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第696話~嫁たちとの作戦会議 巨大地下墳墓がある場所は?~

 さて、それでは古文書の解析の報告会兼今後の方針を決める会議を始めるとする。


 まずはヴィクトリアが収納リングからさっと資料を取り出す。

 全部でレポート用紙三十枚くらいの分量があった。


 これは禁書庫にあった関連資料を要約したものだ。

 禁書庫の書物は原則持ち出し禁止なので、エリカたち三人が解析したものをこうしてレポートにまとめて持ち出してきたという訳であった。


 さて、それではまずはエリカたちの報告を聞き、それから作戦を立てるとしよう。


★★★


 どうも、ネイアです。


 なぜか今回古文書の解析レポートの発表を私がすることになりました。

 今回エリカさんが翻訳した分を主にまとめたのは私なので、私が一番レポートの内容に詳しいという理由でこうなりました。


 ということで、説明しなければならないのですが、とても緊張しています。

 うまくやれるかどうか、とても不安です。

 そのことをヴィクトリアさんに相談すると。


「大丈夫です。前回このワタクシでもできたのですから、ネイアさんなら大丈夫です」


 と、励ましてくれました。

 そのヴィクトリアさんの声援にこたえるためにも頑張って発表しようと思います。


★★★


「それでは、今日は私が説明させてもらいます」


 そんな私のセリフから説明は始まりました。

 まずは地下墳墓がある場所から説明します。


「まず地下墳墓のある場所なのですが、『大王の台地』という場所ではないかと思われます。ここは草木がまばらにしか生えていない荒涼とした台地で人は寄り付かない場所です。それでいて、そこから少し離れたところに火山地帯があり、ネズ吉さんに聞いたところ、そこから地脈エネルギーが流れて来ていて、ここで一気に地下深くへと沈みこんで行って、ここを越えた先は地脈のエネルギーが希薄になるそうです。だから『大王の台地』の向こう側は砂漠地帯になっていたりします。まさに今まで行った『静かなる谷』や『霊山マウントオブスピリット』と同条件の場所だと言えます」

「なるほどな。確かにネイアの言う通りだ」


 私の言葉に納得してくれたのか、ホルストさんが大きく頷きます。

 それを見て、私は話を続けます。


「それで、禁書庫にあった古文書にはとある伝承が残されていたのです。ここには現在ドワーフ王国がある巨大地下空洞に古代王国を建国したルック王の伝説があるのです」

「ルック王?」

「はい。古代王国を建国した偉大なる王様で、人々には大王と呼ばれていたとのことです」

「大王?なるほど。その大王の墓があるから『大王の台地』と呼ばれているという訳か」

「さすがはホルストさんですね。その通りです」


 私に褒められてうれしかったのか、ホルストさんはニコニコと笑いました。


★★★


 私の話はまだまだ続きます。

 次は古代王国について話します。


「古文書の解析によりますと、古代文明は高度な魔法技術を持っていたそうです」

「高度って、どのくらいなんだ?」

「この前手に入れたガスタービン式魔力炉とかあったじゃないですか。ああいった魔道具を量産して繁栄していたそうです」

「そうか。それは確かに高度な文明だ」

「はい。それで、話の続きですが、その古代王国はその莫大な技術力を使って造ったわけですよ。初代国王であるルック王のために巨大な地下墳墓を」

「なるほど。つまり今までの話をまとめると、その古代王国がルック王のためにその高度な技術を駆使して巨大地下墳墓を造り、それが『大王の台地』にある。そういうことでいいのか?」

「はい、その通りです」


 さすがはホルストさん。理解が早くて助かります。

 この辺のホルストさんの理解力の高さに、私は惚れ直すのでした。


★★★


 さて、私の話はいよいよ核心へ突入します。

 最後は巨大地下墳墓の具体的な場所についての話です。


「それで、肝心の巨大地下墳墓の場所なのですが、『大王の台地』の中央部分に造ったということです」

「『大王の台地』の中央部分?それは漠然とした話だな」

「確かにその通りだと思いますが、地下墳墓の位置は建設当時から秘密扱いだったみたいで、正確な位置は早い段階で分からなくなったみたいですよ」

「そうなのか?」

「はい。というのも、その地下墳墓にはルック王の遺体の他にも色々と財宝を埋めたらしいですよ。ですから正確な位置の情報は機密扱いだったみたいです。そして、侵入者に備えて罠を仕掛けたりもしているようです」

「財宝が埋まっているのか。それなら確かに機密扱いになるし、罠も仕掛けるわな」

「そういうことです。さて、私の話は以上です」

「うん。ネイアの話はとても分かりやすかったよ。きちんと説明してくれて、ありがとうな」

「アタシも大体のことは理解したよ。ネイアちゃんの話分かりやすくて良かったよ」

「さすがはネイア殿ですね。説明の分かりやすさに、このネズ吉、感服いたしました」


 私の話を聞いて納得できたのか、最後そうやってホルストさんとリネットさん、それにネズ吉さんが褒めてくれました。

 三人のその得心の行った顔を見ると、大任を果たせたと、私はホッとした気分になるのでした。


★★★


 さて、ネイアの話が終わったので、これから先の行動を決めることにする。


「エリカたちの活躍で問題の巨大地下墳墓が『大王の台地』の中央部分にあることが分かった。後は具体的な場所を特定するだけだが、どうすればいいと思う?」

「は~い」


 と、ここでヴィクトリアが手を上げた。


「大体の位置が分かったんだから、細かい位置の場所は『カリュドーンの猪』ちゃんに聞けばよいと思います。ネズ吉ちゃんの話だと、カリュドーンの猪ちゃんなら地中探索ができるということですし。皆さんはどう思いますか?」

「「「「異議なし!」」」」


 ヴィクトリアの意見にこの場にいた全員が賛成した。

 俺もヴィクトリアのこの方針に賛成なので、文句はない。


 ただ、正体不明の地下墳墓に行くのならそれなりの準備は必要だと感じたので、そのことを付け加えて、俺達は皆にこう提案した。


「よし、わかった。とりあえずはカリュドーンの猪の所へ行って場所を特定してもらうとする。ただ、未知のダンジョンへ行くのだからその前に買い出しをしておこうと思う。この方針で行こうと思うがいいか?」

「「「「問題ないです!」」」」


 これで、今後の方針がまとまった。

 その後は嫁たちがお茶やお菓子を持ってきて、そのれを食べながらの雑談会が始まり、この日はのんびりと過ごしたのだった。

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