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第694話~ホルストとリネット 頑張るエリカたちのために狩りに行く~

 リネットだ。


 エリカちゃんたちに古文書の解析を任せた後、アタシとホルスト君はエリカちゃんたちが食べたかった新鮮な鳥の肉を求めて、ネオ・アンダーグラウンドの町の近くの森に狩りにやって来た。

 狩りにはアタシのおじい様の家来のうち新人の子たちが一緒に来ている。


「なあ、ホルスト君。リネットと狩りに行くんならうちの新人の子たちを連れて行ってくれないか?少し弓の実践訓練をさせたいのだ」


 そうおじい様に頼まれたからだ。

 アタシもホルスト君もギルドの訓練所で新人の訓練をやったことがあるので、この手の仕事には慣れているので。


「いいですよ」


 と二つ返事で了承したのだった。


 まあ、新人の子たちの腕では鳥を狩るのは難しいかもしれないが、おじい様の頼みだ。

 狩りをするついでに頑張って鍛えてあげようと思う。


★★★


「それじゃあ、始めるぞ」


 森での狩りはホルスト君のその一言から始まった。


 まずは皆で協力して獲物である鳥を探した。

 もう冬ということで、鳥もあまり外に出たくないのか、すぐには発見できなかったが、三十分ほどした頃。


「リネットお嬢様。向こうの木の所にブクブク鳥の群れがいます」


 と、家来の子がアタシに知らせてきた。

 確認すると、数本の木に五羽ほどのブクブク鳥が止まっていた。


 アタシはすぐにホルスト君に知らせて指示を待つ。


「ホルスト君。向こうの気にブクブク鳥が十羽ほどいるよ」

「なに?それなら新人の連中に早速訓練をさせるか」


 と、ホルスト君が指示を出したので、家来の子たちを集め、ちなみに今回は三人いる、弓を構えさせる。

 そして。


「放て!」


 ホルスト君の命令で三人が一斉矢を放つ。

 矢はビュッと鋭い音を立てながら飛んで行き、そのまま命中するかと思われたが。


「あっ。外れたね。残念だったね」


 惜しくも全部外れてしまった。

 そして、バタバタと羽音を立てて鳥たちは逃げて行ったのだった。


 残念だったけど、森は広くまだまだ獲物もいるはずなので次頑張ろうと思う。


★★★


 それから十分後。次の獲物を見つけた。

 先程と同じブクブク鳥で、今度は一羽だけだった。


 地面に降りて落ちている木の実か何かを食べているようだった。

 食べるのに夢中になっていてアタシたちの存在にも全然気がついていない感じだった。

 完全に隙だらけな状態だった。


 それを見てホルスト君が言う。


「これはチャンスだな。リネット。新人の子たちにお前の腕を見せてやれ!」

「了解だよ!」


 ホルスト君に言われてアタシは弓を構えた。

 ここは家来たちの手前外すことはできない。

 慎重に狙いを定める。

 そして、一呼吸置いたところで。


「えい!」


 矢を放つ。

 ビュンと鋭い音を立てて矢が飛んで行き。


「ピー」


 矢は見事にごtに命中し、ブクブク鳥は倒れた。

 それを見て皆が褒めてくれた。


「リネット。やったじゃないか」

「さすがです!お嬢様」

「へへ、褒めてくれてありがとう」


 褒められたアタシはちょっとだけ照れくさくなって、そうやって顔を赤くしてはにかむのだった。


★★★


 その後数羽捕まえた後、昼食の時間になった。

 ホルスト君と二人きりになって、平らな岩の上に座って食べた。

 家来たちはアタシたちに気を使ってか、少し離れた所で食べてくれている。


 今日のお弁当はおじい様のところの料理長が持たせてくれた物だ。

 今朝焼いたばかりの柔らかいパンとたくさんのおかずが入ったバスケットだ。

 これを二人で食べて行く。


 とりあえずは。


「ホルスト君、あ~んして。アタシが食べさせてあげる」

「おう。あ~ん」


 まずは最初にそうやって卵焼きを食べさせてあげた。

 アタシが食べさせてあげた卵焼きをおいしそうに食べるホルスト君は本当に愛おしかった。

 アタシは非常に満足した。


 その後もホルスト君に食べさせつつ、アタシも食べた。

 少し離れた所とはいえ家来たちがいるので、そこまでイチャイチャできなかったけど、ホルスト君と楽しくご飯を食べられて本当に良い時間を過ごせたと思う。


★★★


 そうやって昼ご飯を食べた後も狩りは続き。


「これで今日の収穫はブクブク鳥二十羽か。今日の夕食に使う分には十分だな」

「そうだね」

「それに家来の子たちも何羽か仕留められたし、訓練としても十分だろう。そろそろ帰るとするか」

「うん」


 十分な量の収穫があり、家来たちの訓練もできたので、帰ることにした。


 帰ったらブクブク鳥を料理長に渡して料理してもらい、エリカちゃんたちに食べてもらう予定だ。

 皆で楽しく食べる光景を思い浮かべるとアタシまで楽しくなり、ウキウキ気分で帰宅するのだった。

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