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異世界転生で理想の生活を  作者: かおりん@
1章

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エミリア

 ◆エミリア


 翌日、ギルドに顔を出すとアマネさんのカウンターが空いていたので、そちらに並ぶ。


「おはようございます。本日はどのようなご用件ですか?」


 いつもの営業スマイルだけど、若干素の笑顔があるように思う。


「ランクがFになったので、ゴブリン・ソードマンとゴブリン・リーダーの魔石を買取してもらおうと思いまして」


「はい。承ります」


 すでに鑑定済みなのだが、念の為なのだろう、奥の部屋に持って行く。


「今日、このあとは?」


「買取額次第ですけど、ゴブリン・リーダーとかソードマンとかの上位種を狙いつつ、薬草採取をしたいと思います」


 オレの返事にアマネさんは。


「草食系は続けていくわけですか」


「生活費は必要ですからね。いざとなればアレを売ればいいんですけど」


 と返事をするとアマネさんは恐い顔で、小さく「結界を」と言った。言われるままに遮音結界を張る。


「…アレは簡単に、売りに出せるものではありません。出処がバレたらどうやって手に入れたのか情報を得るために執拗に追い立てられますよ?

 ギルドのオークションなら、出品者の素性を秘密にできますけど、それでも一部にはバレます。

 自分の安全を考えるなら、そういううかつなことは言わない方がいいと思います、旦那様?」


「わかりました。ありがとうございます。結界を解いても?」


 アマネさんがうなずいたので結界を解除。カンダさんが近付いていくるのが見えたからだ。


「先の鑑定通り。ゴブリン・リーダーが2個、ソードマンが3個だな」


「ではゴブリン・リーダーの魔石は銅貨50枚、ソードマンの魔石は銅貨30枚で買い取らせていただきます」


「へぇ。上位種って高いんですね」


「そもそも数が少ないですし、経験の浅い冒険者だと瞬殺されるほどのちからがありますからね。正直イソさんがどうやって倒したのかわかりません」


 やれやれとアマネさんが首を振る。


 確かに苦戦はした。正直ゴブリン・ソードマンは斬撃を使ってくるだけでやっかいだったし、ゴブリン・リーダーは周囲のゴブリンと巧みな連携を取る。


 ゴブリン・リーダーとの戦いで、5匹以上の群れに挑んだとき、ゴブリン・ソードマンのときと同じ戦術を取って大失敗した。


 先に周囲を殲滅しようとしたけど、瞬時に、とは行かなかった。


 そのため、ゴブリンに周囲を囲まれ、リーダーとの戦いになり、周囲から牽制してくるゴブリンの攻撃に対応するため、リーダーとの戦闘にも集中できないというマズい状況に陥った。仕切り直しのため、転移(短)でその場を離れ、再び戻ってから、先にリーダーを全力で倒す、という作戦に切り替えた。


 ゴブリン・リーダーがいる場合には、リーダーを先に倒せば、残りのゴブリンは烏合の衆になる。少し数がいても、他の個体を盾にするなど、立ち回りをうまくやれば常に1対1の構図を作れる。連携されているとこうはいかない。ゴブリン・リーダーは戦術眼みたいな天啓(スキル)を持っているのかもしれない。


 だからゴブリン・リーダーがやっかいで魔石も高いという話は納得できた。


「森の奥の方では、マジシャンとかロードなどの上位種も確認されています。マジシャンは属性魔法を使って来ますし、ロードはソードマンとリーダーの特性を併せ持っています。こちらにも注意を。

 ランクFの常設依頼の薬草は森の奥の方での採取になりますから。

 それから、いまのところゴブリンの巣が形成されている様子はないので大丈夫かと思いますが、ゴブリン・キングを発見したら戦いは挑まずにギルドへ報告をお願いします。

 キングが発生しているようだと、ギルドの冒険者の多数で当たらないと危険です」


 アマネさんの説明にオレはうなずいた。けっこうヤバイやつがいるんだな。


 ゴブリン・マジシャンとかゴブリン・ロードか。ロードはかなりヤバそうだ。


 ◇◇◇


 森に到着した。鑑定で依頼の薬草とゴブリンの上位種を指定。


 隠密(ハイディング)を使う。


 今日は魔法で戦う。隠密(ハイディング)のまま標的に近づき、射程に入ったら火球(ファイアボール)で頭を飛ばす。おそらく上位種が倒されれば、周囲のゴブリンは逃げるはずだ。逃げないなら残りも火球(ファイアボール)で倒す。


 目的は魔術師のレベルアップ。


 もちろん生活費のための採取も忘れずに行う。ただ、採取は群生地だけでいいだろう。


 隠密(ハイディング)は攻撃行動を取ると解除されてしまう。隠れたまま無双するということはできないみたいだ。それができれば盗賊最強だよな。隠密(ハイディング)はあくまでも隠密行動のための天啓(スキル)ってことだ。


 森の中でも視線が通っていれば転移(短)は使えるので、いつもの時短ができる。


 小手調べで魔力5の火球(ファイアボール)でゴブリン・リーダーを攻撃する。周囲にいたゴブリンごと消し炭となった。


 一応魔石は回収できたので、これでいいんだけど、オーバーキルだ。


 何度か試して、上位種はだいたい魔力2の火球(ファイアボール)で適切なダメージとなるようだ。これだと周囲に被害も及ばないので、狙った個体だけを倒せる。


 近くに薬草の群生地があっても大丈夫だし、上位種を失ったゴブリンは慌てて逃げて行く。狙い通りだ。


 地道に鑑定して上位種を狩って行く。昼前に20匹。上位種のみだ。薬草も各種20個くらいは確保した。


 そのタイミングで。


『職業:魔術師のLvが上がりました』

『職業:盗賊のLvが上がりました』

『天啓(スキル):火魔法のLvが上がりました』

『火炎球(フレイムボール)を覚えました』

『火炎弾(フレイムブリッド)を覚えました』

『火炎壁(フレイムウォール)を覚えました』


 となった。ついでにレベルも上がった。どうやら上位種は経験値的に美味しいらしい。


 なんかついでに盗賊もレベルアップしたな。隠密(ハイディング)が効いてるんだろうな。


 引き続き上位種を狙いつつ、薬草採取。そういや、この森ってあまり他の冒険者みないなぁ。きっともっと厳しいところで依頼がんばってるんだろうな。


 ま、他のひとはいいわ。まずは目先の生活費だ。


 実際、こうして魔法で倒していると、昨日の戦いがウソのようだ。隠密(ハイディング)を使ってるというのもあるけど、殺気を向けられることがほとんどない。


 戦いの道具ってのは、命を奪う感覚を感じないように進化したって話があるけど、そういうことかもな。ただ、魔法で戦ってばかりいると、身近にあの殺気を受けたときに身体が動かないと思う。魔術師が接近戦に向かないというのはステータスばかりではなく、そういう心構えにもあるんじゃないだろうか。


 薬草は100個確保。群生地もまだまだあるけど、ノルマはノルマ。ここまでにしておこう。上位種の魔石は60個くらい。


 結果として、またレベルがあがってLv8になった。アマネさんのLv25は遠い。


 ◇◇◇


「どうやって上位種だけ倒したんだ?」


 カンダさんだった。買取鑑定の結果だ。ランクFの薬草各種が100個で銀貨10枚。


 そしてゴブリンの上位種。ソードマン25匹、リーダー17匹、マジシャン10匹、ロード8匹。で60個の魔石。銀貨26枚と銅貨50枚。合わせて銀貨36枚と銅貨50枚。


 毎日このペースなら、3日で金貨1枚稼げることになる。


「魔法を使いました。安全に狙撃できるので。ただ、危うい気もします。今日は試験的に魔法だけを使っていました」


「あまり危ないマネはしちゃダメですよ」


 アマネさんが心配そうに見てくる。


「危ないマネはしていないつもりです。剣で戦うのと違って、魔物から気が付かれる前に狙撃できますし、群れのリーダーを倒すと残りは逃げていきます。余計な戦いをしなくて済みますので」


 カンダさんが感心したようにうなずいた。


「ソロでの魔術師の戦い方をよくわかってる。ソロで戦う場合、とにかく魔物から距離を取るのが重要なんだ。初級魔法でも魔力を強く込めれば上位種でも一撃で倒すことができる。

 ただ魔力切れには注意が必要だぞ。それと呪文を唱えているときは、どうしても周囲の警戒がおろそかになる。

 魔法を放つときには周囲に魔物がいないことを十分に確認してからにするんだ。

 まあ、こうして結果を持ち帰ったおまえさんなら、わかってることだろうけどな」


 カンダさんのアドバイスだった。魔術師の魔法は強力だが、呪文というタイムラグがある。呪文を唱えている間に接近されたら、呪文を中断して逃げなくてはならない。


 …オレには関係ないけど。隠密(ハイディング)と無詠唱のコンボ強いわ。初回は間違いなく不意打ちだからな。


 ただ何日か魔法のレベル上げをしてからは、また剣での戦闘を交えないと殺意への感覚が鈍ると思う。あと、魔法で仕留められなかったときに、剣でトドメを刺すとかの連携も交えて行きたい。


 討伐はなにが起きるかわからない。その場面が起きたときに自然に身体が動くようにしておきたい。まだ魔物が低ランクだから、事故の確率は低いだろう。だからこそ今のうち身体に覚え込ませたい。


「言い忘れていたかもしれませんが、ランクFからはひとつ上のランクの依頼も受けられるようになります。常時依頼のオークなどは元々ランクFの討伐対象ですけど、魔物のランクが上がるということは、それだけ危険ということですから、無理はしないようにしてください」


「わかりました」


 けっこう重要な話だと思うんだけど、ハンナさんが伝え忘れたんだろうなぁ。


「じゃあ、今日もありがとうございました」


 アマネさんとお互いに頭を下げた。オレは冒険者として。アマネさんはギルド職員として。アマネさんはもう少し話をしていたそうだったけど、受付が混み始めたので切り上げたのだ。


 さて、今日も稼いだ。試験的にどれだけ稼げるか調べていることもあり、体力ならともかく精神的な余裕はない。やはり魔物は恐いのだ。


 ◇◇◇


 宿に戻ると逗留期限が近いようで、延長か退去か聞かれたので、今日の稼ぎで一月延長する。今日の稼ぎの半分近くがなくなったけど、寝床の確保は必要なことだ。


 アルスターに腰を落ち着けるなら、いっそ部屋を借りるのもアリか、とも思うけど家事全般をやりたくない。部屋に戻って装備を解いて楽な格好になってから酒場で食事。今日はオーク肉のシチューだった。晩飯のメニューはだいたい日替わりオススメ定食を注文。宿泊者には銅貨5枚のサービス価格だし、飲み物は別途かかるけど、お酒じゃない場合は果実水が付いてくる。お得だ。


 さて、晩飯も食ったし、一度寝る。


 なんで一度かって? そらエミリアのところに行くからに決まってんじゃん!


 目を覚ますと、酒場もだいぶ静まっていた。


 これから出かけるというと、おかみさんは裏口の鍵を貸してくれる。酒場が閉まったら入れないからだ。たしかに何時に戻るかわからんしな。


 おかみさんにお礼を言って、そのまま隠密(ハイディング)しながら娼婦通りへ。


 エミリアがいなかったら、すぐに帰ろう。


 あ、いた。ペンダント付けてる。本日ラストオーダーとなります、ってことだな。


 そのエミリアに近付く男がいた。あちゃあ、出遅れたか、と思ったらエミリアがテントまで小走りに戻って、男に小さな革袋を手渡す。逆に男はエミリアに空の革袋を手渡した。どういう儀式だ? と思ったけど、本日の売上回収ってことか。


 物陰に隠れて隠密(ハイディング)を解除。さもいま来たようなフリをして。


「やあ、空いてる?」


「あ! 今日も来てくれたです? 稼ぎ少ないって言ってたのに、無理してないです?」


「今日はうまいこと狩りがあたりだったんだ。それより大丈夫?」


「はい、本日最後のお客様になります」


 エミリアはにっこりと笑った。そのままテントまで手を引かれる。最後のお客さんだと時間があるってことだったから、いろいろと話を聞こうと思ったけど。


「今日も全部脱ぐです?」


 羞恥で伏し目のエミリア。まずはスッキリさせてもらおうか!


 ひとまずスッキリするとエミリアが「お掃除するです」とサービスしてくれた。


 でもお掃除なんてされてしまったら、この若い身体では。


「もう一度するです?」


「追加で銀貨1枚?」


「普通はそうです。でも最後のお客様の場合は時間もありますし…お客様、上手で優しいから追加いらないです」


 やはり恥じらいながらエミリア。もう行くしかないでしょ。


 それからがんばった。銀貨1枚取り戻す勢いでがんばった。職業補正でオレは体力マシマシだけど、エミリアはそうじゃないから、エミリアが先にダウンした。


 ちなみに周囲の迷惑にならないように遮音結界を張ったよ。エミリアってば最初は声、ガマンしてるみたいだけど、だんだん、ね?


 アイテムボックスからタオルを取り出して、自分の汗とエミリアの汗を拭い、収納から毛布を取り出してエミリアと一緒に包まった。これなら風邪も引かないだろ。


 エミリアが気が付くまで一緒にいようと思ったんだけど、そのまま寝落ちした。


 いい匂いで目が覚めるとエミリアがテントの外で食事の準備をしているようだ。


「起きたです? お客さん」


 エミリアが木のお椀をふたつと大きめのパンをひとつ、小さめのパンをひとつ持ってテントに戻ってきた。外の陽射しからすると、朝というには少し遅い時間だろう。


「朝ごはんです」


 エミリアが差し出してくるお椀と大きめのパンを受け取る。お椀はオーク肉とぶつ切り野菜のシチューだった。素朴な味でうまかった。


「朝食の支度は自分で?」


「はい。朝に市場で一日分の食材を買って、テントの外で用意します。魔石コンロと小さな鍋があれば、困らないです」


 エミリアがにっこりと笑う。明るいところで見る笑顔は素朴そうだ。


「もしかしてテントに住んでる?」


「ここのひとの多くはそうです。近くに水場もあるので、洗濯も身体を洗うのもできるです。嵐が来たとか、そういう日だけ、貯めてるお金で宿に泊まるです」


「最後のお客さんって、よく泊めるの?」


 その質問にエミリアはかあっと赤くなった。


「泊めたのお客さんがはじめて、です。あんなに激しくて、よかったのもはじめて、です」


 そうか。普通は泊めないんだな。つか、宿があるなら普通はそっちに泊まるか。何も好んでテントに泊まる必要はないだろ。


「他のテントのひとだと、たまに泊めてるひとを見るです。珍しいことではないです」


 酔っぱらいがそのまま泊まっていくとかはありそう。


「エミリア、この後は?」


「お洗濯とか、身体を洗うです。その後はお昼までお客さんは来ないので休んでます。お昼食べたらお客さんが訪ねてくることがあるので、その場合はお相手です。夜ご飯食べたら、テントの外でお客さん待つです」


 そういう一日のルーチンらしい。


「エミリアのご主人さまって誰?」


 たしか奴隷だったはず。こちらの世界では奴隷は一般的で、奴隷になると衣食住を保証されるため、貧農の子供などは進んで奴隷になることもあるとか。もちろん奴隷になると労働の義務や主人への反抗禁止など縛りはあるが、餓死するよりマシというのは理解できる。規定の料金を払えば自分を買い取ることもできる。そのため奴隷としてある程度仕事を覚えて主人から自分を買い取って、新たに事業を起こす、なんて話も珍しいことではないらしい。


「ロリソン商会のロリソン様です…」


 ちょっとエミリアの表情が陰った。


「ロリソン様は、ちょっと変わった趣味で小さい子が好きなのです。わたしも10歳のときに買われてきました。

 ロリソン様は特別な天啓(スキル)をお持ちで、その子の成長を止めることができるです。

 でもわたしにはその天啓(スキル)が効かなくて、大きくなってしまったです。

 この大きな胸も、大きなお尻も、背の高さもロリソン様には気持ち悪いらしくて、2年前にお屋敷を出されましたです。

 それまではお屋敷のメイドと店員を少ししてましたです。

 ロリソン様も、最初はエッチなことばっかりで、わたしも大事にされてたです。

 でも、だんだん育ってしまったので、そういうことも少なくなって。

 2年前にはもうそういう対象に見えなくなったと言ってたです。

 いまは18歳です。2年前までは、まだガマンできたらしいんですけど、また育ってしまったので、もうロリソンさんが顔を見せることもないです。

 でもご主人さまには奴隷に衣食住を保証する必要があるので、ここでこのお仕事してます。

 その日の稼ぎはロリソン様の使いが持って行くですけど、最後のお客様の分だけ、わたしの取り分なので、買われる前よりは暮らしはいいです」


 冬はちょっと寒いですけどね。とエミリアは微笑んだ。


 一日銀貨1枚の稼ぎなら、駆け出し冒険者よりも稼いでいるのは間違いない。


 それにしても。


 ロリコンかー…。まあこの世界では合法なら、そこに文句はいうまい。それにロリソンの天啓(スキル)なら、合法ロリが可能かも知れないしな。


「オレはエミリアの大きな胸も大きなお尻も高い身長も好きだけどな。嫌いなら2度も来ないと思わない?」


 エミリアは真っ赤になって俯いた。


 そのままそっと身体を寄せてくる。


「また来てくれるです?」


「稼ぎ次第かな」


「待ってるです。また来るの待ってるですよ。最後のお客様で来て欲しいです。銀貨1枚でいいですから、何度もして欲しいです」


 ぎゅっと抱きついてくる。


 あー、まあ商売の常套手段っていえば常套手段だよなあ。振りまける愛想は振りまいて常連掴むのはよくあること。


 それにこんな商売なら、乱暴な客や嫌な客だっているんだろうし、少しでも楽な相手の方がいいんだろう。


 さらさらしたエミリアの髪を撫でた。


 うっとりした目で見上げてくるエミリア。


 もしかしたら。


 教育もそれほどされていないのかもしれない。


 商会ということだったので、それなりの教育と駆け引きを教えられていたのではないかと思ったんだけど、話し方も、自分の身の上を語る語り方も。駆け引きを知っているひとのものではないと思った。


 素朴で素直なエミリア。他を知らないから、自分の身の上を嘆くこともないエミリア。


 10歳からロリソンオヤジに性奴隷として仕えていたなら、いまの娼婦の仕事だって大差ないんだろう。


 まあ、いいか。


 騙されてもいいし、バカにされてもいいじゃん。別にオレが損するだけだしな。


 プライド? ねぇよ、最初から。


 オレはエミリアをぎゅっと抱きしめ返して。


「うん、また来る。がんばって稼いで、また来るから」


「はい! 待ってるです!」


 エミリアはにっこりと笑って元気よく返事をしてくれるのだった。



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