第6話 L’eau enveloppée d’un ruban (5)
占い師が、またタロットカードをシャッフルした。
「それじゃぁ、ここから、三枚選んでみて」
蕾が三枚選んだ。
占い師が、1枚目をめくった。
『正義』のカードが出てきた。
占い師「 正義ね。公正の意味を持つ。バランスよく今まで生きてきたんじゃないかな? 優等生。真面目ないい子ちゃん。ってやつね。」
蕾 ( はいはい。私はクソがつくほど、真面目ですよ。)
占い師が二枚目をめくった。
占い師「 二枚目は 『塔』───正位置ね。
これは、急変、崩壊、衝撃を表してる。今、蕾ちゃんの心の中で、なにか急激に変化が起きてる事ない? 衝撃な出来事が最近あったとか?」
蕾「 うーん.........どうかなぁ......
今は思い浮かばないです 。」
占い師「 .... それか、蕾ちゃん、何かを壊そうとしてるでしょ? 今のままじゃいられないって、どこかで思ってるとか。」
蕾 「......いやぁ.. 特に。」
占い師「 蕾ちゃんは、結構自分の気持ちを自分にも分からないように、隠しちゃうところがあるから...... 自分でも、自分の気持ちに気づかないように、目を背けてしまってる可能性があるわ。心当たりない? 」
蕾「 あんまり....... そう思ったことはないかも...... 」
占い師「 そう。 自分の心に、かなり頑丈な蓋をしてる可能性があるわね。」
占い師「 そうねぇ.. それじゃぁ、3枚目をめくってみるわ。」
蕾 ( はぁーぁ、なんか、ヤダなぁ。変なカード出てきちゃったら......。もうこうなったら、何でも来い!
こんなのは、たかが占いだ。
それに真面目に生きてきた私に、変なカードが出るわけがない!)
蕾が強気になる。根拠の無い自信と、鬱陶しい事は、蹴飛ばしてやると言った気持ちで身構えながら、三枚目を見た。
三枚目は、『悪魔』だった。
蕾 ( ゲッ! )
占い師「 悪魔ねぇ。悪魔だけど、落ち込まなくて大丈夫よ。悪魔は、欲望、快楽、執着なの。」
蕾は、少しほっとした。
占い師「 しかもこれは、逆位置だから、、、解放、覚醒、依存からの脱出なのよ。未来は、依存していたことから解放され、新しい自分が見えてくるわ。いいカードよ。依存からの解放……でもね、解放には痛みが伴うのよ。目を覚ますってことは、今までの自分を手放すってことだから。」
蕾は、どんな痛みが伴うのか少し気になったが、まぁ、小さな失敗や恥ずかしいことなんかかなと思った。蕾は占い師に、良いカードと言われて、喜んでいる。あれだけ、たかが、占いなんて信じないなどと心の中でバカにしていたのに、気がつけば蕾は、すっかり占いの世界に引き込まれていた。
続く




