第十四章 戻る
さらに3か月後。
最初の課題は、初期段階では人間が細かく指定していた再接続だった。
銀色のM-cellの集合を二つに分ける。
今度は再びつながる場所を外部から指示しない。
「切断」
レーザーが走った。
二つの群が離れた。
数秒、動かない。
その後、両側の端から複数の細い枝が伸びた。
一番近い場所だけではない。
温度が安定し、障害物が少なく、再接続後の応力が偏らない経路を探している。
「前より遠回りしてる」
《再接続後の安定性を含めて評価しています》
一本の枝が相手へ届く。
すぐには接続しない。
周囲の枝が別方向から触れ、三点がそろってから接続が始まった。
「確認してから戻った?」
《その解釈が近いです》
接続が広がり、二つの群は一つになった。
「戻ったね」
《はい》
晶は記録画面を見た。
「指示したのは、再接続できる状態を維持することまで。どこを探すかも、どこでつなぐかも決めてない」
《M-cell群が選択しました》
「人工金属生物が、自分で選択しました、って記録する?」
《研究記録では「M-cell群が選択した」が適切です》
「そうだね」
まだ、研究記録では「意志」とは書かなかった。
ただ、行動の細部はもう人間もAIも指定する必要がなく、人工金属生物自身が選択できるようになっていた。
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