第698話~カリュドーンの猪との再会 カリュドーンの猪と話し合う~
魔法でカリュドーンの猪が棲むドワーフの国の地底湖へとやって来た。
「こっちですよ」
ネズ吉の案内で俺たちは近くの森へと移動する。
この森はネズ吉とカリュドーンの猪が棲んでいる森で、二人とも普段はこの森で仲良く暮らしているのだ。
それはともかく、、森に着くなりネズ吉が森の中に向かって呼びかける。
「お~い!カリュドーンの猪!ホルスト様たちがいらっしゃっているぞ!」
すると、森の奥からガサゴソと物音がして。
「これは皆様。お久しぶりです!」
「ああ、久しぶりだな」
森の奥からひょっこりとカリュドーンの猪が顔を出したのだった。
★★★
カリュドーンの猪と久しぶりに再会した俺たちは、再会を祝して宴会をすることにした。
「なあ、カリュドーンの猪は木の実が好物なんだってな」
「はい。その通りです」
「それに割と肉も食べるらしいな」
「まあ、猪は雑食ですからね」
「だったら俺の嫁たちの料理を食べてくれるな。前に『静かなる谷』という場所で蛇人たちから教えてもらった木の実を使った肉の蒸し料理を作るらしいからな」
「それは美味しそうですね。とても楽しみです」
嫁たちが腕を振るった料理を食べさせてくれると聞いてカリュドーンの猪は大喜びだった。
ということで、早速嫁たちが料理を始めたのだが、その前にエリカがやって来て。
「旦那様。今お酒とおつまみを用意しましたので、料理が出来上がるまでお酒でも飲みながらお待ちください」
と、お酒とつまみを持ってきてくれたので、俺とネズ吉とカリュドーンの猪の三人で話をしながら飲むことにした。
★★★
「待って!銀お姉ちゃん」
「ふふふ。捕まえてごらん」
ホルスターと銀がそうやって追いかけっこをして遊んでいる傍ら、俺とネズ吉、カリュドーンの猪の三人で飲み始めた。
「まあ、飲んでくれ」
「「ありがとうございます」」
そう言いつつ、俺が二人の前に置かれた杯に酒を注いでやると、二人は一気にグビッと酒を飲み干した。
それを見て、俺もグビッとやる。
そうやって気分が高揚し、もう一度盃に酒を満たしたところで話を始める。
まずは例の地下墳墓の件を聞くことにする。
何せこれからたんまりと酒を飲む予定だからな。
酔っぱらってしまう前に真面目な話をしておこうという訳だ。
「それでカリュドーンの猪よ。ここにいるネズ吉に聞いたんだけど、お前って地中に埋まっている物の探索が得意なんだって?」
「ええ。何せ私は猪ですので。猪は地中に埋まっている芋や昆虫などの動物を食べるので、地中の中の物を探すのは得意ですよ」
「やはりそうか。で、それはどのくらいの範囲を探索できるんだ?聞いた話だと、この国の中くらいなら大丈夫だと聞いたんだけど」
「ええ、問題ないですね。この国の中くらいなら地中に埋まっている物の探索はできますよ」
「そうか。それで、実はお前に探してほしいものがあるんだが……やってくれないか?」
「もちろん構いませんよ」
俺の頼みをカリュドーンの猪はあっさりと了承してくれた。
今までの言動から察するに、自信ありげな様子なのでこれは期待しても大丈夫だろうと感じた。
「それで、何をお探しで?」
「『大王の台地』という場所に埋まっているルック王という人物の巨大地下墳墓なんだ」
「地下墳墓ですか。いいです。やってみましょう」
「本当か?」
「はい。ただそこはちょっと遠い場所なので、細かく探索しようと思ったら準備をする必要があるので、明日でも大丈夫ですか?」
「もちろんだ。お願いするよ」
これで、真面目な話し合いは終わりだ。
それから嫁たちの料理ができるまでの間、俺たちは雑談をしながら酒をグビグビと飲むのだった。
★★★
そうこうしているうちに嫁たちの料理ができた。
メインは先程嫁たちが言っていた通りに肉の蒸し焼きである。
これはドラゴンの肉に木の実を添えて葉っぱに包んで蒸し焼きにしたものだ。
肉を包んでいた葉っぱを開けると、葉っぱに包まれて隠れていた良い香りが一気に広がり、たちまち食欲がわいてきた。
この他にも、チーズたっぷりのピザや果物とメニューは豊富なのでこれらを食べて行く。
「ネズ吉ちゃんにカリュドーンの猪ちゃん、どうぞ食べてね」
「「これはヴィクトリア様。ありがとうございます。いただきます」」
ヴィクトリアが蒸し焼きやピザを取り分け、ネズ吉たちの前においてやると、二人は笑顔で料理を食べ始めた。
「この肉は木の実の香りが染み渡っていて非常においしいですね」
「このピザに乗っているチーズ。甘くてトロトロでおいしいですね」
二人は料理が気に入ってくれたようで、そうやって誉め言葉を発しながら嬉しそうに食べていた。
それを皮切りに他のみんなも料理を食べ始めた。
「お、これは前に蛇人たちの食べさせてもらったのに味がよく似ているな」
「ええ、頑張って再現してみました。気に入っていただけましたか?」
「もちろんだ。とてもおいしいよ」
「今日のピザ。アタシが味付けをしたんだよ。どう?」
「うん。最高だよ」
嫁たちの料理は非常においしかったのでそうやって褒めると嫁たちも非常に喜んでくれた。
こうやって場を盛り上げると気分が高揚したのか、嫁たちも遠慮なく飲み始め。
「エリカさん。お酒、お注ぎしますね」
「ヴィクトリアさん、ありがとう」
「ネイアちゃん。お肉、切るから食べる?」
「はい。お願いします」
といった感じで和気あいあいとしゃべり始め、みんなで楽しい時間を過ごしたのだった。




