第707話~ドワーフの国の巨大地下墳墓 地下一階 その3 卑劣な罠をぶっ壊した後は、少し休憩だ!~
隠し部屋の罠を潜り抜けた後も俺たちの探索は続いた。
ここの地下墳墓の一階は割とアンデッドモンスターの出現頻度が高く、一時間に一回というハイペースで現れて襲って来た。
とはいえ、隠し部屋の時ようなリッチ並みに強いスケルトンメイジ等の強敵はおらず、数も一度にせいぜい数匹程度だったので。
「ここは私に任せてください。『武神昇天流 連武撃』」
「ギャアアア」
武器に聖属性を付与してもらったネイアの連続攻撃で滅ぼされたり。
「さて、ワタクシの出番ですね。『聖光』」
ヴィクトリアの魔法で滅ぼされたりしていた。
そんな風に魔物たちと戦いながら進む俺達だったが、俺たちの前に立ち塞がったのは魔物だけではない。
「ヴィクトリア、危ない!」
異変を感じた俺がそうやってヴィクトリアを引き留めた瞬間。
ビュッと一本の矢がヴィクトリアの前を通過する。
「ひっ」
突然の出来事に驚いたヴィクトリアがその場に座り込む。
どうやらトラップが発動して罠として仕掛けられていた矢が飛んできたようだった。
しかも、その矢は……。
「ホルスト君。この矢。毒が塗られているようだよ」
リネットが言うように毒矢だったのだった。
中々悪質なトラップである。
毒矢が当たりそうになったヴィクトリアも怖くなって。
「エリカさん、怖かったです~」
「大丈夫ですよ」
半泣きになって、エリカに泣きついたりしているしね。
そうやってヴィクトリアが泣くのを見て、罠に対して無性に腹が立った俺は。
「『天土』」
そうやって魔法で周囲の壁や床や天井を石で固めて、罠が発動しないようにしてやった。
罠の無効化と罠の製作者への意趣返しが同時にできて俺は満足した。
まあ、こんな感じで魔物や罠を乗り越えながら俺たちは前へ進むのだった。
★★★
そうやって前へ進む俺達だったが、地下一階は二キロ四方の広さがあってとても広い上、複雑に通路が入り組んでおり一日で探索は不可能だった。
どこかで休憩したいな。
そう思っていた矢先。
「旦那様。あそこの小部屋。休憩するのにちょうど良さそうです」
と、エリカがちょうどよい小部屋を見つけたので、そこで休むことにしたのだった。
★★★
「さあ、土の精霊よ。この部屋の中に罠がないか調べるのです」
休憩するにあたってヴィクトリアに部屋に罠などがないか調べさせる。
先程の毒矢のよな罠が仕掛けられていてはたまったものではないからな。その辺はきちんと調べておくことにする。
「ホルストさん。特に問題はないようです」
調査の結果、罠とかはないようなので休む準備をする。
「ホルストさん。結界石を設置しました」
まずはネイアが結界石を設置し、魔物が入ってこられないようにした。
次はテントを張った。
これは俺とリネットの二人でやった。
「ホルスト君。支柱の設置終わったよ」
「よし、それでは幕を張るか」
といった感じでテキパキとテントを張った。
そうやって俺とリネットとネイアの三人が寝床の準備をしている間にエリカとヴィクトリアが食事を用意した。
「旦那様。干し肉が焼けましたよ」
「ホルストさん。野菜スープができました」
そうやってパパッとご飯を作ってくれたので、それを食べた。
今日のメニューは今言った干し肉と野菜スープにパンといった簡素なものだったが、エリカたちの愛情がこもっていて非常においしかった。
その後は交代で見張りをしながら順番に寝た。
最初に見張りをしたのは俺とネイアだ。
「ホルストさん。ここ結構寒いですから、温かいお茶でも飲みながら一緒の毛布にくるまって見張りをしましょう」
「ああ、いいよ」
見張りを始めると、ネイアがそう提案をしてきたので、もちろん俺はその提案に乗った。
同じ毛布の中でネイアの体温を感じながらすごく時間はとても暖かく、至福の時だった。
こんな感じで見張りをしたり、それが終わったら寝たりと、俺たちは十分に休憩することができた。
★★★
そうやって魔物との戦闘。罠の回避。休憩といったサイクルを繰り返しながら地下墳墓の一かを探索する事二日。
「ホルストさん。土の精霊からの報告です。この先の壁が怪しいそうです」
今いる通路の先に何かがあるのを発見したヴィクトリアがそう報告してきた。
「行くぞ!
「「「「はい」」」」
ヴィクトリアの報告を受け、俺たちはその壁に近づき調査を開始する。
とりあえず俺がその壁を叩いてみると。
「コン、コンと乾いた音がするな。どうやらこの先は空洞のようだ」
その壁の向こうが空洞になっているのが判明した。
ここで、俺はヴィクトリアにこう頼んだ。
「ヴィクトリア。土の精霊にこの先の状況を調べさせろ」
「ラジャーです」
そして、ヴィクトリアが土の精霊に調べさせたところ。
「ホルストさん。この先に地下へ降りる階段があるようです」
と、地下への階段が見つかったのだった。
やっと下へ降りる階段が見つかったか。本当に良かった。
俺は苦労の末にようやく階段を見つけられたことにホッとしつつも、すぐに行動を起こす。
「リネット。壁を壊せ!」
「おう!」
俺の命令でリネットがハンマーを壊し、壁を一叩きすると。
「見て!ホルスト君。下り階段だよ」
壁が崩れて、下り階段が現れたのだった。
さて、これで地下一階の攻略は終わりだ。
このまま地下二階へ進もうと思う。
「みんな。さあ、いよいよ地下二階だ!気合いを入れろ!」
「「「「はい」」」」
俺はそう仲間に発破をかけると、地下二階へと降りて行くのだった。




