ」


 という断末魔の悲鳴を残して動かなくなった。


 こうして俺たちは地下三階のボスである『クロイロオオバサミ』を討伐したのだった。


★★★


「ヴィクトリア。『クロイロオオバサミは一応回収しておけ」

「え?食べてもおいしくないのにですか?」

「まあ、美味しくはないが素材としては売れるみたいだからな」

「そうですか。分かりました。回収します。……それにしてもカニのお鍋、食べたかったです」


 討伐したクロイロオオバサミは、俺とヴィクトリアのそんな会話の後、素材として売却するため回収した。


 ただカニ鍋を食べ損ねたからなのか、クロイロオオバサミを回収するヴィクトリアは非常に悲しそうな顔をしていた。

 そんなヴィクトリアに俺はこう声を掛けてやった。


「そんな悲しい顔をするなよ。クロイロオオバサミが鍋にならないのは残念だが、クロイロオオバサミを売却した金で、そのうちカニ鍋を食べに行こう。な、そうしよう」


 俺の話を聞いて、ヴィクトリアの顔が明るくなる。


「いいですね。是非行きましょう」


 と、たちまち小躍りして大はしゃぎし始めた。


 本当かわいらしい奴である。

 俺はそんなヴィクトリアを見て、彼女に惚れ直す思いなのだった。


★★★


 さて、クロイロオオバサミを倒した俺たちは通路の奥に進んだ。

 すると。


「ホルストさん。下り階段があります」


 ネイアが通路の先に下り階段を発見した。

 どうやらこの階層もここで終わりのようである。


「よし!それでは先へ進むぞ!」


 俺は皆に声を掛けると、階段を降りて行くのだった。

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