第706話~ドワーフの国の巨大地下墳墓 地下一階 その2 隠し部屋の敵を全滅させろ!~
俺とリネットとネイアの三人でミイラ男と犬のゾンビの大軍を食い止めている間にエリカとヴィクトリアが敵を一掃するための準備をする。
魔力と神気を集中させ、合体魔法の準備をする。
十分に魔力と神気を集中させたところで魔法を発動させる。
「『神化 火槍』」
「『神化 聖光』」
「『神化 火槍』と『神化 聖光』の合体魔法。『神化 聖火槍』」
二人の合体魔法が俺たちの脇を通り抜け、魔物たちに直撃する。
「ギャアアア」
「ワオオオオン」
ミイラ男とゾンビ犬が聖なる炎の槍に焼かれ次々に消滅していく。
それは新しいミイラ男と犬ゾンビが出現するよりも早く、おかげで壁の穴まで道ができた。
「お前たち、行くぞ!」
「「「「はい」」」」
そして、その壁の穴に俺たち全員が突っ込んで行く。
これだけの数のミイラ男たちが出現する以上、壁の向こうにそれを呼び出している何かがいると踏んだからだ。
俺達のこの予想は当たり。
「オノレ。ヨクモワガハイカヲ!」
俺達が壁の穴に入ると同時にそうおどろおどろしい声で話しかけてくる存在がいたのだった。
★★★
「スケルトンメイジか」
俺達に話しかけてきた奴を見て俺はそう思った。
穴の中に入った俺たちに話しかけてきたのはスケルトンメイジだった。
ただあれだけのアンデッドを呼び出せるやつだ。
普通のスケルトンメイジではない。
紫の高級そうなローブを身にまとい、『魔力感知』で探ってみた所、かなりの魔力を感知できた。
これはリッチクラスかもと思ったが、以前戦ったリッチと比べてもそこまでの威圧感は感じなかったので、リッチと呼べるほどではない。
例えるならリッチになりかけのスケルトンメイジといった感じだ。
リッチほどではないにしてもかなりの魔力を持っているのは確かなので注意して戦おうと思う。
「俺が正面から行く。お前らは援護しろ!」
「「「「はい」」」」
俺はそう嫁たちに指示するとスケルトンメイジに切りかかって行った。
★★★
「『死霊召喚』」
切りかかって行った俺に対してスケルトンメイジがアンデッドを召喚して対抗してくる。
「スケルトンナイトか」
出て来たのは十体のスケルトンナイトだった。
頑丈そうな鎧にエストックという武装である。
しかもそのエストックには。
「紫色の液体。もしかして毒かな」
毒が塗られているようだった。
これは剣がかするだけでも危なそうだ。
そう思いつつスケルトンナイトに近づいて行くと。
「シヌガヨイ!『火球』」
スケルトンメイジが魔法で支援攻撃してきた。
何発もの『火球』の魔法がスケルトンナイトとともに俺に襲い掛かって来る。
この穴の中はそんなに広くはない。
この狭い部屋の中で毒剣を持ったスケルトンナイトとスケルトンメイジの魔法を全て避けるのはきついな。
そう思っていると。
「『氷弾』」
「『聖光』」
「『武神昇天流 気弾』」
「『真空断』」
と、後ろから嫁たちが援護射撃してくれた。
たちまちスケルトンメイジの魔法は打ち消され、スケルトンナイトの半数以上が消滅し、スケルトンメイジへの道が開かれた。
「さあ、今です!残ったスケルトンナイトは私たちが何とかするので、旦那様はスケルトンメイジをさっさと倒してください!」
「おう!」
嫁たちのその言葉に従い、俺はスケルトンメイジに突撃して行った。
★★★
嫁たちが切り開いてくれた道を通って俺はスケルトンメイジに一気に迫って行った。
もう一歩という所まで迫ったが、ここでスケルトンメイジが魔法で抵抗してくる。
「『雷嵐』」
そうやって多数の電撃が俺に襲い掛かって来る。
先程俺を助けてくれた嫁たちは今は残ったスケルトンナイトと戦っているので俺を助けられない。
ということで、自分で何とかすることにする。
「『天凍』」
魔法で空中に氷の塊を作り出す。
スケルトンメイジの雷は氷の塊ぶつかった後、氷の表面についていた水に誘導されて四方八方に拡散され、そこらじゅうの壁にぶつかってドカンと大きな破裂音を起こしながら壁を破壊する。
自分の魔法が完全に無効化されてしまったスケルトンメイジは戸惑ったのか、一瞬体を硬直させる。
その隙を俺が見逃すはずがなく必殺剣を叩き込んでやる。
「『フルバースト 五芒退魔陣』」
「ギャアアア」
俺の必殺剣をまともに食らったスケルトンメイジは、断末魔の悲鳴をあげながら体を蒸発させて消滅した。
スケルトンメイジを倒した俺は後ろを振り返って、嫁たちの方を見た。すると。
「ホルストさん。雑魚たちは全部倒しましたよ」
ちょうど残ったスケルトンナイトを倒したところだったらしく、嬉しそうな声でヴィクトリアがそう話してくれたのだった。
こうして俺たちは隠し部屋からの奇襲攻撃という罠を無事に乗り越えたのだった。




