第12話 背中の温もり
恒一「ママ、リバースだよ。」
叶和「あっ、そうね。はい。」
子供「パパ、緑色3枚取って」
恒一「あー.. また増えちゃったよ。」
子供「UNO!! 私が一番に上がりだよ!」
叶和「すごいわねぇ~」
ある家族が、リビングでカードゲームをしていた。なんともないよくある日常だった。
叶和「さあーて、 それじゃ、カードゲームもやったし、庭に出て、ママは、茄子に水やりしようかなぁ~、手伝ってくれる人~?」
子供達「はーーい! いいよ〜」
ベランダに出ると、庭に作られた家庭菜園に、母親と子供たちは、ホースで水やりをし出した。
それを家の中から、眺めている坂野恒一。
恒一「 安心できる場所
暖かい場所
叶和ちゃん。いつもありがとう。」
坂野恒一が呟いた。
坂野恒一と妻坂野叶和は、結婚六年目になる夫婦で、五歳と三歳の子供がいる。二人は仲睦まじく、まだ幼く手のかかる子供達の面倒を協力しながら、無事に過ぎていく日々に幸せを感じていた。
恒一と子供たちがお風呂に入っている。
キッチンで片付けをしている叶和は、お風呂場から声が聞こえてきた。
恒一「叶和ちゃーーん、子供たちお風呂から出るよ~~。おねがーーーい。」
叶和「は〜ーーーい! 」
少しすると裸ん坊の二人の幼い子供たちが、キャッキャッとはしゃぎながら廊下を走ってリビングに来た。
叶和が大きなバスタオルを持ち、ふたりが来るのを待ち構えて、しゃがみこむと、
向こうから走ってきた二人を大きなバスタオルに包み込むようにして、抱きしめて、笑顔でこう言った。
叶和「はい! お魚さん二匹、捕まえた!!」
叶和は、子供たちのつるんつるんの頬に、優しくキスをすると、手馴れた手つきで下着を着させると、ソファーに座らせ、ドライアーで、髪を乾かし始めた。
叶和が、スマートフォンで、子供が好きなアニメの動画を流すと、二人はそれを夢中で見て、大人しくソファーに座ってくれるので、叶和は、まるで、卓越した技を持つ熟練の飴細工職人のように、ドライアーを使って、素早く二人の髪を乾かし、仕上げるのだった。
今夜も子供達を寝かしつけたあと、リビングでゆっくり二人の時間を過ごしていた
叶和「恒ちゃん。今日もお疲れ様。飲む?」
叶和が、缶ビールを冷蔵庫から取り出して、恒一に差し出す
恒一「うん。 ありがとう。」
叶和「 友樹ちゃん達の寝顔を見るとホッとするわ。今日も一日終わったね。子供達も元気にスクスク成長して、、あっという間ね、きっと、すぐ大人になっちゃうわよ」
恒一「そうだな。大事に一日一日を過ごさないとな。」
叶和「うん。またみんなで色々出かけたりして、思い出いっぱい作ろうね」
恒一「うん。そうだね。叶和ちゃん、いつもありがと。これからもよろしくね」
叶和が恒一の隣に近づき、くっついて座る
「恒ちゃん.......... 久々にする?」
叶和が目をつぶって唇を突き出す
恒一が、そっと叶和に口づけをする
そして静かに、叶和を床に横たえる。
──────二人に甘い時間が流れた
真夜中。
恒一の携帯のバイブがなる
恒一は疲れて寝てしまっている
叶和 ( まただ......... )
叶和が気づき、携帯の画面を覗く
───「また会いたいな 」
誰かからLINEが送られてきていてる
時々恒ちゃんに会いたいと言ってくるあなたは........誰?
叶和が、寂しそうな顔をする
恒一の寝顔を眺めながら、呟く
「 恒ちゃん、信じてるよ。」
...........でもこんなこと、ずっと続いたら、私、いつまで耐えられるか、
分からないよ......
恒ちゃん.........
よそ見しないでね
意地悪しないでね
しっかり私にくっついていてね。
大好きだよ。
叶和は、背を向けて寝る恒一の背中に、静かに顔をくっつけて、また眠りについた
続く




