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第11話 森野刑事の猫捜索

ここのところ連日雨が続いていたが、今日は中休みのように、お日様が顔を出していた。森野刑事がまた、捜索依頼を受けて、住宅街に来ていた








森野は塀を辿りながら、猫の足取りを探していた。







あの男は何をしてるだと、不審者ではないかと、怪しんでいる住民の視線を感じると、森野は、毎回毎回、その都度、事情を説明しては、ご迷惑おかけしますと、深く何回も頭を下げた。






森野の人の良さそうな顔立ちは、初対面でも直ぐに受け入れられた。















森野「いないな.... チーちゃん。」











一人の老人が、自宅の玄関から出てきた。塀にへばりついて、キョロキョロしている森野に声をかける。










「あんた、なにやってるだね?」









「あっ汗 あの〜.... すみません、、決して不審な者ではありません。あの~.... 静岡県警の... .. 森野と申します(汗)」







「はぁ、警察さんがこんな所でなにしてるの?事故か事件でもあったの? 」









「いや.... あのぉ.... 猫を.....」










「猫.......」














「はい。猫を.......」












老人「警察さん、市民を守ってくれて ありがとうね、いつも。 」











森野「いえいえ。職務ですから。みなさんが平和に過ごせるようにこれからも邁進します。」














ミヤァオゥ。














森野「 あっ!! ちょっと、ちょ、ちょっとすみません! もしかしたら、探してる猫かも...... 」












森野が、猫の声を聞くと、眉毛に力が入り、いかにも刑事と言った表情で、眉間に皺を寄せてみたりしている。森野は、その鳴き声の方に顔を向け、耳を傾けた。











どうやら、猫の鳴き声は、老人の家の屋根の方から聞こえてくる



森野は、屋根の上を覗き込むように見上げてみた。




その老人の家の屋根に、猫が丸くなって休んでいるのを発見した!












森野「 チ、チ、チーちゃん!? 」












森野がポケットから、依頼主からお借りしているチーちゃんの写真を取り出して確認した。








黒白のぶち猫。両目の上の額のところに、黒い楕円の模様が二つあり、それがまるで、福笑いの眉毛みたいな柄が特徴だ














森野「 は、は、はしごなんて、お借りできますでしょうか?(汗) 」












老人「 あるけど..... 危ねえぜぇ。気をつけてよ~。」













森野「 ありがとうございます(汗) 」












その老人がハシゴを家の屋根に立てかけるように、設置した。森野がビクビクしながら、慣れないハシゴを一段ずつ上って行った。老人が下で、ハシゴが倒れてこないように、押さえてくれている。









老人「 大丈夫...? 」












森野「 は、はい。 あと少しで、猫の姿が.....見えそうです。」











老人が小声で言う。



「 がんばって 」















森野「 は、はい。汗 」










ここで、ちょっと説明すると、森野がなぜ猫を追っているのかと言うと、森野は警察学校を卒業して、交番勤務を3年務め、去年刑事課に配属されたばかりの新人刑事だ。当たり前だが、大きな事件はまだ担当させて貰えない。まずは、失踪してしまった猫の捜索願いを、処理する係に任命されたわけだ。

猫が探せない奴が、犯人を探せるわけがないと言う上司の考えだ。刑事の初めの一歩と言うところである。













───森野がだいぶ上まで登ると、



猫が丸くなって寝ている様子が見えた。











しかし、後ろ向きに寝ているため、肝心のおでこの柄が見えない。










もし、チーちゃんじゃないとしても、

まず捕獲してみよう。と思い、森野は網を使って、その寝ている猫を捕まえようと決めた。









森野は、下にいる老人に、








森野「す、すみません、、俺が持ってきた虫取り網みたいな、先に網がついてる棒を取って貰えますか? お、俺に渡して貰えますか?」







老人「........世話の焼ける刑事さんだねぇ笑」








老人が塀に寄りかからせてある虫取り網のようなその器具を見つけ、







「ほれ、これかね?」






と言うと、森野に、手渡した。








森野「 あ、ありがとうございます(汗) 」








森野はハシゴが倒れるのでないかと冷や冷やしながら、老人が手渡してくれた虫取り網のような器具を受け取った。

ここまでかなり神経を使って、静かに行動している。猫が起きて、逃げてしまったら、また一から捜索は、やり直しだ。

森野はかなり額に汗をかいて、慎重に、静かに、その網を猫に、被せようと、猫に網を、近づけていく。






老人は屋根の様子は見えないが、森野の動きを下から見ていると、かなり慎重にゆっくり動いて、猫を逃さないようにしているのが分かり、静かに見守った。










森野「 後、、、、、少し........ 」












猫のおしりの方は、網で覆うことができた。あと少しで頭の方も包み込み、すっぽりと包めそうになった。














その時。















バタン!!!!!!!!














「じいさん、お昼だよ。」










家の中にいる老人の奥さんが、窓を開けて、外にいる老人に、そう言ったのだ。








その窓を開けた振動が屋根まで伝って、






猫が目を覚ました!








猫はすぐに、自分が網の中に入って、捕まりそうになっている状況が分かると、素早く網の外へ出た!








みやぁあぁあぁぁああああぁぁ!!!!!!!!










森野「 あっ!!!! まゆげっ!!!! チーちゃん!!!! 」













猫は、屋根を走って、隣の家の屋根に飛び移り、またスタスタと逃げてしまった。








森野「 あっ! ダメだぁ~!(汗) ぁあ.... ぁあぁ......... チ、チーちゃん.... .... .. 」










老人が上の様子を気にしている








老人「 逃げちゃったかね..? えぇ? どうだい? どんな具合だい..?」









森野「 逃しちゃいました。(汗) 今から降りますね。」








老人「....そうかね。わかった。 気ぃつけてよぉ」







老人が下でハシゴを押さえている













森野「 ..........ぅあっ、 あっ、 あっ、 .......ぅわぁぁあ



ああぁぁああああああああああ!!」













ガタガタガタガタガタガタガタガタ...............












森野がハシゴを降りている途中で、足を踏み外し、地面に尻もちを着いてしまった。










老人「 ありゃぁ....! 大変だぁ...... (汗) だ、だ、大丈夫ぅう? 刑事さん。」










森野が、面目ないという表情で、笑いながら言う。


森野「 ..........あっ.....はい。 ちょっと、バランス崩しちゃいました........ でも、ご心配なさらず。 立ち上がれますから。 ほら? ねっ。...........









...........」














ピキィン!!!!!!















森野「 あ゛っ!!!! 」


















───森野のチーちゃん捜索は、まだまだ続くのであった




























老人「ばぁーさん、ばあーさん、湿布、湿布持ってきてやって~。 なんでえ~~~、てやんでえ~~、世話が焼けるねぇ~~、この刑事さんは、よぉ~。」
















続く







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