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20:チェックリストっていつまでたっても項目そのものが消しにくいんですよ。だからToDoリストのほうが実務上は大事だと思います。

 チェックリストを書き終わり、首をグキグキ回しているとすぐ後ろにすてとれいか嬢が座っていた。

 ちょうどいいや。

 半紙に箇条書きにした内容を見直す。勿論縦書きだ。あまり汚い字でもないはずだが、最初の方はバランスがおかしい。いや、墨で字を書くなんてほんま、25年振りくらいちゃうのん?


 一、魔力について。一般的にどう思われているのか。

 二、本世界の歴史・時代に関する認識、暦

 三、本村の地理的な位置関係、村の名称

 四、律法の存在と詳細と運用の方法

 五、言葉・言語と教育の実態、教科書の存在

 六、倫理、社会的規範

 七、時間の認識と感覚

 八、種族・人種・眷属呼称の実態と扱い

 九、金銭の詳細、商売と税

 十、身分、戸籍等

 十一、冒険者の件

 十二、洞窟と山に関する認識

 十三、生活全般

 十四、家族・家庭の認識

 十五、宗教観・仏教と他

 十六、敵の詳細 外観・居住地の地理・略奪方法等

 十七、自らの現状把握

 十八、狐と神様・高次元


 狐さんは眠っているようで、とりあえず二人にインタビューしてみるか。

「二人ともこちらに座ってください。」

「「はい。」」

 素直だねいい娘だね。おじさんそれだけで涙がでるよ。あれ?なんかステの頭がグレーと言うか黒っぽい。

「すてさん、頭が黒っぽくなってるね。」

「はい。なんだかチクチクして痒いのですが、我慢しています。」

 Oh……髪の毛が生えてきている。よく見ると爪とかすごくきれいな感じだ。これって、人間化してるのか?こちらを見る目が潤んでいる……ように見えるが、どうなのだろうか。思いのたけを聞かずばなるまいか。

「すてさんには正直なところ、どう対応すればよいのかわからなくてすまない。今の姿についてどう思う?」

「本当に心の底からうれしいです。」

「気分とか感じ方は?」

「気分はとてもいいです。心の重みがなくなってしまったようです。五感が大きく変わりました。目が良くなりました。いろいろな色が見えるようになりました。耳は悪くなったのか良くなったのかわかりません。鼻は悪くなったというか遠くの匂いがわからなくなりました。味覚についてとても敏感になりました。肌もそうで、でもどういう感じなのか説明が難しいです。」

 ほほう。もしかして4色型色覚?に目覚めた?

 それ以外は、言葉は悪いが動物→人間みたいな変化に感じるなあ。

「れいかさん。」

「はい。」

「すてさんの変化について、どう思う?」

「とてもうらやましいです。私もそうなりたいです。」

 なぜかこちらも嬉しそうだ。

「他の人にとってもこの変化は喜ばしいことなのかな?」

「多分、そうです。この村の人はだれも本当には見たことがないと思ういますが、お父さんが稀によくあると言っていました。」

 稀によくあるってゴブ父さんあんた……。

「皆、そうなりたいのか?」

「そうだと思います。」

「れいかさんもなりたい?」

「もちろんです!!っすみません、大きな声を……。」

 顔が赤い、すまんかった。

 やっぱり狐さんに相談してからがいいのかな。でもしたほうが良いと思われることで自分の負担が少ないことについてやらないのは気持ち悪いんよね、昔っから。まあ自分ごとは面倒臭くなったら放り投げるけど皆にやりだしたらキリがないのはわかる。だから元々募金はしないと決めて、肉体的なボランティアを身近な人に時間的に可能な場合という縛りを付けてやってきていたんよね。ただ、身近な人というのは基本的に「昔から」「よく知っている」人にのみ行使していたから、この村全員とか、ちょっとどうかなあ、と思ってしまう。

「かねかつら様の思うままで良いですな。」

 狐がしたり顔でこちらを見ている。笑っているようにも見える。やっぱりあれか神様基準で以心伝心か。すけべえな妄想とかも伝わるんか、リアル獣に情欲は全くわかないが、と言うかこの世界の今まで見たもの全てに性欲は全く湧いていないがそういうことまでわかってしまうのか。

「ちょっと引いてますね。表情で分かる程度にはかねかつら様の情報を十分に入手しておりますが基本的に私ではかねかつら様の心を読むことはできませんからな。神様ではありませんから?有機人形ですからな?そも。そも仮初めの人格ですしな。」

 ああ、驚いたというかびびったというか、とりあえず良かったよ。会話が専門なのな。

「この行為に意味はあるのだろうか。そもそも、して良いことなのか。生命的な意味、社会的な意味意義?他諸々の影響を考慮した上でどうなんだろうか?」

「歴史とか色々まとめて影響は大きいですな。そもそもそのために呼ばれたようなものですしな。」

「そうきたか。ああ、これってしばらく動けなくなるとかあるのかな。」

「大丈夫ですな。何百人やっても、問題ないです。」

「詳細は、教えてくれるよな、後でええけど。」

「はいな。後ほど。」

「じゃあ、れいかさん、真名の字教えてくれる?すてと同じことをしようと思う。」

「……!!!」

 フリーズした。……ものすごくゆっくり動いてはいるようだ……いつのwind○wsやねん!

「すてさんは、かまわないか?他の人にこれを行っても。」

「もちろんです。特にれいか様はとても大事な人ですから。」

 嬉しそうな顔を見る限り、こちらは大丈夫なのだろう。れいかさんはまだ動きがおかしいから、この行為について名称でも考えよう。「人間化」はそのままだが、なんか馬鹿にしているようだし、そもそもこのゴブリンたちだって自分でゴブリンと名乗っているわけではない、俺が見た目で勝手に呼んでるだけだ、よく考えるとめっちゃ失礼やな、正直スマンカッタ。「ヒューマナイズ」まあアメリカさんの威を借りてかっこよいと思える人に媚びただけやな。俺もかっこいいとは思うし分かり易いが、この世界的にどうなのだろうな。

「……こここのおふふでをおをおお……」

「はい、ゆっくりね。間違わずに書いてね。」

『お筆も、紙も、ありませんよ』というオツベルと象の一節を思い出す。赤衣の童子か……。おれはお月さんが好きにはなれんかった。今は少しわかる、リソースの問題だろうから。

 すては正座してじっとしているのだが、心の中で励ましているのがものすごくわかる。膝の上の手指が、僅かにだが絶えずわきわきしているのだ。そうこうするうち、れいかは震える手をなんとか制御して書き終わった。なんとか判別できた。想像とだいぶ違うなあ。

 冷火

 字は簡単だが、準備はしないとな。

「すてさん、ちょっと大きめの着物ときれいな風呂敷を幾つか、後布団てあるの?」

「布団は庫裏に偉い人用のものが有ったと思います。着物を急いで取ってまいります。」

 れいか嬢は震えも治まって、俯いてじっとしている。いや、何か板の間を這う小虫を指で弾いている。虫なんか無視しろよ……狐と目が合う。いややっぱりこいつエスパーじゃね?

 すてが本堂の隅にひいた(敷いた)布団れいか状を寝かせ、着物を上からかぶせて今着ているものを脱がせた。すてよりもっと大きくなりそうだしなあ。

「いいかい。」

 れいか嬢は目を見開いて頷く。これで美じ)orz

 改めて「冷火」の字を俺が半紙に書いたものを着物の上に置く。他に方法が有るような気はして仕方ないが、すてのときに近い方法を取る。魔法の筆を取り出す。魔力を込めると石が光る。気合を入れてなぞる。

 冷火。光る。眩しすぎて思わず目を瞑る。

 はいよくできました。大きくなってますよ。身長が。胸が。

 おぅふっ着物越しでもわかるんだね、巨乳てやつは。

 しっかり瞑られていた目が開かれる。手が出る。両手を矯めつ眇めつ見ている。大きくなってますよ。目が。ナニコレ。より普通の人間に見える。ハゲだけど。毛がないけど。もちろん美人には全く見えないが、ふとあさ○よしと○先生のアステ○イド・○イナーズという漫画を思い出す。……まさかね。すてまで、とか、まさかね。

 ふいにガバッとれいか嬢が起き上がる。慌てて顔を背ける。いやいや。見たけれど!桜色だったけれど!でもやっぱり子供だし!大きいけど!

 そこには狐さんがいてやっぱり目が合った。目がすごく細い。口角が上がっているようだ。

 全裸の白いものがバサリと布団を避けて板の間直にペッタリと額と掌を付けて土下座スタイル。

「あああありがとうごおおざいました。」

「ああ。うん。いや。礼を言われるほどのことでもないような。」

 狐さんを見ると、猫のように手で顔を洗っている。

「これでよかったんですかね。」

「「はい!」」

「そうですな。ようやく解呪されましたな。」

 えーっ解呪って、ゴジラとか、それは海獣ってイルカやん!てちゃうやん、呪いなんこれ!ものすごい物理的に変化したんですけど!京○堂も真っ青やん!

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