たぶん僕の新しい仲間ですが?
街の国・トルトーナッツ。
いたって普通の街っぽく、いかにも異世界やゲームの始まりっぽい、中世の景色。周囲は自分の背の高さ(おおよそ168cmくらい)の柵が囲まれてあってビックリした。
「初めて見た?」
「まぁ、うん。」
「…やっぱり異世界転生とかそんなやつ?どっかで聞いたことあるって言うか、実際、そんなヒトと一人会ったことあるんだよね。」
「えっ、マジで?それは是非とも会ってみたいなぁ。」
「えっとそれがね、今向かっているのはうちの家なんだけど、そのヒトがいる。」
ほう、なんとも都合のいい話なんだ。それなら、最初にここに来たらしい人に教えてもらおうかな。いやー手間が省ける。たぶん。
それと………
「聡香さんの家?今から?」
「うん、そうd……なに照れてんの?なんでそんな顔を赤らめてるの?怖いんだけど。そんな要素ないでしょ今。」
「いやいやいや、女子の家よ?男子が入るのよ?ちょっと恥ずかしくなるのも当然じゃん。」
「え~?そうかな~?」
何なんだろう、解釈がちがう。こいつには恥ずかしさは無いのだろうか。
とかなんとか言ってるうち、周りの活気がすごい。
「良い肉入ったぞー!今なら安いよー!」
「回復アイテムの安売り!スピードアップのポーションもあるよー!」
「お兄ちゃーーん !どこ~!?」
「ちょっとそこ通して!危ないよーごめんねー。」
すごいな。商店街らしい掛け声もあれば、ファンタジーらしい要素もところどころ。街の国……なかなか恵まれてるんじゃないかなーと勝手に思ったり。
「活気がすごいね。いつもこんな感じ?」
「ん?まぁ、そうかもね。特に今は夕暮れ時だし。」
ふーん。夕方が賑やかなのはどこでも一緒なのかもね。
「あれ、聡香じゃねえか。んで隣にいるのは見たことねぇ顔だn……その剣、まさか……!」
「えへへ!炎使い拾ってきたかもー!」
拾ったって何や。僕は荷物かよ。
その言葉を周りの人の、耳に入ったらしく、周囲にはすごい人だかりができてしまった。
「炎使い!?ついに見つかったの!?」
「ほぉー、ちょっと自信なさげな顔してるがほんとかー?」
「え?あ、まぁ………はい。」
照れながらペコペコしてる自分がいた。
「ほーら、シャキっとしよっ!」
「ぐわっ!?」
そして聡香の叩く力が強すぎる……。
「……さーて、着いたわー。」
目の前の家。2階建ての一軒家で、まぁー、スタンダードな感じ。
「さてさて、遠慮なく入って。……いつまで顔を赤くしてんの?」
「……あーごめん。」
家の中央のドアから入り、「失礼します…」と、自信なさげに入り、
「おかえr……ん?誰だ?見ない顔だが。」
青と黒の服を着たいかにもクールな、僕と同じくらいの見た目の男性が。
「ただいまー拓也。実はねー、炎使い拾ってきたの!」
だから拾ってきたとは何だよ!
「お?ほんとか!?………自信なさげな雰囲気がするんだが。」
なんでみんな、同じこと言うの?
「そうそう、目の前のやつは宮古西拓也って言うの。氷使いよ。あ、ちなみに私は雷使い。」
「やつって言い方は何だ聡香。態度をもうちょっとしっかりしてくれ。」
この人の言葉に深い共感を得られる。もしやこいつと一緒に住んでるのか…?
「まぁ、炎使いか。よろしくな。……奥にもう一人いるから挨拶していこうか。…えーと、名前は?」
「あー、優太です。水沢南優太」
「おう。優太。よろしく。」
クールだなぁ。
さてと、奥にもう一人居ると聞いたが?聡香が言うもう一人の異世界転生者(?)なのかもしれない。
拓也に案内されて、向かった先はキッチン。木造なのでなかなか良いデザインだなって思った。
「彩奈、聡香が連れてきた優太だ。何でも、炎使いらしいぞ?」
「はいはーい。えっ、炎使いですか?……あら、いらっしゃい。」
女性だった。
紺色の髪に深い緑の制服(いやまじで制服なんだが)。いやなんと言うか、優しそうだなぁ。
「はじめまして。花巻東彩奈といいます。えーっと、あなたは?」
「あ、水沢南優太といいます。はじめまして。」
「はーい。あ、そういえば拓也さん、どこで見つけたの?」
「見つけたのは俺じゃない、聡香だ。そういや聞いてなかったなぁ。おーい、聡香ー!」
「はいはーい、どうしたのー?」
「優太さんって、どこで見つけたの?」
「どこって……平原の真ん中に落ちてきて、しばらく倒れてたわ。」
落ちてたんだ。あのまっ逆さまに落ちていく感覚に間違いはなかったようだ。
「落ちてきた……?ごめんなさい拓也さん聡香さん。一旦席を外してもらって良いですか?」
「「え?あーはいはい。」」
たまたま台詞がシンクロし、そのまま二人は去っていった。
「優太さん、もしかして、別の次元から来ました?」
僕と彩奈さん以外に誰もいないのに、わざわざヒソヒソ声で話を切り出してきた。
「た、たぶん…。もしかして、彩奈さんも同じことに?」
「まぁ、そうかもですね。急に床が崩れて、あの平原へ。聡香さんがいなかったらずっとさまよってたかもしれなかった。…聞くからにはやっぱり、あなたも異世界転生とかですか?」




