東魔法学校と生徒会
今日は東魔法学校での入学式が行われた日。
主席、いわゆる最高の成績で合格した生徒は、別に演説などをするわけではないが、名前は張り出されるため必然的に注目を集める。
試験は筆記を重視はするが、やはり意識の高い第1種魔法使い候補の生徒が主席になることがほとんどで、今年もその例に漏れなかった。
第1種魔法使い。つまり先天的な才能で魔法を使えるのは全世界で十万人に一人。日本にいるのは1200人くらいである。
これをさらに学生にまで限定すれば、300人くらいで、その中で東魔法学校に入れるのは50人くらいだ。
そんなトップの学校でも学生ではランクDからEが中心で、Cならなかなか優秀と言えた。
しかし今年はランクCからDが中心のハイレベルな新入生が多く、主席合格者の飯田聡美はなんとプロでの活躍をしている大人にも劣らないランクBの魔法使いであった。
学校にいるうちは、仮免許という形で校内など特別な場所のみでしか魔法は使用できないが、ランクの評価は本物の免許と同じなため強さそのものを図る物差しとしては同等である。
既に本物の魔法使いからも注目を受けており、おまけに抜群なスタイルや大きな瞳、セミロングな黒髪など容姿でも非常に目立つ。
そんな彼女が不機嫌そうに廊下をはや歩きしているのでより目立つ。
ちなみにはや歩きが早すぎてこのあと廊下を走ったとして怒られてより一層不機嫌になっていたりする。
彼女の目的は生徒会室。
東魔法学校では様々な行事の際に魔法を活用するのだが生徒会選挙もその1つである。
生徒会長の座を争って希望者が戦い、優勝者は生徒会長となり、副会長以下の3人を選ぶことができる。
実力主義の東魔法学校に入学するような生徒は、ほぼ全員がこの生徒会選挙に参戦する。
要は生徒会長はこの学校における最も強い生徒が就任していることになる。
任期は原則として3ヶ月。だが、生徒会長を一騎討ちで倒すことができれば任期中でも生徒会長が入れ替わる。
生徒会の運営そのものに支障が出てはいけないので、副会長以下の3人は就任から3ヶ月は必ず継続すること(その後はその時点での生徒会の任意になる)
や、一騎討ちをしてはいけない期間などの制約はあるが、基本的に生徒会長はいつでも申し込みを受けなければならない。
生徒会長は「第○代生徒会長」とされ、任期の3ヶ月を過ごせれば、最も優秀な魔法使いが集まる学校でその間無敗であったということで、卒業後の進路に非常に有利になる。
東魔法学校は今年で開校50年を迎え、現会長を含めて110人が会長を勤めた。
最短では1週間持たない会長もいたが、通っている3年間無敗という猛者もまれにいた。
平均すると、3、4か月くらいが任期である。
しかし、現生徒会長は既に1年の長期政権を築いている。
自分の強さに自信のある彼女にとっては、生徒会長の座は興味があり、現生徒会長と戦ってみたいという気持ちもあった。
これが彼女がいきなり生徒会室に来たわけである。
前置きと説明が長すぎな気もしなくもない。




