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第690話~キュウケツカマキリを退治せよ! 前編 さて、罠を張るぞ~

 ドワーフ王国の王都ネオ・アンダーグラウンドの町で起こる謎の連続殺人事件の犯人。

 それはキュウケツカマキリであるとネズ吉が教えてくれた。


 なので、その詳細についてネズ吉に聞くことにする。


「ネズ吉。そのキュウケツカマキリが犯人らしいのはわかったが、そいつはどんな魔物なんだ?」

「はい。キュウケツカマキリはこの国が禁足地指定している地底湖にある地脈の遺跡からさらに奥へ行った森に棲む魔物です。夜行性で普段は動物にいる獣を鎌で切り裂いて傷口から血を吸って生活する魔物ですね。今回の犯人の特徴である鎌で獲物を切り裂く、傷口から血を吸う、夜に活動するといった特徴に完全に合致しているので、こいつが犯人で間違いないと思います」

「ふ~ん。そんな魔物がいるのか。というか、そんな魔物の存在を聞くのは初めてなんだが」

「まあ、禁足地の奥という辺鄙な場所にしか生息していない上に数も少なくて珍しい魔物ですからね。その森にも全部で三十体かそこらいるくらいですね」

「三十か。それは確かに珍しいな」。

「その上、連中は基本森から出ないですからね。たまに森の外に出て人里などで活動する個体もいるのですが、前にそういうのがいたのは百年以上も前の話ですし、奴らは隠密性に優れているので発見しにくいのです。だから人間にも知られていないのだと思います」

「なるほど。大体の事情は分かった」


 こうして、ネズ吉のおかげで相手の魔物の情報を知ることができた。

 ということで、早速対処にかかることにする。


★★★


 その後、俺と嫁たちにネズ吉、ガイウス殿下とドワーフ軍の一部隊は町中の警備隊の詰所へと移動した。

 キュウケツカマキリが出現するのは夜らしいので、それまでここで待機することにする。


「眷属召喚。さあ、我が眷属のネズミたちよ。キュウケツカマキリが出てこないか見張っていろ!」

「チュー!」


 先にそうやってネズ吉が眷属のネズミたちを放って、町中の見張りをしてくれている。

 敵は夜行性らしいので昼間に出てこないと思うが、念のために見張ってもらっている。

 これで昼間の見張りは問題なくなったので、しばしのんびりする。


「旦那様。お茶を淹れましたよ」

「ホルストさん、ケーキ食べますか」


 エリカやヴィクトリアにお茶やお菓子をもらったり。


「ホルスト君、少し鍛錬しない?」

「あ、私も付き合います」


 リネットやネイアと武術の鍛錬をして汗を流して過ごした。

 そうやってのんびりと過ごしているうちに夕方にになった。


★★★


 夕方になったので行動開始だ。

 まずはキュウケツカマキリを探索するための下準備をする。


「『神獣召喚 白狐』。『幻惑の戦士』発動!」


 まずは白狐を召喚して『幻惑の戦士』を使用する。


 幻惑の戦士は俺の分身を作り出す技だ。

 この分身体は俺とは完全に独立した存在で、例え分身体がダメージを受けても本体である俺には何の影響もないのだ。


 分身体は何体でも作り出せるが、作れば作るほど分身体の能力は低下する。

 一体だけなら俺の七割くらいの能力を発揮できるが、それ以上作り出すとどんどん弱くなる。

 今回は三十体程作るので、大分弱くなると思うが、問題はない。

 なぜなら、こいつらの今回の任務は。


「よし。お前ら、町を徘徊してキュウケツカマキリをおびき出せ!」


 俺の命令で俺の分身たちが町へ散っていく。

 そう俺の分身たちの任務は平服姿で町をうろついてキュウケツカマキリをおびき寄せることだった。


 つまり俺の分身体は囮であり罠なのだ。

 町の人たちは皆夜の間に連続殺人事件が起きていることを知っているので、夜はほとんど誰も外出していない。

 そういう状況だから、無防備な状態で出歩いていれば襲われる可能性は高いのだった。


 ただそれだけでは万全とは言えないので他の手も打ってある。


「ネズ吉。引き続き眷属に見張りをさせてくれ。もしキュウケツカマキリが出現したらすぐに知らせてくれ。すぐに俺の分身体をそこに向かわせるから」

「了解です」


 そうやってネズ吉の眷属がキュウケツカマキリを見つけたらそちらに急行して分身体を襲わせるように手筈を整えている。

 さっきも言った通り、この町今は連続殺人犯を恐れて寄る人がほとんどいない状況なので、そんな所に俺の分身体が近づけば襲われること間違いなしだった。


 さて、これでやれることは全部やった。

 後はキュウケツカマキリが出てくるのを待つだけである。


★★★


 そうやってキュウケツカマキリを待っているうちに時刻は日付が変わるくらいの時間になった。

 まだ何も変化がないな。もしかして今日は来ないのかも。

 俺がそう思っていると。


「ホルスト様。眷属からの連絡です!Dの五地点にキュウケツカマキリが現れたそうです」

「なに!Dの五にか?その近くにいるのは分身Eだな。よし、すぐに向かわせる!それとリネットたちは出撃の準備をしろ!」

「了解!」


 ネズ吉から報告があったので、分身体Eを現場に向かわせ、リネットに指示を出す。


 そして、俺は意識を分身体Eに向けて集中する。

 こうすれば俺の頭に分身体Eの情報が共有され、現場の様子が手に取るようにわかるのだった。

 それで、分身体Eの視界を追っていくと。


「お!でかいカマキリがウロウロしているな」


 人間の背丈よりも一回りでかいカマキリを見つけた。

 多分こいつがキュウケツカマキリで間違いないと思う。


 そして、俺の分身体がキュウケツカマキリを見つけるのと同時に相手も俺の分身体を見つけたようで。


「シャー」


 と、叫びながら襲い掛かって来た。

 それを見た俺はすぐに魔法を使用する。


「『空間操作』」


 すると目の前に転移門が開いたので、俺はすぐさま分身体Eの下へ駆けつけるのだった。

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