転移者との遭遇
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スーパーの中は、いつもより少しだけ騒がしかった。土曜の昼前。人も多い。
カートの音。レジの電子音。どこかで流れる店内BGM。
その中で――
「試食やってるわよ」
母が指差した。精肉コーナーの一角。小さなホットプレートの上で、細かく切られたハンバーグがじゅうじゅうと音を立てている。横にはポップ。「3個入り 250円」。
……安い。
でも、妙に余っている。皿の上には、まだたくさん残っていた。
「ほら」
母が爪楊枝を取る。
次の瞬間。
――ぶす、ぶす、ぶす、ぶす。
一気に4個刺した。
(えっ?????)
「はい」
そのまま、私の口に突っ込んできた。
「んぐっ!?」
熱い。多い。急すぎっ。
もぐもぐもぐ。
「……んん、うん。けっこう、おいしいよ」
母は腕を組む。
「そう?」
少し考える顔。そして――
「じゃあ、もう一回いきましょう」
いや、早い。
気づけばまた試食コーナーへ戻っていた。
2回目。
「はい」
また4個。
3回目。
「はい」
4回目。
「……ちょ、待って」
「ほら、遠慮しない」
遠慮してる。
口の中がハンバーグでいっぱいになる。肉汁、ソース、そして地味に重い。
(……これ、昼ごはんいらないやつだ)
さすがにお腹が膨れてきた頃。
その親子は現れた。
――最初に気づいたのは、私だった。
人の流れの向こう。
ベビーカーを押した女性が、ゆっくりとこちらへ近づいてくる。
中には、小さな赤ちゃんが静かに眠っていた。
そして、左手。
何の装飾もない、ただの指輪。
だが――分かる。
瞬間、頭の中にあの声。
『他の転送リングを検知しました』
心臓が、どくんと鳴る。
(……やっぱり)
女性の顔立ち。日本人じゃない。白い肌、整った鼻筋、どこか欧米風。
でも――それだけじゃない。
“違う”。
この世界の人間じゃない。そんな感覚。
女性は周囲を警戒するように、ゆっくり視線を動かしていた。
まるで、何かを探しているように。
思考が止まる。
転移者。
いや――
(親子……?)
その瞬間、女性の視線がこちらに向いた。
完全に目が合う。
逸らせない。
時間が止まったような感覚。
レジの音も、人の声も、遠くなる。
女性の目が、わずかに細まる。
そして――ほんの少しだけ、口元が動いた。
笑った。
ぞくり、と背筋が冷える。
次の瞬間。
「ほら、あんた」
母の声。
現実に引き戻される。
「口、ソースついてるわよ」
「……あ」
振り向く。ティッシュを差し出されそれを受け取り拭く。
ほんの一瞬、目を離した。
――もう一度、見る。
親子の姿はなかった。
「……え?」
思わず声が出る。周囲を見る。
ベビーカーも、女性も、赤ちゃんも、いない。
消えた。
まるで最初からいなかったみたいに。
「どうしたの?」
母は不思議そうにしている。
「……いや」
言えない。言っても、伝わらない。
左手の指輪に触れる。冷たい。
そして――確かに、さっきの声は現実だった。
(……いる)
(この世界にも)
(他の転移者が)
胸の奥が、静かにざわつく。
さっきまでの、ただの買い物が――もう。
ただの日常じゃなくなっていた。
ユウ「ハンバーグ食べ過ぎて お昼ご飯いらなそうなんだけど」
母 「そう?向こうにミカンの試食もあるわよ!!」
ユウ「次はデザートだ!!!行くぞ!!!」
ーーーータイムセール!!ーーーーー
???「!?」
???「フフフ、お惣菜が30円も安くなってるわね....」
???「行きましょう!ルシアン様」
赤さん[あい!]
主婦たちの戦争が今始まる




