21:……。(量子力学とか難しいです)
落ち着いてまずは着物を着ようか。
すてがさっと着物を纏わせる。グッジョブ!思わずサムズアップすると顔を赤くしてにっこりされた。
いやもしかしなくてもこれは日本ではアレのハンドサイン……注意しなくては……すごく誤解されたような気がする……。
ちょっと尿意を催すが、このまま厠に行ってはなんか誤解が強化されそうで我慢する。
「あー。解呪って何?どいうことでしょう?」
「とても長い話になるから端折りますな。かねかつら様の会った村人は全て呪いに縛られています。それを元に戻したということですな。呪いの意味や方法などはねものが…後ほどお話しましょう。」
寝物語とか!もふもふと寝物語は悪くはないが、ちょっと違うやろ、もっとこう大人の話やろ。
「わかった。とりあえずれいかさんはちゃんと着物着て。ちょっと落ち着こう。それからお父さんに話したほうがいいよね。俺も行ったほうがいいのか来てもらったほうがいいのか。来てもらおうか。それから後で用心棒六人衆にも会わんといかんよな。これは都合で明日かな。もう少し時間の猶予は有るんやろ。」
せやせやToDoリストも作らんと。なんかメモ帳がほしいなあ。携帯できる筆とかなんか無いんかなあ。
二人は庫裏へ向かい、着替えた後、すてだけお父さんを呼んでくることにする。
俺はその間に狐さんとお話タイム。
「チェックリスト 1:魔力とは?」
「そのためには世界の成り立ちから入ります。簡単に流しますがな。」
「いわゆるパラレルワールドっすか。」
「はい。我々では理解不能な高次意識体であるところの創造主が創造したと思いますが、もしかしたら元からあったのかもしれません。とにかく経時的には、まあ、ビッグバンとしますがそれからこっちほぼ同じ展開で宇宙=世界は生成存続していますな。」
「……それで、その世界はどのくらい有るの?」
「無限に近い有限個らしいですが私には理解できませんな。」
この、理解できない表現が多いのは、多分俺が理解不能だからだろうな。狐さんのほうが知識レベルは明らかに上っぽいし。ある時期相対性理論や量子力学や宇宙論やそういうものに熱中したことは有るが、もっと勉強しておけばよかったか?でも理解がおっつかなかったろうな。そもそもそれで挫折と言うか、そこからフィジカルに興味が移っていったしな。
「この世界はおよそ数千年前に高次意識体によって特徴付けられましてな。なぜそうしたか、他にあるかは知りませんが。ただ、かねかつら様の元の世界とほとんど歴史は同じですな。厩戸皇子とか安倍晴明とか織田豊臣徳川とか皆実在ですな。違いは黒船も来航せず未だに江戸時代が続いているという認識でよろしいかと。ただ、それなりに江戸文化や上方文化は発達していますがな。」
「えっ!そうなん!」
「巻きますが、そうです、詳細は色々見聞すると良いでしょう。それで、特徴付けというのが、魔法ですな。これは字を魔法陣的な媒体とした4つの力を行使する能力を全ての人間に与えるという遺伝子及び魂レベルでの修正ですな。」
絶句、四つの力って、根本やん。ナニコレ宇宙創造でもするの人間が。
「与えられた力は極々薄く、あなた様のようには行きませぬな。ただ、やり方を理解すると、普通の人間でも多少は何かできるのです。」
「ああ、あ、そう。そりゃそうやな、強すぎたらそれこそ新○界よりやん、恐いやん。」
「それに近いことは有りましたけどな。でもあそこまで強い力やグラビトンをきれいに制御できるのはあなた様しかいませんけどな。」
そうなんや!って、サラッとすごいこと言いすぎや、今の一文で飯三杯食えるわ!グラビトンて!んなあれかフォトンとかクォークとかを操れる能力っちゅう事か?それが魔法なんか?でそれをすごく操れると!びっくりやな、物理と魔法の宝石箱や!何や何ゆうてんねん俺!
「とりあえずかねかつら様の肉体は色々えらいことになっていて、普通の人が身近にいるだけでかなりの影響を及ぼしますな。近所にいるだけで不老不死になれる可能性も微レ存。」
……。
「だから、あなた様自身、既に神様ですな。前世でも今世界でも。神様が嫌なら仙人とか、そういう感じですかな。」
……。
「この勢いでさらっと世界情勢を述べますと、アメリカは結局前世の形では存在していませんな。ほらネイティブってそういうの得意そうでしょ。オーストラリアも同じですな。中国は漢民族とモンゴル民族がそれぞれ大帝国を築いて今のところ安定しておりますな。インドも全体的には非常に前世の世界と似ておりますな。アフリカはバラバラですが強力な国家群が存在していて血みどろですな。ヨーロッパは血で血を洗っておりますがそれがまとまってきていて、超やばいことになりそうでな。それによる世界=宇宙の滅亡まで見えておる情勢ですな。それはちょっとできれば避けたいというのが高次元意識体の珍しい欲望というかゆらぎで、でかねかつら様がここに居るというわけですな。」
……。……。
「ああ、やっぱり許容量をオーバーいたしましたな。ちょっと調子に乗りすぎましたな。ちょっと時間を戻しますな。これはけっこう大変なのであまりしたくなかったのですが仕方ありませんな。やはりお目付けというのはなかなか難しいものですな。」
……。……。




