第18話 繊維鑑別
本間が、携帯から聞こえてくる森野の声に、耳を傾けていた。本間が、キョトンとしている。
本間「 空から.... パンツ......? 」
森野「 はい!(汗) 」
本間「 森野、大丈夫か? 空からパンツが降ってきたって....幻じゃないのか....お前、疲れてるんじゃないか、、少し休んでもいいぞ。」
森野「いや、本間さん。ほんと、ほんとなんですよ。汗」
本間「 ........ それで、そのパンツがどうした?」
森野「 おぉ!! 汗 」
本間は森野の状況が見えないので電話越しに驚く森野に何かあったか心配する
本間「どうした? 森野、大丈夫か?汗」
森野「あっ、本間さん、す、すみません。犬が。。」
散歩中の犬が、森野の左手に握っているパンツが気になるようで、そのパンツのそばに近づいてきて、クンクンと嗅いできた。
犬はリードに繋がれていて飼い主が森野に声をかけた
飼い主「すみません(汗) 急にこの子近づいてしまって、、、、どおしたのかしら?」
── わんわんっ わんわんっ
わんわんっ わんわんっ ──
飼い主「さぁ、行くわよ。本当にすみませんでした。」
森野「いえいえ、大丈夫ですよ。夜道の犬の散歩は、視界が見えにくいのでお気をつけて」
飼い主が、森野に一礼すると、立ち止まっている犬のリードをひょいと引っ張って、また、お散歩ルーティンコースへ戻っていった。
森野「本間さん、すみません。」
本間「 大丈夫か? 」
森野「はい (汗) なんとか (汗)。
ちなみに、本間さん、このパンツは、すみれ色のSサイズです。
これって.......... 音瀬愛美香のバックの中にあったパンツと似てると思うんですが..........」
本間「 えっ! 本当なのか?
偶然かもしれんが............ 同じデザインのものならば、そのパンツを鑑識課に提出して、検証してもらってくれ。
場合によっては科捜研の力も必要になってくるかもしれない。頼んだ。」
森野「 はい! わかりました! 」
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────── 数日後
本間「柳林さん、音瀬愛美香のバックから出てきたパンツを科捜研から検査結果が出まして..
柳林「 おぉ。ほぃで、どうだった? 」
本間「はい。パンツの繊維の中に、覚せい剤が練り込まれていました。」
柳林「本当か?」
本間「はい、科捜研の天野さんからの報告ですので確かです。」
柳林「 ほぅか..... そぃでぇ、森野が拾ったパンツはどうだった?」
本間「 はい。それが..... そちらも、薬物反応が陽性でした。」
柳林「ほぅか..... 同時期に、違う場所で、同じデザイン、色のパンツから、薬物反応か.......」
本間「 はい。それで、覚せい剤の使用をしていなかったかどうか、毛髪検査で、音瀬愛美香の髪を調べました。」
柳林「 出たのか? 」
本間「それが、、、」
柳林が本間をみつめる
本間「でなかったんです」
柳林「 ほぅか、、、
なるほど。
音瀬愛美香は、薬物の使用はなかった。
しかし、バックに入っていたパンツから覚せい剤が、見つかった。
音瀬愛美香は、その事を知ってたのだろうか。」
本間「そうですね.... 死人に口なし。今となっては分かりませんね。」
柳林「そのパンツを薬の売人に売れば、かなりの金が入る。その事を知っていたなら、薬物密売をしていた可能性もあるな。」
本間「 はい。音瀬愛美香の周辺で、薬の売買をしてる人物がいるかどうか、調査が必要かと。」
柳林「 そうだな。音瀬愛美香は、音瀬愛美香の殺人の犯人と売買をしていた可能性もある。さらに裏に大きな組織が隠されている可能性も..。
そうなってくると、特別対策本部を設置して、克ちゃんが指揮することになるかもな..。あの鈴木という男や、その辺も合わせて、麻薬売買について捜査が始まるだろう。」
本間「 東原警視正が...... 指揮を執られるんですね..... 心強いです。 」
───東原克彦は、静岡警察本部刑事部長であり、柳林とは同期である。若い頃はいくつもの事件を解決して同じ時代を生き抜いてきた仲間だ。東原は、段階的に役職を変え、キャリアを積んできた。一方、柳林は、純粋に事件解決することだけに重きを置くために、キャリアの話も何回も出たのだが、その都度断ってきた。違う立場だが、東原と柳林は、これまで、「克ちゃん」「善ちゃん」と呼び合う仲で、協力して、市民の安全を守っていこうと、犯罪をなくせるように、何十年もの月日を切磋琢磨してきた。
東原克彦の出身は大阪天王寺で、東原が中学の時、父親の転勤で、静岡に住むことになり、警察官になりたての頃から、静岡県警に20年ほど務めた。その後に、大阪府警 天王寺警察署の刑事課に転勤となり、故郷に戻る形で、10年ほど勤務していた。今回、また在籍していた静岡県警静岡警察署刑事部へ 再び異動となった。そんな訳で、東原克彦は、静岡にゆかりがあり、静岡とは切っても切り離せない縁のある男だ。大阪と静岡を行ったり来たりする運命のこの男にとって、この事件は、静岡に転勤してきて以来、久々に本腰の入る仕事になりそうだった───
柳林「そしてぇ、、、、この下着の製造会社についても疑わなければならない。社内調査するぞ。」
本間「はい!」
続く




