とある生徒会室と魔法の起源と免許と
とある学校の生徒会室。
本来の生徒会室には会長、副会長、書記、会計の4人がいるはずだがこの部屋には今2人しかいない。
たまたま仕事に出ているとか単純に学校そのものを欠席しているとかがあり得るのでそこまで異常な事態ではないが。
生徒会室にいるのはメガネをかけた男子生徒。
もう一人はスレンダーなスタイルの大和撫子。
2人でせかせか仕事をしている。
「会長! 私と勝負をしてください!」
そんな生徒会室に入ってきたのは、他の生徒会メンバーでも教師でもなく、彼らも初めて見る女子生徒だった。
2人だけの生徒会室にいつもと違う緊張感が走ったような気がした。
魔法。それは人の力が及ばぬ奇跡の力。
魔法が世に生まれたのは魔法が必要になったと言うことであると専門家は語る。何の専門家かは分からない。
大きな世界規模の戦争から、小さな国での紛争まで争いが耐えなくなった世界。
これを止める奇跡を世界中の人が願った結果魔法が生まれたというよりは説が専門家達の中で通説になっている。
不思議な力である魔法は世界各地で使用者が見つかった。これがまだわずか100年前のことである。
魔法は完全に科学を押さえつけた。核を中心とする科学技術は魔法の前にすべて無力となり、世界の科学による戦争はなくなった。
しかし、しばらくたつと、魔法が科学に変わって戦争の道具となった。
魔法は本来は完全に先天性のものだった。
ところが、最近になって専門家達の中で魔道書や杖を介して魔法を使う技術の開発に成功してしまった。
これにより悪事や戦争にも魔法を使われはじめ、これを止めるのにも魔法が必要になった。
先天性の魔法使いは非常に数が少なく、管理が難しくなかったが、努力次第で魔法を使得るようになったのでは数があまりにも多くなりすぎて管理が追い付かなかったことが今回の問題であり、それに対して世界はあらゆる対策を立てた。
そして日本が独自に立てた対策は、魔法使用免許制度である。
車の免許と同じシステムで、日本では原則として魔法の使用は禁止とし、免許を持つことで使用を認められることになるというものである。
免許は3種類用意された。
1つは、第1種魔法免許。
先天的な魔法使いに交付される天才の証。
1つは、第2種魔法免許。
後天的な魔法使い、つまり魔道書や杖を介して魔法を使う魔法使いに交付される免許。
厳しい試練を乗りきって交付される免許である。
最後は第3種魔法免許。
これは魔道書や杖などの魔法仲介物などを作るいわばエンジニアの免許。
この免許を交付されるには、第3種会得要件に加えて、第1種か第2種魔法免許を会得していないといけない。
各免許にはAからEまで5段階評価がされており、A から順に優秀である。
日本はこの免許の交付をより多くさせるために、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、博多の7ヶ所に魔法学校という専門学校を作った。
独学よりも非常に効率よく学べるため、魔法免許を会得するならまずいずれかの学校に行くべきである。
免許を会得させれば、その免許により誰がどこでどのような魔法を使用したかが四六時中分かる。
そのため、魔法使いを増やしつつ、魔法使いを管理できるというシステムを日本は確立した。
7ヶ所の学校にはそれぞれ特色があるが、最も優秀なのは東京にある東魔法学校である。
他の学校は第1魔法使いを特待生として迎えるが、この学校だけは人数制限をかけ、入学試験の結果のみで判断しあくまでも実力主義とする。
東魔法学校に通うこと自体が強さを単純に示すステータスなのである。




