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異世界転生で理想の生活を  作者: かおりん@
3章

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変人ドワーフ

 ◆変人ドワーフ


「あら、見違えたわね」


 アマネさんが家に訪ねてきた。


 引っ越し(?)した翌日だ。


 エミリアとラージャが整えてくれた住環境が意外にも快適で、当初偽装用としてしか使うつもりのなかった家になんだか馴染んでしまった。


 気がつけばリビングに花瓶やティーセットなどが増えているし、カーテンなども華やかなものに交換されていた。


 どうもこちらの家は主にラージャの趣味でまとめられているようで、あちらの空間との住み分けが行われているようだ。縄張り意識なのだろうか?


 いまもアマネさんはラージャの淹れたお茶を口にしての感想だ。


「今日はどうしてこちらまで?」


 急用だろうか?


「ガガンさん知ってるでしょ? 武具店のドワーフ」


 いつもお世話になっております。武器屋のおっさんだな。


「そのガガンさんが弟を紹介したいらしいのね。その、こういうと露骨なんだけど、イソさん、お金持ちになったじゃない?

 それで弟さんの仕事に興味持ってもらえないかってことなの」


「何をしてるんですか?」


「錬金術師。

 …胡散匂い話だというのは認めるわ。弟さんの職業もカード上は鍛冶師なの。でも本人は錬金術の天啓(スキル)があると言って、へんてこなものばかり作ってるそうなのよ。

 この前、イソさんが魔力操作で髪を乾かす話をしてたじゃない?

 そういう発想がどうもガガンさんの弟さんと通じるとこがあるみたいなのね。

 だから、その話をぽろっとガガンさんの前でしたら弟のパトロンになってもらえないだろうかってお願いされて」


 錬金術は胡散臭いか~。そうか~。


 オレの感覚では魔力操作も錬金術も胡散臭さでは大差ないけどな。


 オレの知らない常識とオレの常識が合体すると何が生まれるのか興味はある。


「会いましょう」


「助かるわ。ガガンさんは個人的にもギルドとしても大事なひとでね。関係を悪くしたくないの」


 断っても気にしないんじゃないのかね。身内には甘いとか?


 とにかく会ってみようじゃないか。変人ドワーフに。


 アマネさんが帰ってから武器屋に向かう。


「おう!よく来てくれた。アマネから聞いてるとは思うが、俺の弟のデデンが変人でな。鍛冶の腕は悪くねぇんだが…。

 俺は錬金術を極めるとか寝言をほざいててな。

 キチンと食い扶持稼いで趣味の時間で錬金術とやらをやる分には文句はねぇんだが、ドワーフの種族特性なんだろうなあ。頑固でよ。ろくに鍛冶をしやがらねぇ。

 俺の目から見るとガラクタばっかり作ってるんだが、あんたから見て、今後に希望が見えるかどうか判定して欲しくてな」


 ん? パトロンじゃなかったのか?


「パトロンになって欲しいと聞いていたんですが」


「そういうのは貴族の道楽だろ? 売り物になるものがあるなら、買ってもらえばいいが、見込みのないもんに金出せなんていわねぇよ。

 アマネから聞いた話だと身体浄化(クリーン)一発でできる髪を乾かすなんてことを、わざわざ難易度の高い魔力操作でやろうって発想はなかなかない。

 魔力操作を閃くくらいの魔法の才能があるなら、身体浄化(クリーン)は簡単に覚えられるからな。

 ウチの弟も、どこかそういう回り道な発想をするところがあってよ。

 そういう発想同士なら、弟の研究も理解できるかもなって思っただけよ。

 面倒な話に巻き込んで悪いな」


 ガガンさんはガハハと笑う。


 デデンさんは地下に工房を持っているそうだ。


「デデン、入るぞ。昨日話してた客だ。イソ、ヒューマンだ。俺の上客だからな、粗相すんなよ」


「はいはい。わかりましたよ、兄さん。中へどうぞ」


 招き入れられた工房は、いろいろと雑多なもので溢れている。


 大小さまざまな鉄の玉が入れられた箱を見つけた。


「それは錬金術の練習用に作成した鉄の玉でね。最初に錬金術で真球の鉄の玉を作り複製するんだ。そうすると同じ大きさの鉄の玉がー…」


「エミリア、馬車を整備しているお店に行って、車輪をふたつ、車軸をふたつ買ってきてくれ」


「はいです!」


 エミリアとラージャが出ていく。車輪ふたつはかさばるからだ。


 おお、ゴムがある。


「それはスライムマットを精錬して作成した弾性の高い素材でね。衝撃を吸収する」


 スライムマットの素材ってどこで取れるんだろうな。


「これがいま研究中のものでね。回転石という。魔力を流すと回転する性質をもっているのだが、正確に中央に軸を通さないと回転が安定しない」


 成功例として見せてくれた。


 小さな回転石を円盤状に削ったものが台に乗せてあり、軸の両側を支えている。


 魔力の導線になっているなにかの線が取り付けられた板にデデンが魔力を流すと板はゆっくりと回転した。


「知力の強さに依存するようでね。私の知力ではこの程度なのだが」


「やらせてみて欲しい」


 俺が魔力を流すと軽快に回り始める。魔力を多くすると回転数は上がった。


 モーターかよ。


「これ、魔石を動力にできないんですか?」


「そこが研究中のところなんだね」


 なるほど。魔力量だけで調整できるようになれば、誰でも回転を動力として使えるようになる。オレとしては画期的な発明だと思うが。


「回転するとどうなるんです? 何に使う予定なんですか?」


「いや? 特別何かをしようとは考えないよ。おもしろいじゃないか。回転する石なんだよ?」


 完全に研究者の思考だ。回転エネルギーが取り出せると電気が作れる。


 そこから発展する文明があることをオレは知っている。


 しかし、この世界には魔法があり、ひとが期待することは魔法でどうにかできてしまう。小型のモーターがあれば熱交換器を作れて冷蔵庫が発明される、ってことを教えてもたぶん意味ない。むしろこの世界では、そういう技術を嘲笑うかのように「魔力を流すと冷える石」を見つける方が早い。暖房にしてもそう。いまはほとんどの家が暖炉で暖を取っているけど、魔石コンロがある世界なのだ。冷たくなる石と暖かくなる石を熱伝導率のいい金属線につないで、屋根や床に配置した方が世界観にマッチする。


 だから回転する石の利用は直接回転を利用する機能に生かされるべきだ。


 構想はあるが、まずはデデンさんが好奇心を満たしながら仕事をするようにするべきか。


「イソ様、戻りましたです」


「車輪って重いんだねぇ」


 普通に重いわな。女の子が運ぶような代物じゃない。


「そんなもので何をするんです?」


 気を利かせたエミリアはきちんと軸受まで用意してくれたようだ。


 オレは車軸を見ながらデデンさんの量産した鉄の玉を見繕う。錬金術で車軸とピッタリになるサイズの内輪、鉄の玉を保持する外輪を作成。軸受を加工し、作成した外輪が収まるようにする。


「グリスはありませんかね」


「ぐりす?」


「粘性の高い油のことですよ」


「ああ粘着油か。それならあるよ」


 受け取った缶から外輪にグリスを入れる。まあ、グリスは摩耗防止の側面が強いが。


「もしかして君も錬金術を」


「そうですよ」


 作成したベアリングを組み込んだ車輪を回してみせる。元々の慣性重量が重いため、けっこうな時間回り続ける。


 従来の軸受は、回転をスムーズにするため、車軸より若干大きめの穴で貫通されており、それが車軸のブレにつながるし、摩耗の原因にもなっていた。


 ベアリングを組み込むことで車軸の寿命も延びるだろう。


「こんな工夫で…」


「一例です。錬金術の練習で作った鉄の玉ですら、使い方を考えれば売り物になるのです。

 さらに」


 例のゴムを手にとって錬成、車輪に取り付けた。外れにくいようにするための加工は必要だろうが、デモには十分だ。


「この素材もこうして車輪に取り付ければ、石畳などの振動を吸収するでしょう。

 ロリソン商会に行き、イソからの紹介で馬車を改造させて欲しいと依頼するといいと思います。無碍には扱われないはずですから。

 そこから口コミで広がれば、部品の納品だけであとは馬車の修理製造の業者に任せてもいいと思いますよ。

 錬金術は稼げる天啓(スキル)です。

 まずはここから始めてガガンさんとアイディアを出し合うのもいいでしょう」


「なるほど。そうして稼いで兄貴に見直してもらえれば、研究に文句を言わなくなるというわけだね。

 たしかにいい歳して独立もせずに兄貴の手伝いだけして小遣いもらってるのは気が引けていたんだ。

 錬金術が金になるなら、研究だけじゃなく物作りをしてもいいだろうね。

 ありがとう。まずは紹介されたロリソン商会に行ってみるよ」


 デデンさんが晴やかな顔で笑う。


 後日、馬車の揺れに対して相談を受けたオレは簡単なショックアブソーバーの仕組みをデデンさんに教えて上げた。粘着油をベースに配合を工夫し、馬車の大きさ別に規格化したのはデデンさんの功績だろう。


 なお、ベアリングとタイヤ(笑)、粘着油式ショックアブソーバーはデデンさんのパテントとして商人ギルドで公開され、製造方法は広く伝えられた。


 パテントのギルドルールでは、まず製造方法を購入するのに金貨1枚。これは一律らしい。これはもちろんパテントの持ち主に入る。


 恐ろしいのはパテントの方法で製造したものを売った利益の1%が問答無用で徴収されパテントの主に振り込まれることである。


 もちろん現金取引の場合は徴収されないが、それをギルドバンクに入金した途端、徴収される。遺言同様に逃げ道がないということである。


 オレはパテントのことは知らなかったが、ガガンさんが知っていたので、デデンさんにパテント登録を勧めたそうだ。


 ちなみに商人ギルドでのパテント登録は一瞬で終わる。製品と製造方法を記した用紙を提出するとすでに登録済みのものかどうかが宝玉で判定されるとのことだ。


 なおパテントの期限は10年。10年経過後は誰でも使用可能になる。公共の利益ということなんだろうな。


 しばらくはデデンさん自身が忙しいだろうが、製造方法が広まれば職人も作り始めるだろう。そうなれば不労所得になるのだから、それから研究に励めばいい。


 一応、個人的にお願いしたい研究があったので、依頼はしておいたが。


 ◇◇◇


 翌日、オレたちはソーニッジにいた。


 単なる思いつきである。


 闇魔法と聖魔法のレベルアップのため、ボスのアダマンゴーレムを倒しに来たのだ。


 ゴーレムはゴーレムなので痛覚はない。


 そのため、この拷問のような方法を取っても心が痛まない。


 以前ララティに話したことがあるが、ダンジョンの魔物はどこか作り物のような気がしている。仮初の生命というか。


 だから何をしてもいいということではないが、ダンジョン外にいる普通に生命の営みの結果生まれた魔物とは区別していいのではなかとオレは思っている。


 とはいえ、外の魔物も基本は魔力溜まりからポップするとのことだが。


 ただ、外の魔物はそれなりに長期間生きられば生殖するし、子供も生まれるとのこと。


 王都にはそういう研究をしているひともいるそうだ。


 ダンジョンではそういう事例はないらしい。外なら魔物の子供を見ることがあってもダンジョンに絶対子供はいない。そういうことなんだろうな。


 とはいえ。


 致傷(ペイン)+治癒(ヒール)の繰り返しで聖魔法と闇魔法のレベルアップは、人道的ではないだろう。普通に拷問だからな。


 そのため痛覚無効のゴーレムを使う。


 オレのこだわりだ。他人に強制はしない。


 ダメージ量としては致傷(ペイン)×2+治癒(ヒール)でちょうどいい。


 そのため、順番でアダマンゴーレムを拷問していく。


 致死性のダメージではないので、ゴーレムの攻撃もあるが、いまのオレたちに当たるほどの攻撃はない。


 無事に全員聖魔法Lv3、闇魔法Lv2を得た。


 今回は周回ではないのでレベルアップはない。


 保険の意味合いが強いな。今後別々にどこかのダンジョンに潜ることがあるかもしれない。その場合、浄化(ピュリファイ)は欲しいと思っていた。ダンジョンといえばアンデッドフロアは鉄板だしな。


 闇魔法を得たので、この方法が取りやすくなった。


 ダメージコントロールしやすいというか。


 回復系魔法は実際に回復しないと失敗するしな。他の攻撃魔法は気軽に試せないし。


 魔法レベルアップに使用回数が密接に関わってるのはわかってるが、剣術などは素振りではレベルアップしない。実戦が必要だ。素振りだと剣術が発動して身体がその通りに動くのは実感できるけど、斬るべき急所は見えないし。急所が見えないスケルトンなどでも剣術は出るし。


 どっかで実験してみるか。


 あ~空間魔法で作った部屋に訓練場を作るか。広大な空間を使っても他所に影響でない場所としてはいい感じなんじゃないだろうか。


 帰ったら試してみよう。


 一度ダンジョンを出る。


 ソーニッジは急ピッチで整備が進められていて、冒険者ギルドは仮運営を開始している。宿もロージアンからの誘致が上手く行ったのか、すでに営業を始めているようだ。気の早い露店も数店出ているし、テント暮らしの冒険者の姿も見られる。


 冒険者ギルドが稼働するようになれば、食事の面も改善する。


 職員の宿舎も建築が終わっているようだし、本格稼働もまもなくだろう。


 安心してオレは家へ帰ることにした。


 亜空間の我が家をエミリアの家、現実の我が家をラージャの家と呼ぶことにする。


 エミリアの家の間取りを追加、訓練場を作った。


 壁に向けて何発か魔法を撃ってみるが、壁にダメージはない。


 これなら練習し放題かな。


 エミリアに水魔法Lv2を連射してもらう。


 あ、レベルが上がった。だいたいレベル二乗×100回でレベルアップする感じだ。


 無詠唱があるから、これだけデタラメな速度で連射できるが、普通は呪文を唱えるわけだし、時間効率は悪いだろう。


 二人とも属性魔法はLv2で止まっていたので、それぞれLv3まで上げてもらうことにする。通常、ここで魔術師のレベルがカンストし、それ以上の魔法は覚えない。


 上級職が生えてくるのも運次第らしいので、上級職に転職しない限り通常は超級、Lv4の魔法は使えない。


 訓練の方向性も見えたことだし、今日はもういいだろう。風呂に入ってさっぱりするか。


 ◇◇◇


 翌日、エイミーちゃんと「戦乙女」のリーダー・ヴァネッサさんが訪ねてきた。


「イソ、家買ったんだね! アルスターを本拠地にするんだ」


「安かったから買っただけだ。金貨2枚」


「これだけ広い土地なのに?」


「スラムの近くだから人気がないそうなんだ」


「どうでもいいじゃんね。住めば都! だよ」


 馬小屋で寝る少女のエイミーちゃんにはそうだろな。


「いろいろ工夫はしてる」


 ふーんとか、ほーとか言いながら部屋の中を見回しているエイミーちゃん。


 一方ヴァネッサさんの表情は暗い。


「本日のご用件は?」


「その、周回といいますかダンジョン攻略に行き詰っていまして」


「いま何階ですか?」


「3階層の攻略を始めたところです。迷路なので、なかなか攻略に時間が掛かっていて。パーティに盗賊がいませんので」


 スミストル3階層は、罠がない分、盗賊のいないパーティにも優しい。


 4階層も殺意の高い罠はないため、5階層の魔物トラップの方が殺意は高い。


「パーティのレベルは?」


「平均25というところです」


 それだと3階層はギリギリ。安全圏ではない。


「早く4階層のボス周回をしたいのです」


 事情がありそうな話だが。


「4階層のボスのレアドロップの指輪は知っているでしょうか?」


 持ってるからな。


「アレの買取額が金貨1枚なのです。いま、ウチのパーティー「戦乙女」はギルドに借金をしていまして、あと2週間で金貨1枚を返済しなければならないのです」


 ギルドに借金できるのって銀貨10枚じゃないっけ?


「パーティー名で申し込めば金貨1枚まで借りることができるのです。その場合、借金の負担はパーティーメンバー全員に掛かります。ウチは5人パーティーなので、ひとり銀貨20枚の負担になります」


 エイミーちゃん、ひとりで銀貨2枚は稼げるよね? 10日あれば余裕って生活費が掛かるか。


「パワーレベリング?」


 レベルだけ無理に上げても4階層は厳しいんじゃないかな。


「魔術師いる?」


「ひとり。火魔法中級が使えます」


 クリアするだけならいけそうだけど。


「間に合わないと思いますよ」


「えー、イソ、冷たーい」


「そもそも借金の経緯を」


「ウチのパーティーメンバーのナナが他の冒険者に貢いで私にも内緒でギルドバンクから金貨1枚借金してしまったのです。ギルドカードに借金のメッセージが届きますが、僅かなラグはあります。

 その隙に男は金貨1枚持ってスミストルから姿を消しました」


「他にも騙してそうだよね」


 エイミーちゃんも騙されてたかもね。


「顔がいいだけの男のどこがいいのさ。女に金をせびるような男はお断りだよ。イソみたいに甲斐性がないとね。こんな風にばーんと家を買っちゃうような」


 それはそれで褒め過ぎだろう。


「経緯はギルドに説明してるんですか?」


「はい。ギルドルールは絶対です。その男がどこかでギルドバンクを利用すれば、間違いなく検挙されます。

 ただ、もう時間がありません。捕まるのを待ってるわけには行かないのです」


 そらそうか。返済しないと暗殺者が送られるからな。


「2階層は安定周回できるんですよね?」


「はい。問題ありません」


「オーク肉のドロップは知ってる?」


「たまにドロップしますから」


「あれさ、銀貨1枚でしょ。買取が。いまからパワーレベリングして4階層を目指すなら、安定周回できる2階層でオーク肉を狙った方が安全だと思うけど」


「でも」


「エイミーちゃん、気配察知レベルあがった?」


「あがったよん♪カンスト」


「だったらさ、オークの集団だけ狙えるでしょ」


「できるんじゃないかな」


「ということです。1日100匹。5匹の群れを20回です。1割がドロップするとして、オーク肉10個。これで銀貨10枚です。2週間なら10日連続稼働しても大丈夫でしょう。実際には1割ということはないはずなので、もっと少ない日数で稼げると思いますけどね。

 生活費はオークの魔石が銅貨5枚です。100匹狩れば、確実に銀貨5枚。5人パーティーの生活費は賄えるでしょう」


 ヴァネッサさんの表情が明るくなった。普段ならこんな計算は簡単だろうに、追い詰められると、簡単な計算もできなくなる。地道に積み上げるんじゃなく一攫千金を狙ってしまう。結果、死ぬ。


 まあヴァネッサさんが死んでも戦乙女が全滅しても、オレには一切関係ないのだが。


 エイミーちゃん? 死んだら、ちょっとだけ思い出してあげよう。


 Lv25となるとオークを一撃は難しいかも知れない。魔術師が火魔法Lv2を使えるだけマシか。1日100匹は厳しいだろうが、やり遂げなければ死ぬし、4階層を狙うよりずっと安全に稼げるはずだ。


「そんじゃエイミーちゃん、毎日の稼ぎの状況を連絡ちょうだい」


「気にしてくれるんだ。やっぱりイソって優しいよね。ね、ヴァネッサ。あたし泊まって行っていい?」


「ダメです。明日早朝から2階層に潜りますよ。

 ではイソさん、失礼しますね」


 うちに客間はねぇよ。泊って行ってなにするつもりだったんだよ。


 …エロいことか。あれで意外にエイミーちゃん、好きものだからな。


 エイミーちゃんも慣れては来たけど、どうしても肉付きがなぁ。4年後に期待。


 …期待してねぇよ。これからもエイミーちゃんとは何もねぇよ。


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