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第709話~ドワーフの国の巨大地下墳墓 地下二階 その2 最後の通路にあった宝箱 その秘密~

 ドワーフの国の巨大地下墳墓の地下二階にあった良質の鉱石採掘エリア。

 そこでの鉱石採掘は順調に進んだ。


「旦那様。これだけの鉱石があれば精錬した後、かなりの量の金属のインゴットが手に入りそうですね」

「ああ、そうだな」


 と、エリカがそう言うくらいには大量の鉱石が手に入ったのだった。


 これをいつものようにギルドの人に頼んで精錬してもらえば、その場合手数料としてできたインゴットの一割を取られるが、かなりの量の金属が手に入りそうだった。

 それで、その手に入れた金属で武器を作ってもらえば安上がりになって大分節約できそうだった。


 なので、俺は皆にこう提案してみた。


「これで大分お金を節約できそうだな。だったら、ここを出てからその浮いた分のお金で休息がてらどこかに行くか?」

「「「「はい!」」」」

「だったら、まずはさっさと先に進むとするか」


 こうしてここを出た後、嫁たちと一緒に休息がてらどこかに行く約束をした俺は、さっさと探索を再開したのだった。


★★★


 鉱石を採掘した後の地下二階の探索は順調だった。

 ここには鉱石の他に薬草も生えており。


「これはいただきですね」


 と、ネイアが嬉しそうに回収したりしながら、順調に冒険した。

 途中、魔物に襲われることもあったが。


「オーガとオーガメイジか。よし!リネット、片付けてしまえ!」

「おう!『旋回撃』」

「ギャアアア」


 といった感じで、大した魔物も登場せず、俺たちの攻撃であっさりと退場するのだった。

 そうやってくまなく地下二階を歩き回り、最後に残った通路の先で。


「ホルストさん。何か、あそこに宝箱がありますよ」


 通路の真ん中にポツンと宝箱が置かれているのをヴィクトリアが発見した。


★★★


「地下二階を歩き回った末に最後に辿り着いた通路にぽつんと置いてある宝箱。とても怪しいと思わないか?」


 通路に置かれていた宝箱を見た俺が怪しいという感想を述べ、それについて皆に意見を求めたところ。


「はい。旦那様。この宝箱。何かありそうな気がします」

「はい。ワタクシもエリカさんに同意します」

「アタシも何か怪しい雰囲気を感じるね」

「私も気をつけた方がいいと思います」

「これは慎重に事を運んだ方が良いと拙者も思います」


 と、嫁たちとネズ吉、満場一致で俺の意見に同意のようだった。


 とはいえ、ここは地下二階を歩き回ったあげく最後に辿り着いた通路だ。

 罠の可能性があるとはいえ調査しない訳には行かなかった。


「仕方がない。エリカは魔法で、ヴィクトリアは精霊に宝箱を調べさせろ」

「「はい」」


 といった感じで、エリカとヴィクトリアに宝箱を調べさせるのだった。


★★★


 エリカとヴィクトリアが謎の宝箱を調べた結果。


「旦那様。宝箱に罠の反応はありません」

「ホルストさん。精霊が調べた限りでは宝箱には怪しい所はないようです」


 とのことだった。

 二人が宝箱を調べている間、俺も『魔力感知』と『生命エネルギー感知』を使って宝箱を調べていたが、特に反応はなかった。


 どうやらこの宝箱、今のところシロということのようである。

 それどころか。


「ホルストさん。土の精霊によるとあの宝箱の下の地面が空洞になっているようです。もしかしたら下り階段があるのかもしれません」

「なに!本当か?」

「間違いないです」


 と、宝箱の下の地面に下り階段が存在しているらしかった。

 こうなるとこの宝箱に触ってこの場から動かさない訳には行かなかった。


「よし!いっちょやるか!」


 俺は気合を入れて宝箱を動かすことにした。


★★★


 宝箱を動かすことにした俺は改めて宝箱を見た。

 宝箱は割と大きく、横二メートル、縦一メートル、高さ一メートルくらいあった。

 一人で動かすのはちょっと難しそうなのでリネットに手伝ってもらって動かすことにする。


「リネット、行くぞ」

「うん」


 リネットに声を掛け、二人で宝箱に近づく。

 腰を下ろし、宝箱に手をかけようとしたその瞬間。


「ホルストさん!宝箱の蓋が突然開きました!」


 俺達の様子を窺っていたネイアがそう警告を発する。

 その声に応じて、俺が宝箱の様子を確認すると。


「うん?宝箱の中に大きなダイヤが一個入っているな。しかもなんか光っているし。その上、強力な魔力が噴出しているし」


 といった感じで、宝箱の中には大きなダイヤがあって、膨大な魔力を発しながら光っていた。

 こんな奇妙なものがあるのに気がつかなかったのは、多分ずっと魔力を隠蔽していたため、エリカの魔法にも『魔力感知』にも引っかからなかったからだと思う。


 それにしても、俺たちに魔力を感知させないなんて、とても高度なことができるものだ。


 と、そんなことを考えているうちにダイヤから段々と黒い霧のようなモノが染み出てきて。


「な、何だ!」


 俺たち全員を包み込んでしまった。

 黒い霧に包まれた俺が一瞬だけ目を閉じ、すぐに目を開けると。


「ほほう。今日の獲物は人間が五人にネズミが一匹か。うまそうだな」


 先程まで洞窟の中だった風景がレンガ造りの建物の中へと変わり、そんなことを言う翼を生やした気味の悪い怪物がいた。

 俺はそいつに問いただした。


「お前は何者だ!ここはどこだ!」

「我が名は『宝石の悪魔』。そして、ここは我がダイヤの中に作り出した世界だ!」


 『宝石の悪魔』。

 どうやらこいつが創った謎の空間に俺たちは閉じ込められたようだった。

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