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強制異世界転移!! ~世界を繋ぐ指輪~  作者: 生家事


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気づかれた

女のときだけ人生がうまくいく件 〜拾った指輪でTSした俺の二重生活〜

https://ncode.syosetu.com/n4835ly/

皆さんこちらの作品も投稿はじめました。!!よかったらこちらもお願いします!!!

私は、ゴミ置き場の前で立ち尽くしていた。


(……そういえば毎回、会ってる)


なのに、昨日までは気づかなかった。いや、気づけなかった。


(……これが彼女の能力か?)


背筋が冷える。視線を落とすと、ゴミ袋を持つ手がわずかに震えていた。


(……気づかせないようにしてる?)


思考が、ゆっくりと形を成す。


(存在そのものに違和感を持たせない)

(記憶に引っかからないようにする)

(だから――何度会っても、“初対面になる”)


喉が渇く。うまく言葉にできない。

でも、本能が理解していた。


(……普通じゃない)


ただ周囲に溶け込んでいる、というレベルじゃない。もっと奥のほうに、触れてくる。認識。記憶。触れちゃいけない部分に。


(……ヤバいな)


思わず心の中で呟く。


あの女は、ただこの世界に適応しているわけじゃない。

周囲の“感じ方”そのものを、歪めている。

だから――誰も、疑わない。

誰も、覚えない。誰も、“気づかない”。


(……でも)


そこで、ふと気づく。


(……なんで、俺は気づいた?)


その瞬間、ぞくりと背後に気配を感じる。


「――あの」


声。振り向くと、そこにはいつものようにベビーカーを押した、あの母親が立っていた。


「朝早いですね」


初めて会ったかのような、柔らかい笑顔。

だが、今の私にはわかる。


(……こいつ、本当に初対面のつもりなのか?)

(それとも――)


心臓が、強く鳴る。


(……気づいてて、“こうしてる”?)


一瞬、迷う。逃げるか、それとも――


「……毎週、会ってますよね」


口が、勝手に動いていた。


言った瞬間、しまったと思う。空気がわずかに止まる。本当に、一瞬だけ。


エレナの動きが止まった。まばたきが消える。笑顔も消える――無表情。


いや、違う。“空白”。何もない。感情が抜け落ちたような顔。ぞくりと背筋が凍る。


次の瞬間。


「……え?」


首をかしげ、いつもの柔らかい表情に戻る。


「初めてお会いしましたよ?」


何もなかったかのように微笑む。

だが、今、確かに見た。


(……今の、なんだ)


あれは演技じゃない。取り繕った顔でもない。もっと――内側、本来の“何か”。


「すみません、人違いでした」


とっさにそう返す。それが正解だと本能が告げていた。

これ以上、踏み込むな。関わるな。――危険だ、と。


「そうなんですね」


エレナは、くすりと笑う。何も知らない母親の顔。ベビーカーをゆっくり押していく。


その背中を、目で追う。


(……今の一瞬、気づいたのは、あっちも同じか?)


喉がひどく乾いていた。――関わってはいけない。

そう理解しているのに、視線が離れない。

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