第691話~キュウケツカマキリを退治せよ! 後編 退治完了!~
キュウケツカマキリと対峙するべく分身体の下へと向かうため俺は転移門を抜けた。
すると。
「キシャー」
と、今まさにキュウケツカマキリが俺の分身体に襲い掛かろうとするところだった。
「分身体、下がれ!」
それを見た俺は分身体を後ろに下がらせると、剣を取りキュウケツカマキリと相対する。
キュウケツカマキリは俺と対峙すると、腕についている鎌で俺に切りかかって来る。
キン。キン。
俺の剣と鎌がぶつかり合い鋭い金属音が周囲に響き渡る。
この攻防はしばらく続き、その間この金属音はずっと響き続けた。
「『世界の知識』」
この戦いの最中、俺は魔法を使用して相手のことを探った。その結果。
『キュウケツカマキリ』
ドワーフの国にある地底湖の遺跡の奥にある森林地帯に生息するカマキリの魔物。
基本夜行性で、普段は森の獣を切り裂き、傷口から血を吸って生活している。
主な攻撃手段は両手の鋭い鎌で、その一撃はドラゴンをも一撃で両断する。
他にも口から血を吸うための鋭い管を出しそれで攻撃したり、尾で攻撃したりもする。
基本生息地の森から出ないが、たまに気まぐれな個体が森を出て放浪の旅に出ることがある。
ちなみに、目の前の個体は雄である。
と、以上が検索結果だ。
どうやら目の前のこいつがキュウケツカマキリで間違いないようだ。
魔物の情報もネズ吉に教わった通りのものだった。
いくつか攻撃手段を持ってはいるが、俺にとって大したものではない。
さて、これで相手の情報も手に入れたことだし、さっさと始末するとしよう。
★★★
キュウケツカマキリの情報も手に入ったことだし、そろそろ全力で仕留めに行こうと思う。
ただ仕留めるとはいっても、俺は今回とどめは刺さない。
それはガイウス殿下の仕事だ。
俺が瀕死の状態まで弱らせて、ガイウス殿下にとどめを刺してもらう手筈なのだ。
その方がガイウス殿下が魔物を退治したと宣伝することができ、ガイウス殿下の功績を大きくすることができる。
そうした方が俺たちにとっても利益が大きいので、今回そうやってガイウス殿下に花を持たせることになっているのだ。
ということで。
「そろそろ本気で行くぞ!『天土』」
上空からダイヤの槍を落としてキュウケツカマキリを攻撃する。
ドドドッと槍が降って来て、何本も槍がキュウケツカマキリに突き刺さり、「ギャアアア」とキュウケツカマキリが悲鳴をあげる。
この隙を狙ってさらに攻撃を仕掛ける。
「『一点突破』」
必殺剣を放ち、キュウケツカマキリのどてっ腹に大きな穴をあけてやる。
「グハッ」
大ダメージを受けてキュウケツカマキリの動きが大分鈍くなるが、まだ抵抗を止めず、「シャー」と、大声で叫びながら滅茶苦茶に鎌を振り回してくる。
このまま放って置いてもこいつはどんどん衰弱して行き最後には動けなくなるだろうが、攻撃手段を残しておいてガイウス殿下がとどめを刺す時に抵抗されても困るので攻撃手段を奪っておくことにする。
「はあっ!」
気合一閃!
キュウケツカマキリの鎌を腕ごと切断してやる。
スパッという音と共にキュウケツカマキリの両腕が吹き飛ぶ。
ただこれでキュウケツカマキリの抵抗が終わったわけではなく。
ブンと尾を振り。
「ブシュー」
口から吸血の時に使うう鋭い管を出してきて抵抗してくる。
中々鋭い攻撃だ。
しかし、、こんなもの所詮最後の悪あがきに過ぎない。
「ふん!」
一撃で管を根元から切断してやり、さらに。
「『十字斬』」
必殺技で、足と尾をまとめて切断してやった。
これで攻撃手段と手足を失い立ってられなくなったキュウケツカマキリは仰向けに地面に倒れ伏した。
大ダメージを受けたせいか、全身をピクピクと震えさせている。
この分ならもう抵抗できないはずだった。
これで、俺の仕事は終わりなので後はガイウス殿下に任せるだけだ。
★★★
「ホルスト君、待った?」
「いや。ちょうど良い所に来たな」
俺がキュウケツカマキリ追い詰めた時、ちょうどリネットたちがやって来た。
ガイウス殿下とその護衛の騎士たちも一緒について来ていた。
俺が先ほど通ってきた転移門を開けっぱなしにしていたので、それを通ってやって来たのだった。
それはともかく、ガイウス殿下もやって来たことだし早速最後の仕上げをしてもらうことにする。
俺はキュウケツカマキリを足げにし押さえつけると、剣でキュウケツカマキリの心臓を指し示しながら、ガイウス殿下にこう言った。
「殿下。敵は弱っております。今こそとどめを!」
「おう!」
俺の言葉に従い、ガイウス殿下は持っていたアダマンタイトの槍でキュウケツカマキリの心臓を一突きにする。
「グヘッ」
心臓を槍で刺されたキュウケツカマキリは口から大量の血反吐を吐き、体をぐったりとさせる。
このままでもキュウケツカマキリはすぐにあの世に旅立つだろうが、念のためガイウス殿下は体のあちこちに槍を突き刺していく。
首から始まり、脳天、肺、内臓と次々に急所に槍を突き刺していく。
その内にキュウケツカマキリがピクリとも動かなくなったので、生命反応を確認すると、完全に生命エネルギーが消え去っていた。
俺はガイウス殿下に声を掛ける。
「殿下。どうやら魔物の奴、息絶えたようです」
「そうか。よし!」
俺の言葉でガイウス殿下は攻撃を止め、後ろで状況を窺っていた部下たちにこう宣言する。
「キュウケツカマキリ。討ち取ったり!」
「おおおお!」
殿下の言葉を受けて、部下たちが歓声を上げた。
これにて今回の仕事は終了だ。
これでこの町の人々にも平和な夜が返って来るだろう。
そう思うと俺はホッとするのだった。




