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27:開かずの○○ってワクワクしますが、今うちの押入れもそんな感じです。理由?本が床を侵食しまくって……

 夕ご飯までまだ時間がありそうだったので、もう本当に疑問は尽きないのだが、すての魔法について確認することにした。

 新工場のライン立ち上げと一緒やな、全体把握も大事やけどわかってる個々の事例はそれでほっとけるわけでもないからな。いずれ時間は決まってるんやし、できることはしていかんと何もかんも滞って後でえらい目見るのは自分らや。偉いさんは口で言うばっかりやし、まあでも社長とかお世話になってる人の期待には応えたいから頑張るわけで。無能な上司についてる若いのはほんま可愛そうやしな、とりあえずやってもたすてとれいかは何とかしたらんとな。良う考えたら、もしかしたらここ出なあかんかもしれへん。そんなん、どうなんや、責任取らなあかんのか。

 ……。後、鬼扱いって。ていうか餓鬼か……。なんかこのう被差別系のあれか。俺は近畿やから子供自分にそういう授業様受けたけど、こう、ちょっと面倒くさいなあ……。この村は普通に農業メインやし、親か先祖が非人とかそんなんで、そんで餓鬼か?それにしてもインフラはとにかく昔のまんまでも、家康とかおったとしたら、まだ江戸時代的な中で発展してたとしたら、都会はどうなってんねやろ。産業革命が有っても確かに東北とかは見捨てられたような状態で、戦後くらいまで身売りも普通やったような気がするし、それに比べたらマシなんか?外見の変化はどのくらいの人間にどのくらいの酷さと割合で起こってるんやろ。

 あれ!これってIFものですか!架空戦記的な!全然ちゃうけども!人が魔物化している架空年代記とかありえないんですけども!……海女さんが人魚化とか。飛脚がものすごく早いとか。そういや、昔の写真で弓の名手みたいなおっさんの左手が異様に長いのを見たことあるけど、そういうのがひどくなってるんやろか。いや、それは物理やから、もっと魔法的な変化やろな。

「とりあえず、れいかさんは火の魔法を練習しましょうか。もう少しスピー、早く発現できる方向で。」

 ただ、魔法の筆が一本しか無いからどうするかな。

「はい!集中する練習をしてみます。ですがまずすてに指導をお願いします。」

「そうやね。」

 筆をすてに渡す。

「なんかこういうのがほかにあればいいんやけどな。」

「かねかつら様は上方にいらしたことが有るんですか?」

「?ああ、そうやね。つい上方言葉が出てしまってるね。」

「そうですか、この頃来てくださる先生が上方の方なので、ちょっと言葉が似ていると思いました。」

 れいかはやっぱり話好きなんやな、ほっといたら延々ベシャリおるタイプや、嫌いやないけどな。そのてんすては控えめやな。……まあ、女の本性はよう分からんけどな。

「あの、かねかつら様。このお寺の蔵に、宝物が有ると聞いたことが有ります。」

「え?宝物ですか?」

 すてが木の蔵を手で指しながら言う。このタイミングもええね。実際仕事させたら有能そうや、幸は薄そうかもしれんけど、部下におったら嬉しいタイプやな。

「はい。」

 すてがれいかを見ながら頷きかける。

「そういえば……聞いたことが有ります。この寺の縁起で、えらい御坊様の大切にしていたものが入っているって、という話です。でも、あの蔵に入った人はいないんです。」

「開かずの蔵……!」

 ホラー系ですか!

「いえ、そもそも入るのを禁じられていると主様より聞きました。」

「そうなんです、近付いてもいけないとお父さんが言っていました。」

 なるほど。そういうお達しかなんか有ったと。それ以前にこの世界やと魔法的な結界+共同幻想的な祟的ななんか有っても不思議はないやん。おもろそうやね。

「名主様には、聞いてみたほうがいいかもしれませんね。」

「あの、すみません、私入った事があります。」

「ええーっ!本当に!」

「はい、何年かに一回くらい掃除とかしているようなことをおっしゃっていました。大事なものが多いので入ってはいけないけれど、入ることは出来ると思います。」

「いいなー、私も見てみたいなあ。」

「無闇に入るのは良くないです。なにか息苦しいし、次の日は頭が痛くなって寝て過ごしました。」

 これはまたパワースポット的な呪いの場所的な……。多分俺は大丈夫やろな。

「鍵は本堂にあります。迦楼羅像の足元に隠し箱が有って、その中に入っています。」

 どこの家政婦やねん!有能すぎるやろ!これは入れっていうことやろ!いや、やっぱりあかんやろ!

「じゃあ行きましょう!」

 れいかがすての手を引っ張り、本堂に走る。おいおい、止める間もあらへんやん!ああ、なんぼほど突っ込ませるねん!

 二人はすぐに鍵を持ってでてきた。

「いや、それはあかんような気がします。」

「予感ですか!」

「いえ、もっとこう社会的な意味でです。信頼を裏切るというような意味でです。」

「いえ!大丈夫です!かねかつら様は神様ですから!これもお導きです!アーー、…行きましょう!」

 何でこんなに興奮してるんだれいかは。こっちが冷静になるやん。引くやん。でも好奇心は起こるよねー。

 手を引かれるようにして木倉の正面に立つ。そもそも階段がない。侵入防止やろね。ねずみ返しっぽいものは付いているが、もはや記号化した何かに落ちぶれているわ。こんなん簡単に鼠やったら入るで。でも、確かに何か有るわ、よう見たら陽炎みたいに靄ってるわ、何やろ。

「中は暗いでしょうね。」

「はい。」

「これ、光子とか集めても光らんよな。」

 狐に聞いてみる。

「はいな。有象無象という感じですな。」

「でも火を出すと燃えそうやし、どうしよかな。……化学反応で、光だけ出すと言ってもなんか自分にできそうなのは熱いか放射能が出るか爆発するかしかなかそうやな……。」

「真空はできますし、電気を流すことも出来るので、短時間なら電球の真似事くらい出来るんやないですか?」

「フィラメントのタングステンが……ああ。竹か。エジソンか。面倒臭いなあ。」

「そうですな。ああ、あなた様なら魔力を込めるだけでその辺の石でも光るんとちゃいますやろか。」

「……なるほど。石英っぽい石ころでもあればええかも。」

 この狐まで関西弁伝染ってるやん。

 三人で地面をキョロキョロすると、すぐにれいかがこぶし大の白っぽい石を見つけた。狐も手伝えよ!

 微妙に高床で縁に当たる部分が1メートル近い高さなので、二人を持ち上げて扉の前に立つ。

「これ掃除のときは階段とか付くのかな?」

「はい。本堂の裏においてあります。」

 うむ。では開けてみよう。

 巨大な南京錠が3つ有る。なんかコツが要りそうやけど、するっとがちゃんとすぐ開く。

 これ引き戸やんね?それとも開き?あれ、動かへん。

「これは魔法がかかっておりますな。結界ですな。」

 あそう。まあほんなら後でお父さんに聞いてみるか。そうそう、一遍やってみたかってん。

「オープンセサミ!」

 バコン!ゴバン!ギギー。

 ……いやいやいや、何で開くねん、しかも英語やし、ちょっとオカシイですヨ。

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