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かなりやばいのでは……?

私が骨折したのが2月15日、骨折が完治したのが3月19日だから、私は実に32日間も病院にいたことになる。そして退院した日の午後には、私のもとに上司からの電話がかかってきた。

「はい、夏村です」

「明日から出勤しろ」

「え」

「当たり前だろ、退院したんだから」

「……わかりました」

 電話が切れると、私は部屋の中を歩き回った。部屋はとても汚い。そして治療に使ってしまったから金もない。やっと使い方を覚えたスマートフォンを開き、Twitterを開ける。Twitterを見たりネットで調べたりして、私はこの世界で生きるすべを学んでいった。

 翌日、出勤時間に15分ほど余裕を持って出社し、やっとの思いで就業時間の5分前までにオフィスに向かうと昨日聞いた声が私を怒鳴りつけた。

「夏村くん!」

 明らかに怒った声に、私は震えながら答えた。

「な、なんですか」

「始業時間の5分前に出社するとは、いい度胸だな」

「……?」

「始業時間の1時間前に出社する、それが常識だと伝えたはずだ。何をぼーっと座ってるんだ、さっさと新年度ネット広告企画の宣伝資料を考えろ。明日の11時が締切だ。それまでに完成させて俺のところへ持って来い。駄目ならもう一度考えてくるように」

 上司はそう言って、自分のデスクに戻っていった。 私はパソコンの電源ボタンを押し、パソコンが起動するのを待った。隣の席の社員が使っているのと同じソフトを立ち上げ、そして止まった。上司の席へと向かい、尋ねる。

「企画の資料は……」

 私が言うと、上司はこちらを見ずに答えた。

「誰かに借りてやれ。事故に遭って馬鹿になったか?明日提出の仕事の資料が今更配られてると思うか?」

「すみません」

 私は席に戻ると、隣の席にいた中年の女性に話しかけた。

「すみません、新年度ネット広告企画の企画自体の資料はありますか……?」

「……」

 中年女性は黙ったままだ。

「すみません」

 中年女性はずっと黙っている。これは駄目かもしれない、そう思ったときだった。

「うるさいわね、貸してあげるから静かにして」

 中年女性はそう小声で怒鳴って、紙の束をくれた。

「ありがとうございます」

 私はその資料を受け取った。あちらこちらにメモがされており、かなり使い込まれている。そして貼り付けられた小さな紙には、「3/21完成締切」と書かれていた。私はその資料を読んだ。どうやら新年度に歓迎会を行う学生向けに学割を行う飲食店を宣伝するらしい。その宣伝方法を考えろとのことだ。私は昨日Twitterで見た宣伝を思い出した。

『Twitterでツイートし、そのツイートをプロモーションする。具体的には……』

 昼の12時に出来上がったので昼食後に上司に持っていくと、上司は資料を少し読んでから食い入るように見つめた。

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