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コミック③巻発売中!【最強は田舎農家のおっさんでした】配信文化の根付いた世界で田舎農家のおっさんが伝説の竜を駆除した結果、実力が世界にバレました。  作者: 天池のぞむ
第6章 新たな始まり

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第81話 バーサーカーウィッチの進撃


「さあ、どんどん行きましょ! 絶対に優勝して激レア調合素材(シチイロカネ)を手に入れるわよ!」


 パルクゥが元気よく言って、ゴーシュたちは次なる狩猟対象を見つけるべく進むことにした。


『さあー、《黄金の太陽》が華麗なスタートダッシュを決めたニャ! このまま突っ走れるかニャ?』


 実況席のテトラや、配信画面を見ている観客たちも大いに盛り上がっているようである。


 そうして注目を浴びるゴーシュたちが草原の先へと向かっていたところ、パルクゥの被っている魔女帽子がモゴモゴと動き出した。


「くぁ~あ。よく寝たぁ~」


 喋る魔女帽子こと、ギギのお目覚めである。


 ギギは一度ピーンと伸びをした後、状況を確認しようとしたのか、身をよじって辺りの様子を見渡していた。


「あれ? なんで草原? 出店巡りは?」

「いつの話してんのよ。今は大狩猟大会の真っ最中よ」

「な、なにィ!? 日付変わってんじゃねえか! オレ様も祭りってやつを見たかったんだぞ! 起こせよ!」

「起こしたわよ。アンタが『あと5時間……』とかフザケたこと言うから仕方なく置いてったんじゃない」

「おぉ……。なんてこった……」


 ギギはよほど楽しみにしていたのか、しおしおとパルクゥの頭の上でへたる。

 ちょっと可哀想だった。


「まあまあ、出店は精霊祭の期間中なら毎日ありますから。これが終わったら一緒に行きましょう?」

「ギギの分のおみやげも買ってある。帰ったらぷれぜんと」

「うぅ、ミズリーちゃんとロコちゃんの優しさが染みるぜ。どっかのポンコツ魔女に爪の垢を飲ませたいな」

「……アンタ、毎度毎度、私以外の女の子にデレデレなのやめなさいよね。ってか誰がポンコツ魔女よ」


 ギギが加わると一気に賑やかになるなと苦笑するゴーシュ。


 そんな(かしま)しいやり取りを微笑ましく思っていると、熱の入った声が響いてきた。


「おおりゃあああ!」


 響いた声に反応して目を向けると、そう遠くない場所で他の参加者たちが戦っているところだった。


「よっしゃ! 中型撃破だぜ!」

「あっちに蛇型の群れがいたわ! 倒すわよ!」

「あ、クソ、他のチームに取られたぜ!」

「急げ急げ! 大型がいたら見逃すなよ!」


 他方でも同じような交戦があり、草原地帯は戦場と化している。


 ゴーシュたちも進みつつ小粒な魔物を狩っていたが、いかんせん他のチームも多い状況だ。

 大きくポイントを稼ぐことはできず、何か良い手はないかとゴーシュは思考を巡らせた。


 ふと、そうやって考えていたゴーシュの目にあるものが留まる。


「なあ、みんな。このままじゃ他のチームと取り合いになる。狩場を移してみないか?」


 そう言ってゴーシュた示したのは、今いる草原から逸れた場所にある森林地帯だった。


 以前配信で攻略したS級ダンジョン《ラグーナ森林》とは異なり、至って普通の森という感じである。

 しかし、ゴーシュが目を付けたのは、生い茂った木々により死角が多いという点だった。


「なるほど。けっこう入り組んでいますが逆に良いかもですね。他のチームも敬遠するかもしれません」

「ああ。魔物の幻影を放っているのは草原地帯だけじゃないって話だったからな」

「木がブラインドになっていて、草原側からは中の様子が分からないのもいいわね。他のチームに横取りされる可能性も減るわ。戦闘の難易度はその分上がるでしょうけど」

「ししょー、ないすあいであ。行ってみよー」


 ゴーシュの意図を他の三人も察し、一行は森林方面へと舵を切る。


『おーっと? 《黄金の太陽》チームが森林地帯に向かっていくニャ。なんかの作戦かニャ? 草原ばっかしの配信画面じゃ変わり映えしなかったからちょうどいいニャ』


【なるほど、狩場を移したでござるな】

【他のチームと食い合いになっちゃうしな】

【良い判断じゃね?】

【確かに配信画面分割されてんのにどこも青空と緑の草ばっかりなのはどうかと思ったw】


【森といえば、蘇るS級ダンジョン配信の記憶】

【あれ面白かったよな】

【これが吉と出るか凶と出るか】

【大型の魔物出てこないかなー】


 リスナーたちにも期待を寄せられ、ゴーシュたちは森林地帯へと到着。そのまま奥へと進んでいく。


 しかしそんな中、ギギだけは難色を示しているようだった。


「んー。良い案だと思うが、オレ様は一つ不安があるんだよな」

「なによギギ。弱気じゃない」

「オレ様はお前を心配して言ってるんだがなぁ」

「どゆこと?」


 ギギの言葉がピンと来ず、パルクゥは怪訝(けげん)な表情を浮かべる。


 そして、ギギの不安はすぐに的中することとなった。


 ――ぽとり、と。


 パルクゥの足元に何かが降ってきたのである。


 それは魔物ではなく、元々森林に生息していたであろう「毛虫」だった。


「ぎにゃあああああああああああああ!!!」

「パルクゥ!?」


 凄まじい絶叫を上げ、パルクゥは駆け出す。


 それはまさに脱兎(だっと)の如くという表現がぴったりで、普段は運動音痴なパルクゥが信じられないスピードを出していた。

 ガゴンガゴンと木にぶつかるのも気にせず走っている。


「ほらな。だから言ったんだよ」

「いやぁあああああ!!」


 それ見たことかとギギが溜息をつくが、パルクゥはそれどころではない。


 ――そう。

 パルクゥは大の虫嫌いなのである。


 ちなみにこれは、幼い頃のパルクゥが大賢者エルミナの魔法訓練をサボってしまったことに起因する。


「最近娘が自信過剰なので大賢者様からもきつく叱ってやってください」という母親からの依頼もあり、エルミナはパルクゥにお灸を据えたのだ。


 訓練をサボると虫に襲われる夢を見るというお灸で、その効果はテキメンだった。


 結果としてパルクゥは二度とエルミナの授業をサボらなくなる。

 そのおかげと言うべきか、パルクゥは様々な魔法を習得するに至り――そして虫がトラウマとなった。


「自称天才魔女様の強さの秘訣が虫にあるとか笑えるよなぁ」

「全っ然笑えないわよぉおおお!」

「お? どうやら魔物のお出ましだぜ? 蜘蛛型やら芋虫型やら、お前の苦手なのがたくさんだ」

「いやぁああああ! 蜘蛛の糸が引っ付いたぁ! 《フロスト》! 《フロスト》! 《フロストぉ》!」


 パルクゥは手当たり次第に氷系魔法を唱え、現れた魔物を片っ端から凍らせていく。

 辺りはパルクゥが放った氷系魔法によって凍結し、氷の森へと変わっていった。


『ニャンとぉ! 《黄金の太陽》が森に入ってからポイントを荒稼ぎしてるニャ! とんでもねえスピードだニャ!』


【これは草】

【パルクゥさん、虫嫌いな模様】

【虫は俺も苦手や……。特に黒光りしてるやつ】

【↑あれは人類の敵だ】


【残念系魔法少女に新たな属性が追加される】

【バーサーカーウィッチw】

【おもしれー女w】

【爽快感と笑いを供給してくれるパルクゥさん】

【レベルの高い合格点を更に超えてくれるパルクゥ】


【結果的にポイント増やしてるの草】

【森に入ったのは成功だなw】

【ゴーシュ殿がぽかんとしてるでござる】

【おもしろすぎるw】


「はぁ……はぁ……」

「大丈夫かパルクゥ!?」

「ゴーシュさん……」

「すまなかったな。まさかあそこまで虫が苦手だとは」

「も、もう平気よ。何とか落ち着いたわ……」

「パルクゥぐっじょぶ。ポイントたくさん増えたよ」

「それは何より……」


 どうにか収まったパルクゥと合流し、ゴーシュたちは一旦落ち着くことにした。

 パルクゥはロコに背中を撫でらながら息を整えている。


「くっくっく。さすがは天才魔女様だなぁ」

「うるさい。こんな思いしたんだから絶対シチイロカネを手に入れてやるわ」

「まあ、こんなみっともねえ姿を晒したんだから何としても優勝しねえとな」

「だからうるさいって――」

「――ッ! パルクゥ、伏せろ!」


 瞬間――。

 ゴーシュが大剣を振り払い、パルクゥに迫っていた何かを弾き落とす。


 地面に落ちたそれを確認すると、それは針のような代物だった。


「これは……。何か塗られていますね」

「構えるんだミズリー。みんなも。囲まれているぞ」


 ゴーシュのその言葉で一気に緊張感が高まる。

 四人で背中合わせに臨戦態勢を取り、針が飛んできた方向以外にも警戒を強めた。


「フフフ。せっかく隙をついたのですが。防がれてしまいましたか」


 不敵な笑みと共に、眼鏡をかけた男が姿を現す。


 その他にも三人の男が姿を見せ、ゴーシュたちを取り囲んでいた。



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元社畜の転生おっさん、異世界でラスボスを撃破したので念願の異世界観光へ出かけます ~自由気ままなスローライフのはずが、世界を救ってくれた勇者だと正体バレして英雄扱いされてる模様~





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