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第700話~地下墳墓への旅 その1 エリカとヴィクトリアの女子トーク~

 カリュドーンの猪の協力の下、地下墳墓の位置を探り当てた翌日。


「カリュドーンの猪。今回は世話になったな」

「いえ、どういたしまして」

「これ、前に蛇人たちに貰った『静かなる谷』で採れた木の実だ。後で食べてくれ」

「ありがとうございます」

「それじゃあ、またな」

「皆様もお元気で」


 そうやってカリュドーンの猪と別れの挨拶をした後、地底湖を離れた。

 カリュドーンの猪には、ネズ吉と違って地底湖の遺跡の守護の仕事があるので地底湖から離れることはできないのだ。


「『空間操作』」


 魔法で一気にドワーフの国の街道へと移動した俺たちは、『大王の台地』を目指して街道を西へ進むのであった。


★★★


 皆様、こんにちは。

 エリカです。


 現在私たちは『大王の台地』という場所に向けて旅をしています。

 今、私はヴィクトリアさんと一緒に御者台に座ってパトリックを操縦しています。


 他の方々は馬車の中で休憩しています。


「あははは」

「ふふふ」


 そんな笑い声が中から聞こえて来るので楽しくやっているのだと思います。


 『大王の台地』への旅路は今のところのんびりとした感じです。

 というのも現在通っているのはドワーフ王国の主要街道で、警備がしっかりとしていて、魔物や盗賊がほとんどいないからです。


 ですから、少し心に余裕をもって旅ができるのです。

 なので、今回はのんびりと旅をすることにしましょうか。


★★★


 ということで、横に座っているヴィクトリアさんと女子トークでもすることにしました。

 最初に話したのはこの辺りの食べ物の話でした。


「そういえば、ヴィクトリアさん。この辺りでお勧めの食べ物ってありますか?」


 そうやって尋ねてみると。


「もちろん、ありますよ!ネオ・アンダーグラウンドの町で手に入れた観光ガイドによりますと、この時期限定の栗が入ったアイスが絶品だそうですよ」


 と、物凄く食いついてきました。

 どうやらヴィクトリアさん、暇なときに観光ガイドで情報収集していたらしく、それを誰かに聞いてほしかったみたいです。


「え?栗のアイスですか?この寒い時期に?」

「寒い時期だからこそいいんじゃないですか。暖かい部屋で冷たいアイスを食べる。最高じゃないですか」

「まあ、確かに暖かい場所でアイスを食べるのは美味しいですよね」

「そうでしょう。そうでしょう。だから機会があったら食べてみたいと思うのです」


 その食べ物について語るヴィクトリアさんの声には物凄い熱量がこもっていました。

 食べ物とかについて彼女はとても研究熱心なのです。

 おかげで私たちもおいしい物を食べる機会が多くなっているので非常にお世話になっているという訳です。


 そうやって一通り食べ物の話をした後は旦那様の話題に移りました。


「ところで話は変わりますが、最近旦那様と二人きりの時はどうしていますか?」

「最近ですか?相変わらずイチャイチャしていますよ」

「ほほう。それはどんな感じですか?」

「この前、ホルストさんがワインを飲みたいというので飲ませてあげたのですが……」

「それで?」

「思い切ってワタクシの口にワインを含ませた後、口移しで飲ませてあげ、そのままキスしちゃいました」

「それはやりましたね。旦那様の反応はどうでしたか?」

「とっても喜んでくれましたよ」


 どうやら口移しでワインを飲ませるのは旦那様の好みのようです。

 今度私も試してみようと思いました。


「ワタクシの方はそんな感じですが、エリカさんの方はどうですか?」

「私ですか?そうですね。そういえば、この前寝る前に旦那様にマッサージしてもらいました」

「マッサージですか?」

「はい。旦那様ってとても力持ちでしょう?だからこの前寝る前に体を揉んでもらったのですが、とても気持ちが良かったですよ」

「それは良いですね」

「はい、とても満足できましたよ」

「今度ワタクシもマッサージしてもらうことにしましょう」


 ヴィクトリアさんも私のマッサージの話を聞いて、旦那様にマッサージをしてもらいたくなったようです。

 そうやって今度してもらうようなことを言っていました。


 食べ物の話に恋バナと、こんな風に私たちは楽しみながら旅をしたのでした。


★★★


 さて、そんな風に順調な旅を続けていた私たちですが、しばらくすると異変が起こりました。

 それまでニコニコ顔で女子トークをしていたヴィクトリアさんが急に顔をキュッと引き締めると、こう警告してきました。


「エリカさん。先方を偵察させていた風の精霊からの警告です。どうやらこの先に魔物が潜んでいるそうです」


 こんな警備のしっかりした街道に魔物?


 私はそう思いましたが、出て来たものは仕方がありません。

 私は馬車の中に声を掛けました。


「旦那様、どうやら魔物が現れたようです」

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