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赤ずきんはエメラルドの夢を見る  作者: デウス・エクス・マキナ
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第9話 黒腕

蟻ノ巣へ帰れば、温かい昼食といつもの日常が待っている。

けれど、自分の意思とは関係なく動いた黒い指先を、なかったことにはできない。

「まだ、私の腕です」

その言葉を確かめるため、朔たちはストロベリー博士の研究室へ向かいます。

第9話 黒腕



蟻ノ巣へ戻ると、食堂からいい匂いが漂ってきた。

焼いた肉の香ばしさ。煮込んだ野菜の甘い匂い。それから、薬が機嫌の悪い時にだけ、少し濃くなる香辛料の匂い。

朔は食堂の入口で足を止め、思わず息を吐いた。


帰ってきた。


そう実感した途端、身体の奥に残っていた緊張が少しだけ緩む。

けれど、完全には抜けなかった。

祈々の左腕。

炭鉱の奥で、メリーが灰を操った瞬間、小さく反応した黒い指先が頭から離れない。


祈々は隣で、いつもと変わらない足取りで歩いている。夜も表情を崩していない。

一見すれば、何も問題はなさそうだった。

けれど、何もないように振る舞っている時ほど、祈々はよく笑う。


嫌なことは、明るい声の後ろへ押し込める。怖いことは、元気な返事で覆い隠す。

朔はそれを知っていた。

だからこそ、放っておくことはできなかった。


「おかえり」


食堂から顔を出した薬は、三人を見るなり眉をひそめた。


「……お前ら、昼飯前に何してきたんだよ」


「炭鉱調査」


朔が答えると、薬はじとりと目を細める。


「それは知ってる。そうじゃなくて、その空気だよ」


薬の獣耳が、ぴくりと動いた。

鼻が利く。耳も利く。

口は悪いが、薬は人の様子を見るのが意外と上手い。

祈々が慌てたように笑った。


「大丈夫です! ちょっと変な人に会っただけなので!」


「変な人?」


薬の顔がさらに険しくなる。


「オレがラムカラムで会った変なガキとは別か?」


「別だよ」


朔は杖を肩に乗せたまま、食堂へ入った。


「金髪で、ヘイズロストの軍服を着た女。名前

はメリー・グラス」


薬が鍋の火を弱める。


「名前まで分かったのか」


「聞いたら答えた」


「へぇ。律儀な奴だな」


「律儀かどうかは分からない」


朔は炭鉱での女の笑顔を思い出す。

名前を知られても困らない。むしろ、覚えさせたがっているように見えた。

あれを律儀と呼んでいいのかは、かなり怪しい。


「親切な敵は、炭鉱の支柱を雷で壊したりしないと思う」


薬の手が止まった。


「どういうことだ?」


夜が静かに答える。


「逃げるために、炭鉱を崩しかけたの。大きな怪我はしていないわ」


「大きな、って言ったな」


薬は夜を見る。


夜はわずかに視線を逸らした。


「小さな擦り傷程度よ」


「それを先に言え」


「今言ったわ」


「そういうとこだぞ、お前ら……。後で遊祈かNo.Aに手当してもらえ。ばい菌が入ると大変だぞ」


薬は舌打ちしながらも、三人分の皿を手早く用意し始めた。

祈々はほっとしたように笑う。


「薬さんのご飯、いい匂いですね!」


「話逸らすな」


「逸らしてません!」


「逸らしてる奴の声量なんだよ、それは」


薬が皿を置く。

その視線が、祈々の左手に落ちた。

祈々は一瞬だけ、黒い指先を袖の中へ隠した。

ほんの一瞬だった。

けれど、朔も、薬も、夜も、それを見逃さなかった。


「祈々」


朔が呼ぶと、祈々は明るく返事をした。


「はいっ」


「昼飯の前に、博士のところへ行く」


祈々の笑顔が、わずかに止まった。


「……今ですか?」


「今」


「ご飯、冷めちゃいますよ?」


「温め直せばいい」


薬がすぐに言った。

祈々は薬を見る。

薬は乱暴に腕を組んだ。


「飯は逃げねぇ。腕の異変は、こっちの都合なんか待ってくれねぇかもしれないだろ」


祈々は困ったように笑った。


「大丈夫ですよ。私の腕ですから」


いつも通りの、元気な返事。

けれど、その声の奥には、拭いきれない不安がわずかに混じっていた。

朔の胸の奥が重くなる。

祈々自身も分かっているのだ。

この腕が、普通ではないことを。

祈々の左腕は、昔、森で魔物に襲われた時から変わってしまった。

指先へ近づくほど、肌は深い黒に染まっている。その内側には魔物の力が宿り、普通の人間では持ち上げられないような重い物さえ、片腕で軽々と持ち上げてしまう。

村人たちは祈々を「呪われた子」と呼び、恐れ、遠ざけた。

あの腕が与えたのは、力だけではない。

いつか自分の意思を離れ、別の何かになってしまうかもしれない。

そんな恐れを、祈々はずっと抱えているのだろう。

それでも、彼女は笑う。

笑顔を見せて、大丈夫だと言い張る。

朔は首を横に振った。


「だから見るんだよ」


祈々の表情が、小さく揺れた。

朔は続ける。


「完全に手遅れになってからじゃ遅い。今なら分かることがあるかもしれない」


「……でも」


「無理に何かするわけじゃない」


朔は声を少し柔らかくした。


「ただ、仲間として知っておきたい。メリーが灰を操った時、アンタの腕に何が起きたのか」


祈々は左腕を抱えるようにして、少しだけ俯いた。

いつもの元気な返事は、すぐには返ってこなかった。

その沈黙が、何よりも祈々の不安を表していた。

明るくて、強くて、誰かを守るためなら迷わず前へ出る。

そんな祈々が、今は左腕を抱えたまま、いつもより少しだけ小さく見える。


「祈々」


夜が静かに声をかけた。


「見てもらいましょう。何もなければ、それで安心できるわ」


祈々は夜を見て、それから薬へ視線を移す。

薬は目を逸らしながら、ぼそりと言った。


「冷めた飯をもう一回温め直すと、美味い時もあるんだぞ」


「薬さん……」


「だから早く行け。腹減ると余計なこと考えるだろ」


祈々は少しだけ笑った。

今度の笑顔は、さっきより弱かった。けれど、無理に作ったものではないように見えた。


「……わかりました」


祈々は、人の役に立ちたいという気持ちが強い。

自分のせいで誰かの足を引っ張るかもしれない。そう考えるだけで、きっと苦しいのだろう。

けれど、原因が分からないままでは、その不安を抱え続けることになる。


何が起きているのかが分かれば、対処する方法も見つかるかもしれない。蟻ノ巣にできることがあるなら、できる限りのことをしたい。


「よし、行こう」


朔が声をかけると、祈々は左腕を袖の中へ収め、静かに頷いた。

食堂に残された鍋から、湯気がゆっくりと立ち上っている。

その匂いだけが、蟻ノ巣の日常をまだここへ繋ぎ止めているようだった。


ーーーーーー


研究室の扉を開けると、焼けた金属と薬品の匂いが鼻をついた。

机の上には、用途の分からない器具や部品が積み上げられている。その中央で、ストロベリー博士は椅子に浅く腰かけ、何枚もの解析紙を睨んでいた。


「博士」


朔が呼ぶと、博士は紙から顔を上げた。


「早かったな。飯はどうしたんだー?」


「その前に見てほしいものがある」


朔が祈々へ視線を向ける。

祈々は少しためらってから、左腕を胸元へ寄せた。

博士は三人の顔を順番に見て、口の中から棒キャンディを引っこ抜くと椅子から立ち上がる。


「……何があった?」


先ほどまでの眠そうな声から、少しだけ気怠さが消えていた。


「炭鉱で、メリー・グラスと名乗る女に会った」


「金髪の女かぁ」


「知ってるの?」


「お前らが持ち帰った髪と灰を調べてたからなー。名前までは知らねーよぉ」


博士は祈々の前まで来ると、その左腕へ視線を落とした。


「腕を見せろ」


祈々の肩が、わずかに揺れた。

それでも、ゆっくりと袖を捲り上げる。

露わになった左腕は、肘に近い部分こそ人の肌と変わらない。だが手首から先へ向かうほど、皮膚は深い黒に染まっていた。

特に指先は黒が濃い。

煤が付着しているわけではない。皮膚そのものが、魔物の身体へ置き換わっていくような色だった。

手の甲には細い亀裂のような筋が走り、その奥で淡い光がゆっくり脈打っている。

博士は触れる寸前で手を止めた。


「痛んだりはするかー?」


「痛くはないです」


「痺れはー」


「少しだけ。炭鉱にいた時は、もっと変な感じがしました」


「変な感じじゃ分からんなぁ。どう変だったんだ?」


祈々は黒い指先を見つめた。


「……左腕だけが、向こうへ行きたがっているような…そんな感じです」


研究室が静かになる。

博士は祈々の手首に触れ、親指で脈を確かめた。


「腕が動いたのは、いつだ?」


夜が答える。


「メリーが深い青の灰を動かした時よ。ダストから作った魔物へ命令を出すたびに、祈々の左手が反応していたわ」


「ダストに触れたのか?」


「いいえ。直接は触れていないと思うわ」


博士は祈々の腕から手を離した。


「なるほどなー」


ふむふむと言いながら机へ戻ると、博士は引き出しからいくつかの金属製の輪を取り出した。細い管と透明な石が取り付けられた、小さな拘束具にも見える器具だった。

祈々の表情が、わずかに強張る。

それに気づいた博士は、器具を持ったまま動きを止めた。


「検査用だ。お前の腕を押さえつけるもんじゃねぇ」


「……はい」


「微弱な刺激を流して、腕が何に反応するか調べる。勝手に始めるつもりはねぇよ」


博士は祈々をまっすぐに見る。


「嫌ならやらないよぉ。どうするー?」


祈々は黒い左手を右手で包んだ。

国の研究者なら、きっと聞かなかった。

本人が怖がっているか。痛いのか。検査を受けたいのか。

そんなことを確かめる前に、実験台へ縛りつけていただろう。

博士は口が悪く、実験となれば周囲が見えなくなることもある。けれど、祈々を物として扱う気はない。

朔には、それが分かった。


「祈々」


祈々の肩に手を掛け、声をかけると、祈々はこちらを見た。


「嫌なら、今日はやめていいよ」


祈々は少しだけ考え、やがて左腕を博士へ差し出す。


「お願いします。調べてください」


その瞳は博士を真っ直ぐ見ていた。


「分かった」


博士はそれ以上何も言わず、金属の輪を祈々の手首と指へ取り付けた。

器具から伸びる細い管が、机の上の機械へ繋がれていく。

その隣には、炭鉱から持ち帰った深い青のダストが置かれていた。

博士が機械のつまみを回す。


「最初に、ダストそのものへの反応を見る」


透明な石から、淡い光が放たれた。

祈々の左腕を細い光が走る。しかし、黒い指先に変化はない。

博士は解析紙へ視線を落とす。


「やっぱりな」


「何が分かったの?」


朔が尋ねる。


「ダストそのものには、ほとんど反応してねぇ」


祈々が目を瞬いた。


「でも、炭鉱では……」


「問題はこっちだねー」


博士は別のつまみに指をかけた。


「この深い青のダストから、妙な波形が出てるんだ」


「波形?」


朔が聞き返す。


「術者がダストを操った痕跡だよ。どの方向へ動け、どんな形になれ――そういう命令が、薄く残ってる」


博士は棒付きキャンディを口へ戻しかけ、考え直したように机へ置いた。


「こいつを弱く再現して、祈々の腕がどう反応するかを見る」


祈々の黒い指先が、わずかに縮こまる。

博士はその様子を見て、少しだけ声を落とした。


「炭鉱で感じたのと同じ嫌な感じがしたら、すぐに言え。無理に我慢すんなよー」


「はい」


「腕は動かさない。力も入れない。いいな?」


祈々は左腕を机の上へ置き、ゆっくりと指を開いた。

博士がつまみを、ほんの少しだけ回す。

機械の奥で、低い音が鳴った。

器に入った深い青のダストが、風もないのに小さく揺れる。

その瞬間だった。祈々の左手が動いた。

机の上に置かれていた黒い指が、一本ずつ曲がっていく。

ゆっくりと。目の前にない何かを、掴もうとするように。


「え……?」


祈々は右手で左腕を押さえた。


「私、動かしてません」


博士がすぐにつまみを戻す。

機械の音が止まり、ダストも器の底へ沈んだ。

それでも黒い指は、しばらく何かを探すように震えていた。

夜が祈々の肩へ手を添える。


「祈々、大丈夫?」


「はい……痛くは、ないです」


けれど、祈々の顔から笑顔は消えていた。

自分の意思とは関係なく動いた左手を、怯えたように見つめている。

朔も同じものを見ていた。

見間違いではない。

炭鉱でメリーがダストを操った時と、まったく同じ反応だった。


「博士」


朔が呼ぶ。

博士は解析紙に刻まれた波形を睨み、その一部を指で叩いた。


「反応したのは、ダストじゃねぇ」


普段の間延びした話し方が消えていた。


「こいつは、ダストに流された命令に反応してる」


「命令……」


祈々の声が、かすかに揺れた。


「メリー・グラスは、ダストから作った魔物に“動け”と命令を流していた。その命令を、お前の腕に宿った魔物の力が、自分に向けられたものだと受け取ったんだ」


朔は祈々の左腕を見る。

あの腕は、祈々の身体の一部だ。

けれど、その中には魔物に由来する力が残っている。

メリーの命令を聞いたのが祈々ではなく、腕に宿った力なのだとしたら。


「メリーがその気になれば、祈々の腕を操れるのか?」


博士はすぐには答えなかった。

祈々の右手が、左腕を強く掴む。

やがて博士は、慎重に口を開いた。


「現時点で、完全に支配できるとは言い切れねぇ」


祈々がわずかに息を吐く。

しかし、博士の話は終わっていなかった。


「ただし、同じ命令を何度も受ければ話は別だ」


「腕が、命令を覚えるということ?」


夜の問いに、博士は頷いた。


「正確には、命令を受け取る道筋が腕の中にできる。最初は聞き慣れない声でも、何度も呼ばれりゃ振り向くようになるだろ。それと同じだ」


博士は解析紙へ視線を戻す。


「今は指だけで済んだ。次は手首、その次は肘まで、反応が広がるかもしれねぇ。いずれ祈々の意思より先に動く可能性もある」


祈々の黒い指が、きゅっと握られた。

今度は祈々自身が動かしたのか。それとも、まだ命令の痕跡が残っているのか。

朔には判断できなかった。


「私が……皆さんを攻撃してしまうことも、ありますか?」


博士は祈々から目を逸らさなかった。


「可能性はゼロじゃねぇ」


祈々の表情が曇る。


「そう、ですか……」


「だから、今調べてんだろ」


博士は祈々の手首から、金属の輪を一つずつ外していった。


「操られると決まったわけじゃねぇ。命令を遮断する方法も、腕の反応を抑える方法も、これから探せる」


「治せるんですか?」


「分からん」


博士は即答した。

曖昧な希望で、祈々を安心させるつもりはないらしい。


「分からねぇから調べる。今はそれで我慢しろ」


祈々は左手を胸元へ抱いた。

少しだけ寂しそうな顔をしている。

自分の力で役に立ちたい。誰かを守りたい。

そう願う祈々にとって、その左腕が仲間を傷つけるかもしれないという事実は、何よりも苦しいはずだ。

朔は祈々の隣へ立った。


「メリーと出会った時は、一人で動かないで」


祈々が顔を上げる。


「私、もう戦わない方がいいですか?」


「そうは言ってない」


役目を奪えば、祈々は安心するだろうか。

たぶん違う。

祈々が恐れているのは、自分が役に立てなくなることだ。左腕を理由に遠ざければ、その不安をもっと深くしてしまう。


「腕に変な感じがしたら、すぐに言って。隠さない。それを約束して」


祈々はしばらく黙っていた。

やがて、小さく頷く。


「……約束します」


「よし」


博士は取り外した器具を机へ置いた。


「こっちは命令を遮断する道具を考える。完成するまでは、あの女がダストや魔物を操る素振りを見せたら、すぐに距離を取れ」


「分かりました」


祈々は黒い指先を見つめた。


「まだ、私の腕ですよね」


博士は乱雑に頭を掻いた。


「当たり前だろ」


祈々が目を上げる。

博士は祈々の左腕を指差した。


「勝手に動こうが、魔物の力が混ざってようが、その腕で何をするか決めるのはお前だ」


少し間を置き、博士は続ける。


「他人の命令を聞くようになったなら、聞こえなくする方法を作ればいい。それだけだねぇ」


博士の眠たげだった顔に、ふっと光が差した。


「命令の波形が分かってるなら、逆の波形をぶつけて打ち消すか……いや、腕が受け取る前に遮断した方が早いか? だったら装着型にして――」


博士は祈々を置き去りにする勢いで机へ向かい、解析紙の裏へ何かを書き始めた。口に戻した棒付きキャンディが、楽しそうに上下へ揺れている。

祈々は一度だけ瞬きをした。


「博士……?」


呼ばれて、博士の手が止まる。

祈々が不安そうに左腕を抱えているのを見て、博士はようやく我に返った。


「あー……悪いなー。新しいもんが作れそうになると、ついなー」


博士は頭を掻き、書きかけの解析紙を祈々へ見せた。


「お前さんを実験台にしたいわけじゃねぇぞ。助ける方法が見つかりそうだから、ちょっと楽しくなっただけだ」


「助ける方法が、ですか?」


「ああ。誰かの命令で勝手に動く腕なんて、気に食わねぇだろー?」


博士は口元のキャンディを転がしながら、不敵に笑う。


「なら、その命令だけ聞こえなくしてやる。面白そうだろ?」


祈々はもう一度だけ瞬きをした。

それから、ほんの少し笑った。


「……はい」


その笑顔はまだ弱い。けれど、先ほどのように不安を隠すためだけのものではなかった。

朔は祈々の黒い左手を見る。

今は、祈々自身の意思で握られている。

その「今」を失わせないために、自分たちにできることを探すしかない。

研究室の外から、薬の声が響いた。


「おい!飯はどうするんだ!」


博士が扉の方を見る。


「うるせぇなー。こっちは検査中だー」


「検査終わったなら早く来い!温め直すにも限度があんだよ!」


祈々が小さく笑った。


「行きましょうか」


朔は頷く。


「うん。薬が研究室まで乗り込んでくる前にね」


少しだけ、研究室に日常の空気が戻った。

それでも朔の頭には、先ほど勝手に曲がった黒い指が、いつまでも残っていた。


〜薬のお料理レシピ〜


香辛料強めの焼き肉と、野菜の昼煮込み

二人分くらい


【香辛焼き肉】


鶏もも肉 300g

塩 小さじ3分の1

黒こしょう 少々

パプリカパウダー 小さじ1

クミンパウダー 小さじ2分の1

すりおろしにんにく 少々

油 小さじ1


・鶏肉を食べやすい大きさに切り、調味料をすべて揉み込みます。

・フライパンに油を引き、皮目から焼いてください。両面に焼き色がついたら、蓋をして中まで火を通します。


【野菜の昼煮込み】


玉ねぎ 2分の1個

にんじん 2分の1本

じゃがいも 1個

キャベツ 2枚ほど

水 400ml

コンソメ 1個

トマトペースト、またはケチャップ 大さじ1

塩、こしょう 少々


・野菜を食べやすい大きさに切り、鍋へ入れます。

・水、コンソメ、トマトペーストを加え、野菜が柔らかくなるまで煮込めば完成です。



薬の機嫌が悪い日は、焼き肉の黒こしょうとパプリカパウダーが少し増えます。

辛いものが苦手な方は、クミンと黒こしょうを控えめにしましょう。

冷めてしまっても、少量の水を加えてゆっくり温め直せば大丈夫。


「冷めた飯をもう一回温め直すと、美味い時もあるんだぞ」


次回も、読んでいただけたら嬉しいです。

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