アンデッド対策
◆アンデッド対策
神殿で、ついでに3階層の対策を聞いてみた。
ゾンビにスケルトンなら、神官の出番だと思ったからだ。
「武器に聖属性を付けて攻撃すればダメージが通りやすくなります。聖属性付与は神殿でも行っていますし、1日銀貨1枚です」
美味しい商売してんな。
「あとは聖魔法の上級に浄化という魔法がありまして、魔法の効果範囲のアンデッドはすべて浄化されます。
当神殿としては、こちらがオススメです。ボスにも効果的です。
浄化を使える神官を1日銀貨10枚で臨時パーティーとして貸し出しています。上級魔法が使えるほどなので、レベルも高く、治癒も使えますから、なにかあっても安全でしょう。人数に制限がありますので、常に融通できるわけではありませんが、利用される方が多いですね」
自分とこの神官には経験値も入るしWin-Winの関係ってやつか?
初級魔法は見ただけで覚えられるけど、上級とか無理なんだよな。
魔法には初級・中級・上級・超級・伝説級と階級が振られており、ステータスではLv1~5だ。限界突破した先がどんな名前の魔法になるかはいまから楽しみではあるが、いまはいい。
オレのところはいろいろ秘密の多いパーティーだ。臨時でもメンバー追加は厳しい。
魔力操作があるので、聖属性を武器に追加するのはオレでもできる。王権神授でエミリアにも魔力操作を渡せば聖属性の矢も作れるだろう。
「ありがとうございました」
そういって情報の対価として銅貨10枚渡す。ぶっちゃけ誰でも知ってることだし、神殿の宣伝みたいな話に銅貨10枚は高いと思うが、神殿でなにかしたら寄付は鉄則だ。だから神官も寄付の額には文句がなさそうである。
基本的な対策は神官に教わった通りだろう。
あとは迷路の複雑さか。
これは入ってみないとわからない。地図を買う手もあるけど。
魔物の強さも当たってみないとわからないし、まずは一度潜ろう。
◇◇◇
「臭いです」
3階層に転送されてエミリアの第一声がそれだった。
スケルトンは比較的クリーンかも知れないが、ゾンビは腐ってる。
階層そのものが腐臭に満ち溢れていても当然かも知れない。
匂いをガマンしながら、スケルトン、ゾンビと戦ってみた。
まずはオーソドックスに剣で。
剣術が効かない。
効かないわけではないが、こいつら、急所がない。
一番確実なのは首を刎ねることだけど、剣術でそこを狙うだけの体術がない。
なるほど、上位冒険者は剣術と同じ動きを自力でできるように訓練するはずだ。
次に魔法。
弾系がホーミングするので有効かと思ったが、やっぱり急所がないので、ホーミング先が定まらず、頭以外に命中すると平気な顔で攻撃してくる。
確実なのは火球で頭を狙うことだった。
魔物に対しての対策はそれで方針が決まる。
下手に魔力操作して属性付与するより魔力消費は少ないし、聖属性付与してもオレたちの神官レベルが低いのか、そもそもそういうものなのか、劇的な効果はなかったのだ。
だったら燃やしてしまった方がいい。
ただ燃やすと、そういう悪臭が蔓延するので辛い。エミリアとか少し涙目になっている。
この階層の魔物は見つけたら燃やすことにして、先へ進むことにした。
次に迷路だが。
灯りがないので、オレもエミリアも聖魔法の灯りを頭の上に浮かべている。これは一定時間、術者の指定位置、今の場合は自分の頭上だが、に込めた魔力分の時間光り続ける魔法であり、こういう灯りのないダンジョンでは必須だ。
オレたちはふたりともこの魔法が使えるので困らないが、聖魔法の使い手がいないと、かなり困ることになると思う。
一方、階層の広さは1~2階層ほどではなく、ぶっちゃけ入口から5回くらい曲がるとボス部屋だ。
ただ迷路そのものは複雑であり、正解の道を知らないと延々と迷い続ける羽目になる。
オレの場合は限界突破した鑑定・自動地図があるので、こんなのは問題なしである。
普通に5回曲がってボス部屋だ。
後に聞いた話だが、この階層の迷路は時間経過で変化しており、ギルドで地図を買っても迷うとのことだ。
ボス部屋に入り、ボスの攻撃パターンを探る。
レイスの攻撃はドレインタッチ。触られると体力を吸われる攻撃らしい。試しに攻撃を受けてみたが、こちらの知性が高いためだろう。魔法抵抗力が高いので、ほとんどダメージは入らない。
一方で物理無効は本当のようで、剣はすり抜けてしまった。これは聖属性を付けるとマシで、それなりの手応えがある。
あ、エミリアの攻撃で倒した。
なるほど。属性攻撃は有効なのか。
魔石を回収して、一度ダンジョンを出て、身体浄化で匂いを取った。
1回行っただけなので、まだ早い時間だが、ギルドの混雑は終わったようだ。酒場で果実水を飲んでいるとササラさんがやって来た。
「その様子だと3階層行ったんですね?
あそこ、匂いイヤですよねぇ。それと迷路。驚きました?
あの階層、時間で迷路が切り替わるんですよ。
なので、攻略諦めて戻るひとも多いんですよね。
もしかして、イソさんもその口ですか?」
この時間、ギルドにいるってことはそうなんだよね? と笑顔の裏側の本音が透けて見えた。
決まった。泣かす。絶対泣かす。
迷路なので、探せば宝箱とかあるかも知れなかったが、あの悪臭のなか、長時間の探索は無理と諦めた。
そのため、ボス周回限定で考える。
すべてササラさんを泣かすためだ。
目標は1000周。1周20秒あれば行ける。
まずは通常通りに3階層へ。
迷路が変化してもボス部屋の位置は変わらないので転移。
ボスが出現したらエミリアは火球で、オレは火炎球で一撃。
魔石を拾って魔法陣に乗る。外に転移したら、すかさずボス部屋へ転移。
これを繰り返す。
慣れれば1周10秒くらいだった。
一番時間のかかるのが魔石の出現待ち。これに5秒くらいかかるので、魔法を打ったらすぐにボスの足元に移動して、魔石を拾って魔法陣へ。
最後の方になると、ボス出現前に魔法発射、出現と同時に撃破が可能になっていた。
結果として2000個超の魔石と、正体不明の指輪が半分くらい。鑑定してみたら、魔法抵抗を高める効果のある指輪と、逆に下げる指輪が混在していた。
魔法抵抗を高める方は知力に+10%と効果が高いので、オレとエミリア、エイミーちゃんとアマネさんの分を取り分けて、残りはギルドの買取に出す。
下げる方は呪いのアイテムなので、知らずに装着すると外せなくなる。全部鑑定の必要があるわけだ。
ササラさんの顔が楽しみだなぁ。
◇◇◇
「苦戦してたんじゃなかったんですかぁ~」
受付カウンターでササラさんが涙目でオレを見ていた。
「朝にご心配をかけたようでしたので、順調であることを証明するため、張り切ってしまいました」
快活に笑ってみせる。
「イソさん、私がこの出張所の鑑定持ちって知ってるんでしょ?」
「いまはじめて聞きました」
予想はしていたが聞いたのははじめてだ。
「魔石の鑑定は比較的簡単なので、鑑定レベルが低くても大丈夫なんです。でも、毎日毎日ひとりで4桁の魔石を持ち込んで! 最近、私、毎日残業なんですよっ!」
ギルドの勤務形態に関してはオレの知るところではないな。
「概算で、どのくらいになるんですか?」
「魔石はざっくり見ても品質は悪くないので金貨2枚くらいになると思います。レイスのドロップ品の方は鑑定して見ないとなんとも言えないんですが、呪いの方なら銅貨で5枚。祝福の方なら、銀貨1枚なので、半分が祝福だと金貨で5枚になりますね。でも祝福の赤い指輪がこの数市場に出回ったら値崩れ必至だから出荷調整しないと…」
それもオレの知ったことではない。
ササラさんの泣きっ面が見られたので今日は満足だ。
目標があるっていいね!
ササラさんへの嫌がらせのため、最大効率で3階層を周回した結果、オレのレベル、エミリアのレベルともに38まで上がった。
魔術師レベルもお互いに2上がり、英雄のレベルも上がった。
火魔法ばかり使っていたので、火魔法もLv3を覚えた。
火炎嵐:火炎の嵐を巻き起こす。
火炎流:火炎放射器。
火炎柱:任意のサイズ、任意の本数の火柱を立てる。
さすがはLv3。上級魔法。規模感が個人戦向けじゃなくなってるわ。
ふと、酒場で待ってるエミリアを見てみる。
テーブルにはオレの分とエミリアの分の果実水。エミリアはオレが手を付けるまで、飲み物も食事も先に口をつけない。命令しているわけではない。禁止もしていない。
ロリソンの教育の結果なのかも知れないが、それがオレの奴隷としての姿勢だと信じているようだ。
あ、最近来たパーティーかな? 声をかけられてる。ドヤ顔で隷属の首輪を示してる。
エミリアにとってはオレの奴隷であることが誇らしいんだろうなぁ。
「何やってんの?」
エイミーちゃんが帰って来ていたようだ。
「エミリアを観察。オレと離れてるときってなにしてんのかなって」
「じっとしてるわよ」
エイミーちゃんが即答。
「そりゃ挨拶くらいはするし、質問には答えたりするけど、イソと離れてるときに自分から何かをすることはないわね」
「けっこうよく見てるんだな」
「そりゃ見るわよ。あたしだって将来奴隷になるかも知れないし?」
「なんで?」
どういう未来予想図なのか、エイミーちゃんの思考がわからない。
「あたしね?『銀貨の君』を見つけて、奴隷にしてもらうのがいまの夢なの。そのために強くなってランクも上げるの。『銀貨の君』って冒険者みたいなのよ。
だから、そのひとの必要な存在になろうと思ってがんばるの。
実は『銀貨の君』は男のひとじゃないかと思ってるのよ。
だからさ、エロいこともがんばって覚えようかと思って」
すんごい告白来ました。努力する姿勢は正しいが目標が間違ってないか?
「あのさ、そこは普通にお嫁さんとかじゃダメなの?」
「何いってんの? もう結婚してるかも知れないじゃない。そりゃこの国は重婚規制されてないけど。他所の国だと一夫一妻制のところもあるじゃない。
でも奴隷なら関係ないわ。
それにエミリアって大切にされてるじゃない。見てればわかるわよ。あんな幸せそうな顔した女の子、なかなかいないわ。
イソのいいたいこともわかるわよ? エミリアがいい子だから大事にしてるんでしょ? だからあたしもエミリアを観察して参考にしようと思ってんの」
わかったような、わからないような理屈を並べられた。
そっか、エミリアって幸せそうに見えるのか。そりゃよかった。
いつもニコニコしてて文句を言わないけど、内心嫌がってることがあったりしたら嫌だなって思ってたけど、エイミーちゃんが言うなら大丈夫だろ。
いつまでも待たせるのはエミリアに悪いので、テーブルに向かう。
「お疲れさまなのです」
席について、揃って果実水を飲む。
「エミリア、左手出して」
「はいです?」
左手を差し出すエミリア。薬指にさきほどのドロップ品「祝福の赤い指輪」を付けてやる。
「もらってもいいです?」
「もちろん」
エミリアがもじもじし始めた。
なにか言いたそうで言えない感じだ。
その間に、エイミーちゃんにも指輪を放る。
「これは?」
「お裾分け。今日のドロップ品。3階層のボスに効果があるから、ボス戦のときは付け忘れるなよ~」
すかさず自分で左手の薬指に嵌めやがった。まあ、意味なんてないのかも知れないが。
「…魔法効果のある指輪は心臓に近い左手の薬指に嵌めると効果が高くなると言われてるわ。それ以上の意味はないから」
頬を染めながらエイミーちゃん。
うん。オレもそれ以上の意味は求めてないから。
若干エミリアの表情が曇る。
「わたしの住んでいた村では、男のひとが女のひとの左手の薬指に指輪を嵌めて上げるのは、結婚の証と言われていたです。
でも、わたし奴隷ですから結婚できないです。
ロリソンさんのところの奴隷のお友達は、奴隷の場合のことも教えてくれたです。
奴隷の左手の薬指に主人が指輪を嵌めてくれたなら、それは主人が生命尽きるまで手放さないことの約束で、大事にしてくれていることの証だって言ってました。
違ったです?」
マジメな表情でじっと見つめてくるエミリア。
「エミリアの言ってる方が合ってるな」
オレがそう答えると。
エミリアは、いままで見たことのない、花のほころぶような笑顔を見せてくれたのだった。
こんなに喜ぶなら、今度、もっとちゃんとしたのを買ってやろう。
そんなことを考えていると、目を潤ませたエミリアがテーブル越しに抱きついて来て、情熱的なキスをした。しばらくキスを続けたあと、満足したのかオレから離れると、はっとして周りを見渡した。
砂糖を吐きそうな表情の冒険者の皆さんを尻目に。
「エミリア。喜んでくれるのは嬉しいが、ここはギルドだし、まだ時間も早い」
「ごめんなさいです…」
「そういうのは宿に帰ってからだ」
「はいっ! です!」
しゅんとしたエミリアがまた笑った。
◇◇◇
情熱的な一夜を過ごしたオレとエミリアはギルドに来ている。
今日から4階層を攻略するのだ。
ちなみにエイミーちゃんはすでにダンジョンだ。昨日は失神するまで、そこそこもったから、レベル上がったかな?
「4階層の敵は、またアンデッド。フロアは迷路。
スケルトン上位種とグール。ん? ジャイアントスパイダー? これはアンデッドじゃないのか。
ボスはワイト。物理無効ではないけど、効きにくい、魔法耐性も強い、と」
テーブルで検討しているとササラさんがやってきた。
「ちょっと。またボス周回とか考えてるんじゃないでしょうね」
「いやぁ、それはササラさんの態度次第ですかね」
「私は何もしてないです!」
まあ、なにかされたわけではない。
「おかげさまで予定レベルにも到達しましたので、単純に攻略だけのつもりです」
「よかった。昨日の納品は金貨8枚と銀貨75枚だったわ。思ったより当たりが多かったのね。オーク肉と違ってギルドで保管可能なものだからよかった。
それより、ジャイアントスパイダーには注意してね。
アンデッドの弱点の聖属性と炎に耐性あるから。
ドロップのスパイダーシルクはわりといい値段で引き取れるけど」
「いい値段ってどのくらいですか?」
「ドロップひとつの分量で銀貨5枚かな。スパイダーシルクの戦闘服着てるんだから、値段は知ってるでしょ?」
ああ、そういえば、オレのとエミリアの服2着で金貨3枚だっけ? あれは鎧を含めての値段か。それでも高価なのは間違いない。
「ギルドとしては…というかササラさんとしてはドロップ欲しいですか?」
「4桁とかデタラメな数じゃないならありがたいわね」
「デタラメですか」
オレの返事に、ササラさんは眉間にシワを寄せた。
「あのねぇ。スミストルの村にどれくらい冒険者がいると思う?
100人ちょっとなの。パーティーにすれば30組くらい。
そのパーティーも毎日ダンジョンには潜らないわ。
だいたいギルドに来るのは半分の15組。
レベルアップのために周回しているひともいるけど、1日10周すればいい方。
途中の魔物討伐ドロップを合わせても一組で2桁前半なのよ。
普通は1日の鑑定件数なんて300行けば多いの。
なのに! どうして君は、毎日毎日4桁オーバーのドロップ持ってくるの!
誰にでもまねできるやり方じゃないと思うけど、絶対広めないでね! 私が辛いの!」
最後に本音が出ていた。やり過ぎたのは認める。
あのままギルドにいるとササラさんがキレそうな気配だったので、ダンジョンに避難。
4階層からダンジョンにトラップが現れるらしい。
オレの場合は、鑑定・自動地図に罠検知で検知した罠が表示される。知覚範囲はすべて検知されてしまうので、自動的に罠検知のレベルは上がっていく。とはいえ、エミリアの罠検知のレベルも上げたいので、罠のことは言わずに進んだ。
「この先に罠があるです」
「解除できるかな?」
罠検知では罠の種類まではわかるが、解除方法がわからない。
エミリアが解除してみたいというので任せてみた。槍の罠ということなので、どこかを踏むと罠が発動するのだろう。
「できたです!」
片手にナイフを持ってエミリアが宣言した。
エミリアに罠解除の天啓が増えていた。
「この石畳だけ微妙に浮いていたので、詳しく見てみたら糸が伸びていたです。切ったら作動しなくなったです」
物理的に設定されるもんなんだ、こういう罠って。魔法的な何かだと思った。
ゾンビがいないせいか、匂いもそれほどきつくないため、順調に魔物を倒しつつ、罠を解除しながら進む。
エミリアが気が付かない罠では、この辺に何かないか? と促したりしてエミリアの罠検知を上げていく。おかげでオレもエミリアも罠検知はLv3まで上がった。同様にエミリアの罠解除もLv3まで上がる。
ジャイアントスパイダーは遭遇率があまり良くなかったが、遭遇すると必ずグールと戦っていたのは、なにかの暗示なのだろうか?
まとめて丸焦げにしたので、どっちでもいいのだけど。
結果としてドロップも多くない。魔石で50くらい、スパイダーシルクが20くらい。
稼ぎとしては悪くないか。
最短ルートで来ているので、時間は1時間もかかっていないが、普通は迷宮内で何泊かする覚悟で挑むのかもしれない。
ボス部屋の前に一応マーク。もう来ないと思うけど。
そう思っていたけど。
ボス部屋の前に一組の冒険者パーティーがキャンプをしていた。
「休憩中ですか?」
「ああ、ちょっと前に到着してな。いまは回復してるとこだ」
「先に行っても大丈夫ですか?」
冒険者たちは顔を見合わせて苦笑する。
「こっちはまだ準備できてないからな。いいよ。おまえたちもレアドロップ狙いか?」
「レアドロップ?」
「ああ、ここのボスはレアドロップで『祝福の紅玉の指輪』を落とすんだ。効果は、レイスのドロップと大差ないんだが、指輪に付いてるのが魔石じゃなくて、本物の紅玉でな。買取が高いのさ」
「へぇ。オレたちは攻略で来たんですよ。ちなみに買取はいくらですか?」
「金貨1枚」
なるほどお高い。実はこのフロア、意外に冒険者が多いのだ。レアドロップ狙いだとすれば納得である。
「では、お先に」
挨拶をしてボス部屋に入った。
中央に不気味なワイトの姿。ポップ済みか。
なんか喋ってる。口上か何かか? 言語が違うんで理解できん。
「エミリア」
「はいです」
聖属性を乗せたエミリアの片手剣がワイトを縦に引き裂いた。これ剣術じゃないな。力技だ。
魔石と指輪をドロップ。鑑定してみると「祝福の紅玉の指輪」だった。
「エミリア、指輪を交換しよう。これがいまドロップした『祝福の紅玉の指輪』だ。さっき冒険者たちが話してたレアドロップだな。
これをエミリアにやる。
その代わりに、いまエミリアが嵌めている指輪をオレが嵌めよう。
指輪の交換だ」
うなずくエミリア。
「イソ様のいま嵌めている指輪はどうするです?」
「売るか、誰かにやるか…」
納得していないらしい。
「これはエミリアにやろう」
エミリアは嬉しそうにうなずいた。そして指輪をアイテムボックスにしまう。
よし、今日は終わりにして風呂でも入りに行こう! この時間なら、まだ誰も入ってないはずだ!




