第703話~『大王の台地』へ到着したぞ! 目印となる岩を探し出せ!~
カリュドーンの猪と別れてから十日。
ようやく『大王の台地』へ到着した。
『大王の台地』はほとんど草木が生えていないような閑散とした見渡す限りでは平坦な土地が続いている感じの場所だった。
こんな場所だからドワーフ王国も利用価値を見出せず、放置している土地であった。
ただ土地の面積はそれなりにあり、端から端へ行くのに馬車で五日くらいはかかるくらいには広いのであった。
こんな何もない場所から目印である岩を探さなければならないのか。
そう考えると気が重かったが、探すしか俺たちに道はないので頑張って探して行こうと思う。
★★★
今回、問題の岩を探すにあたっては二つほど方法を試すことにする。
まずはヴィクトリアに精霊を出させて岩を捜索させた。
「ヴィクトリア。精霊を出して偵察させろ」
「ラジャーです。『精霊召喚 風の精霊 土の精霊』。さあ、偵察に出て目的の岩を見つけ出してくるのです」
ヴィクトリアの命令で精霊たちが偵察に出て行く。
精霊たちはとても偵察能力が高いので、こうやってヴィクトリアが命令すればうまい具合に偵察して来てくれると思う。
そして、もう一つの方法はというと。
「パトリック。頼んだぞ」
「ブヒヒヒン」
俺がパトリックに乗って騎馬斥候に行くというものだった。
騎馬斥候とは馬で行う偵察のことである。
台地というだけあってここは馬での偵察に適している土地だからな。
この方法も有効だと思う。
ということで。
「それじゃあ、行って来るぞ」
「はい、お気をつけて」
俺は嫁たちを残して騎馬斥候に出掛けたのだった。
★★★
パトリックに乗った俺は『大王の台地』の中央部分を目指した。
前述の通り『大王の台地』はかなり広く、似たような風景が続いているので探すのは大変で時間もかかる。
パトリックも走り続けるのは大変なので時折小休止を挟んでパトリックに休憩させてやる。
「よし。木の準備はこれでいいな。『天火』」
焚火の準備をして火をつけて暖まる態勢を整え。
「ほ~ら。パトリック。餌と水の準備ができたぞ。食べな」
「ブヒヒヒン」
パトリックに餌を出して食べさせてやる。
その横では俺も串に干し肉を刺して火であぶる。
しばらくして良い感じに焼けると持ってきたパンにはさんで食べる。
嫁たちの料理と比べるとそっけない味だが、すきっ腹を満たすのには十分だった。
その後は結界石を置いてパトリックとともに少し休む。
横になったパトリックに寄りかかって少し昼寝する。
一時間ほど休むと起きてまた偵察に出る。
その後は四、五時間ほど偵察をしてまた小休止する。
昼間はこのパターンを繰り返して夜はテントを張ってしっかりと寝た。
パトリックと二人寂しい偵察行動だが、偵察とはこんなものなので頑張るしかない。
そうやって頑張って偵察すること二日。
「お、あの岩はもしかして……」
とうとう俺は目的の岩へとたどり着いた。
★★★
何もない大地をパトリックに乗って二日ほど走り回った結果。
「ようやく見つけたぞ!」
とうとう地下墳墓の入口の目印となる岩を発見した。
ということで、早速確認作業に入る。
まずはマジックバックから一枚の絵を取り出す。
これは前にカリュドーンの猪を通じてみた岩の風景を絵にしたものだ。
ちなみに描いたのはヴィクトリアだった。
あいつ絵を描くのが意外にも上手く、今回こうして描いてもらったのだ。
「へへへ。自分でも割と上手に描けたと思います」
そうヴィクトリアが自画自賛するくらいには良く描けている絵だった。
それで、その絵と俺の頭に中に残っている映像を元に岩の照合をした所。
「この岩で間違いないな」
という結論に達したのだった。
俺はすぐさま嫁たちに連絡を入れた。
「もしもし。俺だ。ホルストだ」
「もしもし、エリカです。旦那様ですか?いかがなさいましたか?」
「問題の岩を発見した」
「本当ですか?」
「ああ。三十分したら迎えに行くから準備しておけ」
「わかりました。そのように準備しておきます」
こうして嫁たちに連絡を入れた俺はその後しばらく待つのだった。
★★★
三十分後。
「『空間操作』」
俺は魔法を使ってみんなのの所へ移動した。
「旦那様。おかえりなさいませ」
「おかえりなさいませ」
「ああ、ただいま」
皆の所へ行くといつでも出発できるように準備ができており、そうやって出迎えてくれた。
そして、すぐにパトリックを馬車に繋ぎ、転移門を通って、先程の岩の所へ移動したのだった。
★★★
岩へと戻ってきた俺は念のため嫁たちにも岩の確認をしてもらった。
その結果。
「旦那様。この岩で間違いないと思います」
「ワタクシもこの岩が映像で見た岩だと思います」
「アタシもこれで間違いないと思うよ」
「私も皆さんと同意見です」
と、嫁たち全員がこの岩がカリュドーンの猪の映像で見た岩だと断言したのだった。
ということで、早速地面を掘って地下墳墓の入口を探そうと思う。




