第708話~ドワーフの国の巨大地下墳墓 地下二階 その1 楽しい鉱石採掘タイム 新装備で効率よく採掘せよ!~
地下二階への下り階段を降りると、そこは洞窟エリアだった。
「え?ここって地下墳墓だよな。なのに洞窟になっているってどういう事?現に地下一階は普通に遺跡だったのに!」
突然の洞窟エリアの出現に俺が戸惑っていると、この状況についてネズ吉が説明してくれた。
「ほほう。これは珍しいですね。こんな場所で『遺跡のダンジョン変化』が見られるとは・・・・・」
「『遺跡のダンジョン変化』?何だ?それは?」
俺のその質問に対して、ネズ吉はこう答えるのだった。
「ここの地下墳墓って、地脈の近くにあるじゃないですか」
「ああ、そうだな」
「そういう遺跡って、地脈のエネルギーを吸ってダンジョン化することがあるのですよ。これを『遺跡のダンジョン変化』と呼ぶのです」
「そうなったらどうなるんだ?」
「文字通りダンジョンになります。出現する魔物の種類が変わったり、地形が全く違うものになったり、元々あった罠が無効になったり、突然鉱脈や宝箱が現れたり、その鉱脈や宝箱をとってもしばらくしたらまた復活したりと、他のダンジョンで起こる現象が起きますね」
「なるほど。それは確かに変わった現象だな。それでこの階層はがダンジョン化したということは、ここは遺跡よりというよりは普通の洞窟ダンジョンを進むという感覚で行けばいいのか?」
「それでよいと思います」
「わかった。それで行くとしよう」
ということで、ネズ吉のアドバイス通り、ここは通常の洞窟ダンジョンを攻略するつもりで行くことにする。
★★★
地下二階の探索が始まった。
先程も言ったように地下二階は洞窟エリアだ。
自然の岩の壁がずっと先まで続いている。
床も柔らかい土の通路だ。
だから遺跡の石の床と比べると音が出にくいので魔物に発見されにくくはある。
ただ逆に魔物の接近にも気づきにくいので、その辺は注意して行こうと思う。
「エリカ、ヴィクトリア。お前たちが頼りだ。頼んだぞ!」
「「はい!任せてください!」」
「『探知』」
「『精霊召喚 土の精霊』。さあ、土の精霊よ!先行して偵察するのです」
といった感じで、エリカが魔法で近距離、ヴィクトリアが精霊で長距離を索敵しながら慎重に進むのだった。
★★★
そうやって地下二階を慎重に進むこと三十分。
「あれ?ホルストさん。目の前にトロッコのレールがありますよ」
俺と一緒に先頭を歩いていたネイアが地面にトロッコのレールが敷かれているのを発見した。
俺も確認すると確かに地面の上には鉄製の立派なレールが敷かれていた。
なぜこんな所にトロッコのレールが?
そう疑問に思ったもののここはダンジョン。
突然宝箱が現れたり、薬草が生えてきたりする謎多き場所。
そんな場所にトロッコのレールがあるということは……。
「行くぞ!」
俺はちょっとだけ期待してトロッコのレールに沿って進むのだった。
★★★
「わあ。ホルストさん、見てください!鉱石の採掘エリアです!」
目の前に鉱石の採掘エリアがあるのを見つけたヴィクトリアが嬉しそうに目を輝かせている。
ヴィクトリアは鉱石を見ると採掘せずにはいられないタイプなので、たくさんの鉱石があって嬉しいのだと思う。
それはともかく、こうして俺の目論見通りトロッコのレールの先には鉱石の採掘エリアがあった。
しかもこの鉱石の採掘エリアとても質が良いようで。
「旦那様、見てください。アダマンタイトやミスリルの鉱石がたくさんありますよ」
と、エリカが言うようにアダマンタイトやミスリルといった希少金属が多く存在していた。
これは俺たちにとって非常に喜ばしいことだった。
というのも、前に言ったと思うが、各国の警備レベルが上がっていて武器の需要が上がっている。
そのせいで。
「最近、武器の需要が上がっているせいで、うちで使っているミスリルやアダマンタイト製の矢や投げ槍の価格が上がっているんだよね」
と、リネットが零すように矢や投げ槍のような消耗品の武器の価格も上がってしまっているのだ。
もちろん使用した矢や投げ槍はなるべく回収しているが、無くなったり破損したりして回収できない物も多い。
だから常に買い足しているわけだが、その値段の高騰が悩みの種だったのだ。
そこで手に入れた金属を材料として提供し、それらの品を安く調達しようという訳である。
え?お前ら、既に結構アダマンタイトやミスリルとか持っていないかって?
そりゃあ持っているけど、この先戦いは激しくなっていくはずで、そうなると消費する量も多くなるだろうから、ここで持ち分を増やしておくのは悪いことではなかった。
ということで。
「さて、それではここの鉱石を頂くぞ!」
「はい!」
俺達は意気揚々と鉱石掘りを始めたのだった。
★★★
ということで、鉱石掘りを始めた俺達だったが、掘るに当たってヴィクトリアがこんな物を出してきた。
「ホルストさん。鉱石を掘るんだったらこれを使ってみませんか?」
「何だ?この機械は?」
「これは異世界で使われているロックドリルです。魔力で動く鉱石を掘る機械で、つるはしで掘るのの何倍も早く掘れますよ。前に海底の遺跡でおじい様が用意していた宝物の中にあったんですよ」
「ふ~ん。そんなのがあったのか……。よし!早速使ってみるか!」
ヴィクトリアの話を聞いて興味をそそられた俺は、そのロックドリルとやらを早速使ってみた。
すると。
「うほ~。これはすごい勢いで鉱石が削れて行く!」
まるでプリンでも切っているかのように、簡単に鉱石が削れていくのだった。
こんな簡単に固い鉱石が削れていくのは本当に気持ちが良く、俺は思わず顔がにやけるのだった。
それで、それを見た力自慢で鉱石を掘るのが得意なリネットとネイアの二人も興味がわいたのか。
「やらせて!」
と言って来たので、やらせてみると。
「これはすごいね!」
「これだけ簡単に掘れると気持ち良いですね!」
二人とも上機嫌だったのだ。
こんな感じで俺たちはしばしの間鉱石採掘を楽しんだのだった。




