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26:呪について

 お茶席については、まあ、わからないながらも進行して一通り終わったらしい。

 薄茶とか濃茶とか有ったような気がするがあまり濃くない苦すぎないお茶が一巡りした。

 はくせんこうか落雁かそんなのを食べた。甘い。

 やっぱり烏天狗はいて、おれは正座しているのにやつは胡座だった。女だろ、余計に正座じゃないのかよ!

 脚の構造上正座は無理なのかもしれんが。

 俺は軽く二人にしたことについて説明した。狐は少し離れたところで丸くなっている。役に立たない。

 村人全体が何らかの呪を受けている。そのために今のような姿になっている。解呪すると二人の娘のような姿になる。すてにも風呂敷を巻いているが、これはすごいね、本当に人間ぽいというか、人間だ。ゴブリンとは言わせない。

「この集落にはどのくらいの人がいますか?やろうと思えばすぐにでも解呪は可能です。」

「……。そうですか。ありがたいお話だとは思いますが、突然それはできないと思います。まずは収穫が終わり、徴税吏が年貢の見聞と徴収に来られた後でないと無理でしょう。それまではいずれにせよこのままでないと行けないと思います。」

「ああ、そうですね。しかし……この呪を受けた状態は、どうなのでしょうか。辛いことではないのでしょうか?」

『それは私が答えましょうな。この世界、いや国ではほとんどすべての人間がこの呪を受けており、表層が変化しています。つまり外見が変化を受けるほどのものなのでありますな。』

 あれ。なんか空気がおかしい。

『ちょっと詳細を皆が知るのはあまり良くないと思われたのでとりあえずあなた様だけに聞いてもらえるよう、時の流れを変えました。だからほぼ動くことはできないですな。それにいま意思疎通しているのは念話とでも言うべきもので、誰も聞こえないようになっています。』

『ああそう。先に言っといてくれればよかったのに。これ、俺達が加速しているってこと?』

『そうですな。』

 ものすごく呼吸がしづらいが、口頭でしゃべってるわけではないので意思疎通に問題はないようだった。

『それから、後から説明があるかもしれないがここの村人は皆、鬼扱いなのです。』

『鬼!そうか、ゴブリンは子鬼という感じだしな。だから俺はそういう印象を得たのか。』

『そうですな。実際にこの者達はショウガと呼ばれておりますな。これに鬼を付けてショウガキ、つまり小餓鬼なのですな。』

『……なんとまあ。』

『あなた様がオーガと呼ばれたのも、ここからかなり南の方の深山に大垣という一族がおりましてな。それはその名通りで、大餓鬼、だからですな。高次元意識体がそのまま人間の姿では怪しまれるからという理由であなた様の姿を少し修正されたのでありますな。実際よく似ておりますからな。』

『そもそも、何で全員が呪を受けているんだ?海外もか?ものすごい魔力がいるのではないかな。』

『この世界の住人は皆薄いなりに4つの力を操る素質を持っているのですな。つまり周囲を変化させる力ですな。これが住人分のものとして太古からの偏見や無知や思い込みによって、自身を含む全ての人間を変化させる原動力となっているのですな。特に日本は同調圧力が強く、非常にわかりやすい変化をしているのですな。』

『へ?つまり自分たちでも縛り合っているということ?』

『そのとおりですな。』

『望んでなっているわけではないよな?』

『そこは微妙なところでしょうな。改めてお話しますが、高次元意識体としましては、あなた様がどう動かれようとかまわないと思っております。ただ、お願いしたいのは、この世界全体の滅亡回避だけですな。そこに至る道は長く、そもそもこの国では有りませぬ。この国の国体や在り方については全くあなた様のお好きなされば良いと考えておられますな。此処から先はあなた様におまかせいたします。ちょっとつかれるのでこの魔法を切りますな。』

「……私達にとって、この状態は決して悪いことではないのです。それだけお含み置きいただけますか。」

「…はい。わかりました。」

 まあ、そういうなら。また色々考えなくちゃならんな。目的がはっきりしたのはいいことだしな。はっきりしたとは言え、漠然とした大目標だけどな。

「もう間もなく夕餉の時間となります。また運ばせますので、どうぞごゆるりとお過ごしください。」

「わかりました。」

「……かねかつら殿。よければ少し話をしたいんじゃが……。」

「そうですね。私もしたく思っております。明日の朝、もう一度お越しいただけますか。」

「あいわかった。かたじけない。」


 皆が帰った後、庫裏で二人に尋ねる。

「その、風呂というのはないかな、この村に。」

「あります。」

「ありますけど、今は河童の娘が使っているから使えませんよ。借りてきますか?」

 そうか、風呂と言っても行水程度なんやな。で、今は使えないと。

「桶にお湯を入れて寝る前にお持ちしますよ。」

「私達で体を拭かせていただきます。」

「いやいや、桶と布さえあれば、お湯は多分大丈夫だから……。」

 れいかって積極性に更に磨きがかかってへんか?

 なんか露骨にがっかりしているぞ……。

修正201707231635 滅亡な → 滅亡回避

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