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6調教使役の魔法

更新遅くなってごめんなさい。

コウモリの額に触れ、調教使役の詠唱をする。

詠唱は普通の魔法には必要ないのだが、魂と深く関わる、“魔術”に近い魔法には必要らしいのだ。

「今より汝、我の下僕なり

生涯を我に費やし生きろ

我を魂に刻みつけ

如何なる時にも我に従え

汝に名を与える

我への忠誠を名に誓え」

あ、名前考えてなかった。

…テキトーで良いか。

「汝の名はコウ」

すうっと私の魔力がコウモリ改めコウの魂(?)に入っていったのが分かった。

…それにしても、詠唱って厨二病みたいだね。


『ご主人様!名を承りまして恐悦至極に存じます』

コウが目を覚ました。

心なしか魔力の質が私に似て変わっているように見える。

これも調教使役と関係あるのか?

にしても話し方が堅い。

まあどうでもいいけれど。

「コウ、最初の命令だ。…私を安全な場所へ連れて行け」

コウは翼を合わせればおそらく十メートル程ある。

しかも魔力というサポートもあるので私を乗せて運ぶことはできるだろう。

『了解致しました』


ふらっ。

ふらついた。

落ちたら死ぬ上空で。

「…コウ、重いの?」

『………』

私を乗せてコウは今森の木の上をゆっくりと飛んでいる。

一見安定しているように見えるが、コウの魔力が回復が追いつかず目減りしている。

『い、いえ!ご主人様が重いなど…!』

「うん分かった重いのね」

魔力を分けてやる。

調教使役の契約をしているとこんなことも出来る。

コウモリの薄い翼に幼児とはいえ私の体重は重すぎたみたいだ。


下を見る。

私が彷徨っていた森はかなり広いみたいで、視界の全てが緑色だ。

森の中で私よりも圧倒的に魔力の多いものたちが蠢いている。

あれらに遭遇する前にコウを使役できて良かった。

「強くならないと」

そう。

あの森の強者たちをも蹂躙できるぐらいに。

人間を殺せるように。


「ーー!コウ!避けて!!」

前方から物凄い勢いで魔力の塊が飛んでくる。

性質的に風の属性の魔法。

人間の魔力の形はしていない。

相手は魔物か。

『ワイバーンですね。空の支配者、龍の末端とも言われます』

コウが魔法をひらりと避ける。

「コウ、貴方よりも強いの?」

『……魔力の量も大きさも力も魔法の精度もワイバーンの方が上ですね』

なるほど。

視認できない遠距離から精密な魔法攻撃ができるのだ。

龍の末端は伊達ではないらしい。

「私の勝ち目は?」

『……無いに等しいかと』

「逃げ切れる?」

『……』

「そう、分かった」

相手との距離はおよそ5km。

相手の魔法の速度は秒速5km。

相手の大きさは約3m。

相手は成熟した大人のワイバーンのようだ。

相手の魔法属性は風、それと、ワイバーンの固有魔法として雷を操れる。

相手と私たちの魔力の差は、6:4。

そしてここは相手が得意とする上空。

相手は少しずつこちらに距離を詰めてきている。

かなり分が悪い。

でも勝たなければ死ぬ。

逃げ切れない。

「勝つよ、コウ」

ここまで読んでくれてありがとうございます。

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