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異世界転生で理想の生活を  作者: かおりん@
2章

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13/56

ダメっ娘エイミーちゃん

 ◆ダメっ娘エイミーちゃん


 スミストルの金色の朝焼け亭・分館にダブルの部屋を借りたので、普通に結界のお世話になった。身体浄化(クリーン)も忘れない。宿に迷惑かけられないでしょ。


「今日もがんばるです!」


 元気に宿を出るエミリア。


 朝からツヤツヤしてるのは気の所為じゃないとは思うけど、なんというか日々綺麗になっていくような…。


 こういう感じ、見たことあるな。


 毎日に生きがいとかやりがいを感じて、日々を生き生きと楽しんでいる。


 楽しいから活力に満ちていて、自然と表情も明るくなるし、働くちからも湧いてくる。


 うん。前世の新入社員だね。


 たいていは一月後には、この世の終わりのような顔をしてたけどね。


 ブラックってイヤだよね。


 実際に、エミリアは朝から晩まで働かされている上に、朝晩ご奉仕までさせられて、オレの感覚なら奴隷なんだけど。


 本人奴隷なので問題ありませんでした。


 むしろオレの感覚の方が、この世界ではぶっ壊れなんだよな。


 エミリアはご奉仕も冒険者の仕事も苦になってないようだから問題ないんだろう。


 もしもイヤなら、あんな表情にならないし、あんなセリフは出てこない。


 エミリアが楽しく働ける職場でありたい。


 そんな風に気持ちを一新しながらギルドの扉を開く。


「銀貨の君はあなたですかっ!」


 待ち伏せしていたエイミーちゃんに捕まった。


「知りません」


 一言で切り捨てギルドに入る。


 ササラさんを睨むと苦笑しながら首を横に振り、手も違う違うとジェスチャーしている。


 オレの後から入ってきた冒険者にも同じことを言っているエイミーちゃん。


 あ、おもしろがってうなずいた冒険者がいる。


 粘着されてる。あなたに一生付いて行きますとか言ってる。どっちも哀れだな。


 あの様子だと奴隷になれとか言ったらなるんじゃねぇの?


 銀貨1枚の奴隷。


 …いらねぇ。奴隷にしたら衣食住の保証をしないとならんし、維持費を払ってまで欲しい理由がない。エイミーちゃんの魅力は…年齢くらいか。若いということは可能性に満ち溢れているからな。たしか14歳。ロリソンさんならロックオンの年齢だろう。少し上かな。でも体型的にストライクだと思う。


 ただロリソンさんとこは美人ばっかりだからな。もちろんロリソンさんが狙って集めてるんだけど。エイミーちゃんでは太刀打ちできないだろう。


 栗毛で少しくせっ毛。まだそばかすの残る幼さは保護欲をそそるかも知れんけど、オレはそそられないのでパス。


 その後もエイミーちゃんは「銀貨の君」を探して騒ぎを起こしている。


 遠巻きにしながら、今日の計画をエミリアと打ち合わせていたら、ササラさんがやってきた。


「責任は取るべきだと思うんですよ」


「こうなるとか予想できました?」


「いいえ」


 苦笑するササラさん。追い詰められていたのは見ててわかったが、まさか銀貨1枚でこうなるとは。というかまだ追い詰められているのか。


「たぶん、追い詰められているからパニック行動なんだと思うんだよね。ギルドからの依頼って形にするから、何日かエイミーさんの面倒見てやってくれないかなぁ」


「粘着されそうなんでイヤです」


「この騒ぎの原因は君だった報告上げたくないなぁ」


 ササラさんは首を傾げながら微笑んだ。あざとい。


 ◇◇◇


「よろしくお願いします…」


 ギルドの依頼で数日指導することになったとササラさんからエイミーちゃんを紹介される。どこか不満気な顔はオレのことを知っているからだろう。アルスターの「草食系」はそれなりに有名だったはず。そしてゴブリン集落事件を治めてエイミーちゃんを救出したのも「草食系」。


 自分を助けてくれたのも、自分を苦境に陥れたのもオレ。そう思ってる顔だ。


「最初に何点か確認したいことがあるんだけど。

 君、なんで魔術師なの?」


「え? レックスが決めたし、ギルドで登録するときに適正あったし…」


 困惑するエイミーちゃん。


「でもそれLv1のときの話だよね。いまはパーティー解散してソロなんでしょ? 魔術師は不利じゃない?」


「魔術師しかしたことないし…」


「ギルドで転職相談とかした?」


「…してないけど…」


 こりゃダメだ。想像してたけど、思ってた以上に考えなしだ。たぶん、冒険者として田舎から出てきたのもレックス君とやらが勇んで誘ったのに乗っただけに違いない。


「冒険者を辞めて田舎に帰るって選択はないの?」


「…仲間が全部死んで、あたしだけ田舎に帰るとかできるはずないじゃない。レックスたちの親からどれだけ責められるか」


 係累の問題か。エイミーちゃんには責任ないと思うけど、親としてはそんなこと関係ないか。帰れば針の筵(むしろ)なのね。


「じゃあステータスみたいから、一時的にパーティー組むぞ」


「ステータス?」


「は? 知らないの? どうやってレベルとか確認してたの?」


「そういうのは全部レックスがやるから大丈夫って言われてて」


 レックス君、そういうタイプのリーダーだったか。


 ワンマンプレイ。俺の言うこと聞いてればいいんだよ! みたいな。


 だから死んだんだな。当然だ。


「あとで教えてやる。ちょっとギルドカード貸して」


 エイミーちゃんからギルドカードを受け取って、ササラさんのところに持って行く。一時的なパーティー申請を依頼。


「どうにかなりそう?」


「どうにもならなさそう」


 正直、これまでリーダーのレックス君の言われる通りに動いてきたお人形さんだ。


 これを数日で普通の冒険者にするのは難しい。


 とはいえ。


 オレも前世では新人教育の経験もある。未経験の新人を一月で使い物にせよ、という上司の無茶振りには慣れっこだ。


 教育が進むにつれ笑顔が薄れて行く新人。懐かしい光景だ。


 幸い、この世界の人間は魔物に対して命を奪う忌避感はない。


 オレが感じていた忌避感や恐怖は、この世界のひとは薄いのだ。


 ならなんとかなるんじゃないかと思ってる。

まずはステータス。


名前:エイミー

年齢:14

Lv:10

   基本   職業補正

体力:101(101)101(101)

魔力:108(108)130(130)

筋力:106(106)106(106)

知恵:96(96)116(116)

敏捷:105(105)105(105)

器用:87(87)105(105)

幸運:93(93)93(93)


 職業補正が付いてLv10でこの数字が低いのか高いのかは置いておくとして。


 職業の補正が低い。


・魔術師Lv2

体力:1

魔力:1.2

筋力:1

知恵:1.2

敏捷:1

器用:1.2

幸運:1


 魔術師Lv2で補正が0.2しか付いてない。職業取得時とレベルアップ時の両方で最低だ。


 パーティーなのでオレはステータス(未使用)も見れる。


・剣士Lv1

体力:1.5

魔力:1

筋力:1.5

知恵:1

敏捷:1.2

器用:1

幸運:1


 剣士の方がLv1にもかかわらず職業補正が高い。


 その上、ソロには向いた職業だ。エイミーちゃんはまだ若い。剣術さえ覚えれば挽回できそうな気配。


 ササラさんにお願いしてパーティー解除。


 パーティー組んでると経験値が分散されるからな。自分で稼いだ経験値は自分のものにする方がいい。


 エイミーちゃんのところに戻る。


「ちょっと君、転職して来なさい。剣士の方が向いてる」


「そ、そんなことどうしてわかるのよ!」


「それは秘密なんだけど、お金がなくて防具が買えないとかいいそうだから、オレの以前使ってた装備とか上げるから。どうせギルドからのもらい物だし。

 いまの装備はオレが預かっておくよ」


「転職って費用がかかるんでしょ?」


 ん? そうなのか?


 でも転職しないことにはどうにもならんからな。


「ギルドからの借金で」


 実はギルドバンクは銀貨10枚まで借金できる。マイナスがなくなるまで、ギルドカードへの振り込みは借金返済に充てられるが、報酬の一部を現金にしてもらうことで生活費を残して借金を返済することができるのだ。


 なお借金を踏み倒そうとするとギルドの刺客が放たれるので、みんな必死になって借金を返す。本当に簡単に殺されるので、よほどのことがない限り借金もしない。


 転職には銀貨1枚必要だった。オレが立て替えてもよかったけど、なんか粘着されそうでイヤだったので、ギルドに丸投げ。


 後日知ったのだが、ギルドカードからの神殿への寄付は神殿で厳密なチェックを行い、受け取るべきひとが他にいないか確認してから受け付けるそうだ。


 そのためパーティー「シューティングスター」の寄付はキャンセルされ、全額エイミーちゃんの口座に振り込まれたとのこと。銀貨で10枚もなかったそうだけど。誰が使っていたんだろうねぇ。


 転職後のステータスがこちら。


名前:エイミー

年齢:14

Lv:10

   基本   職業補正

体力:101(101)152(152)

魔力:108(108)108(108)

筋力:106(106)159(159)

知恵:96(96)96(96)

敏捷:105(105)126(126)

器用:87(87)87(87)

幸運:93(93)93(93)


 エミリアと比較するとエミリアの怪物ぶりがよくわかる。


名前:エミリア(奴隷)

年齢:18

Lv:10

   基本   職業補正

体力:161(161)3220(3220)

魔力:150(150)2625(2625)

筋力:158(158)3318(3318)

知恵:154(154)2618(2618)

敏捷:160(160)2640(2640)

器用:153(153)2754(2754)

幸運:150(150)2400(2400)


 基本ステータスはともかく職業補正後のステータスが洒落にならない。同レベルとは思えない差だ。


 それはともかく。


 転職したので、魔術師系の天啓(スキル)のがなくなったので、剣士天啓(スキル)で埋めないとならない。


 最低でも斬撃と突きは身に付けてもらわないとソロは難しいだろうな。


 剣術の指導をしてもらって、一緒にダンジョン1階層へ潜った。


「い、いきなりダンジョンとか大丈夫なの?」


「それは君次第~」


 転移(短)は見せられないから、鑑定で単体のゴブリンを探して徒歩移動。


「さあ行け! エイミーちゃん!

 本気で剣術を覚えないと死ぬぞぉ!」


 そしてエイミーちゃんとゴブリンの泥仕合が始まった。


 結論から言えば。


 エイミーちゃんは1日で斬撃をマスターした。やはり命懸けの訓練は違う。


 ◇◇◇


 それでも倒したゴブリンは5匹。がんばったとは思うけど、銅貨で25枚。


 食事も必要だろうし、現金でもらった。


「エイミーちゃん、いままでどこで寝てたの?」


「え? ギルドの馬小屋。許可は取ったけど」


 そうかぁ。馬小屋かぁ。乙女の寝床ではないような気がするけど、寝藁があるだけマシなのかな。


「オレの部屋に来る?」


 ポロリと溢れてしまった。


「なんで? エロいことすんの? いいけど」


 エイミーちゃんはあっけらかんとしたものだ。


「3Pすんの? その子、奴隷なんだよね。レックスとかもそういうの好きだったけど。男の子はみんな同じなのかなぁ。ミナは嫌がってたけどさ」


 レックス君が調教済みなのかよ!


 つか、いまのいままでミナって子はティノ君のお相手だと思ってたわ。レックス君王様かよ。


「いや、ごめんそういうのじゃなかった。たしかに君が部屋いると困るわ」


 音や視界は結界で遮ることができるけど、結界の存在を知られたくない。


「イソ様、3Pキライです?」


 こっちもかぁ~。そらロリソンさんのところにいたなら、そういうのは日常だったよな。


 とはいえ、オレはそういうのには興味がないので、エイミーちゃんには毛布だけ貸して別れた。


 翌日。宿の前。


 エイミーちゃんが待っていた。


「ギルドの馬小屋って朝早いの。これ毛布ありがと」


 返してくれるので、エイミーちゃんも身体浄化(クリーン)で綺麗にしておいた。


「かなりさっぱりするのね。身体浄化(クリーン)、覚えられないかなぁ」


 それよりオレは風呂に入りてぇよ。こっちでよくやる湖や川での水浴びも悪くないけど、広い湯船でまったりとってのがオレの趣味なんだよ。


「神殿で指導はしてくれるそうだぞ。元魔術師なら覚えるのも早いんじゃないか」


「余裕ができたら行ってみるわ」


 たしかにいまのエイミーちゃんに余裕はない。金銭的にも、命的にも。


 引き続きエイミーちゃんには剣術の習得だ。今日は突き。


 斬撃と違って突きは失敗するとこちらの隙も大きくなる。そのため泥仕合は泥仕合でも昨日よりダメージを受ける頻度が上がった。


 ダメージは都度、オレかエミリアが治療(キュア)で回復しているので、いまのところ命の危険はない。


 エイミーちゃんは剣士としての体捌きのコツを掴んできたのか、動きがよくなって来た。具体的には、ゴブリンの攻撃の出を見極め、躱してから突きを入れるようになっている。これなら突きに失敗しても反撃を受ける機会を減らせる。


 お昼はお弁当だ。さすがにエイミーちゃんを除け者にはできないので分けてやっている。


「…ありがとう」


 午後の比較的早い時間に突きも覚えた。


 最後に薙ぎ払いだな。


 これは防御技なので、ゴブリンの攻撃を薙ぎ払いで受けて、斬撃か突きで仕留める。


 その選択はエイミーちゃんにお任せで。


 基本の連携なのだが、エイミーちゃんは言葉では理解できないという。


 お手本としてエミリアにやらせてみたら「見えない」と言われた。オレには見えたけど、一瞬でゴブリンが消えたわ。


 エミリアではお手本にならなかったので、ものすごくゆっくりオレがやってみせた。


 3回くらいやってみせたところで納得したらしい。


 薙ぎ払いは実際にやってみせたのがよかったのか、習得が早かった。


 夕方くらいには薙ぎ払いによる牽制と斬撃・突きの連携でゴブリン3匹相手でもノーダメで倒せるようになっている。


 治療(キュア)をもらえるから、という安心感で雑な動きを見せたら、オレが容赦なく足払いで転ばした。思ったよりダメージ入ったので、すかさず治療(キュア)したのは笑い話である。


 とにかくそういう雑な動きをすると命が危ういと身体に叩き込んだので、複数ゴブリン相手でも立ち回れるようになったのだろう。


 やはり命懸けの訓練は略。


 今日の成果は7匹。課題は索敵だろうな。いまはオレの鑑定で索敵してるから数を狩れるけど。ソロになったら、この点が問題になる。パーティに盗賊がいるなら、どうにでもなるらしいけど。オレも索敵天啓(スキル)欲しいわ。正確に言えばエミリアに欲しい。


 その日も毛布を渡してエイミーちゃんと別れる。誘って欲しそうな目をしていたけど、エイミーちゃんに構う気はない。


 馬小屋でエイミーちゃんが独り寝しているのに無事なのは、みんなエイミーちゃんが粘着気質だとわかっているからだ。パーティーへの加入の申し込み方ですぐにわかる。


 自分のところで引き取るつもりがないなら、うかつに手を出しちゃダメな地雷だと気が付いてる。だからエイミーちゃんは無事なのだ。


 その点、うちのエミリアは「前払い銀貨1枚」の子なので、スッキリサッパリだ。明朗会計ってやつだな。実に朗らか。後腐れなし。


 そもそもロリソンから買い取ったのに、ロリソンに微塵も未練を残さなかった。まあ娼婦通りでの扱いはよいとはいえなかったけど。気質もあると思う。


「なあ、エミリア」


「なんです?」


「オレがエミリアを奴隷から解放するとか、売るとか言ったらどうする?」


 仮定の話だ。「寂しいです」くらいは言ってくれるかな。


「死ぬです」


「え?」


「死ぬです。イソ様から不要と言われたわたしには生きる価値ないです。だから死ぬです」


 そういやこういう子だった。信頼の重さを考えれば愛の重さも考えるべきだった。


 快活に見えるけど、見かけだけだったかぁ。愛が重いよ、エミリア。


「イソ様、エミリア要らなくなったですか?」


 そういいながら、瞳孔が開いた焦点の合わない目で見ながら自分の首に剣を当てるのは本当に止めて欲しい。


「そんなことあるはずないだろう? エミリアはいつまでもオレの大事な奴隷だよ」


「安心したです」


 エミリアは瞳を元に戻して腕を絡めて来た。


 さて、エミリアの愛を確認したところで食事にしようじゃないか。


 ◇◇◇


 3日目。今日も朝からエイミーちゃんと合流。


 すかさずダンジョンへ。


「剣術はマスターしたから、最後に索敵だ。これができないと討伐で数を稼ぐのが難しくなる。エイミーはダンジョンでしばらく稼ぐなら、魔物を効率的に狩れる巡回コースを作ればいいと思うけど、将来を見据えるなら索敵用の天啓(スキル)を閃いた方がいい」


「そんな簡単に閃くもの? 天啓(スキル)ってあとから習得するのが大変って聞いてるんだけど」


 エイミーちゃんは怪訝な顔だ。そらそうだわな。誰でもぽんぽん閃いているようでは天啓(スキル)の価値が下がる。


「最終的に天啓(スキル)を閃けばいいという話。

 剣術も別に天啓(スキル)として実行しなくても、同じ動きをすれば魔物を倒せたでしょ。索敵も考えながら繰り返しやってれば閃くと思う」


 実際剣術に関してはウソではない。天啓(スキル)として実行しなくても、同じ形で身体を動かせば敵は死ぬ。同じダメージを与えられる。


「あっちにゴブリンがいる。わかるか?」


 適当に歩いた先で示した。オレには鑑定があるから、すぐにわかる。


「そんなこと言われても…ん? なんかわかるかも」


「わたしはわかるです」


 はえーよ。


 エミリアのステータスを確認すると「気配察知Lv1」が増えていた。


 鑑定する。


【気配察知】

 魔物のいる方向がわかる。

 レベルが上がると距離、数、種類がわかるようになる。


 ということだ。


 これ、日常的に使うから、すぐにレベル上がるんだろうなぁ。


「じゃあ、今日はエイミーに索敵も任せる。オレたちは離れて付いて行くから、ヤバそうだったら逃げて来い」


「わかった」


 エイミーちゃんは真剣な顔でうなずいて、魔物の気配の方に走って行った。鑑定ではゴブリン5匹。まあ、いまのエイミーちゃんなら大丈夫だろ。


 その後、夕方までエイミーちゃんとは顔を合わせることはなかった。完全にソロで討伐に成功している。


 オレの鑑定ではソロ討伐数12匹。立派な数字だ。ちなみにダンジョンの場合、ゴブリン上位種は1階層では出てこないので、エイミーちゃんには安全である。


 ソロでゴブリン上位種相手だと、あとLv5欲しいところだ。


 この様子なら依頼完了でいいかな。ササラさんの意見を聞いて、その辺は判断してもらおう。


 いつも通りギルドで精算して宿の前まで来ると、エイミーちゃんがちょっともじもじしながら言った。


「一緒に晩ごはん食べてもいい?」


 宿の晩飯は宿泊客じゃない場合、銅貨10枚。今日のエイミーちゃんなら払えない額ではないし、そのくらいなら奢らないでもない。エイミーちゃんはがんばった。


「そっか。じゃあ、今日はお祝いにするか」


「お祝い?」


「エイミーちゃんがんばったお祝い」


 天啓(スキル)も得られたのだ。お祝いくらいしてもいい。


「そ、そっか。そだね」


「やったです! お祝いです!」


 エミリアがすごく喜んだ。


 ちょっと豪華な夕食後、部屋に戻るため、階段のところでエイミーちゃんに毛布を渡そうと思ったら。


「あのさ、あたしと、しない?」


「なにを?」


「え、エロいこと」


 ボソッとエイミーちゃん。お礼のつもりかな? オレは要らないが。


「無理しなくても…」


「あたしがしたいのっ! しばらくしてないから溜まってるのっ!」


 小声で怒鳴られた。アマネさんと同じ技を使うとはやりおる。


「た、たぶん君以外に頼んでも断られるから」


 わかってるなあ。地雷女だもんな。


 エミリアはニコニコしているだけだ。文句はないらしい。


「じゃあ、お祝いな」


「はいっ!」


 よろこんで返事をしたエイミーちゃんだったが、結界内でハッスルした結果、早々にダウンしてしまったので、毛布で包んでテントのシートを敷き、床に転がしておいた。


「れ、レックスと違うっ! 全然違うぅ!」


 と絶叫していたことだけは記憶に残っている。


「イソ様は優しくて上手ですからね」


 エミリアは気絶したエイミーちゃんに冷静にコメントしていた。


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