カバンの中身
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私はカバンを床に置き、ずっしりとした重さを感じた。
(……どんなものが入っているんだろう)
小さく息をつき、ふと気づく。
「そういえば、指輪に【観察】したことなかったな……」
左手の指輪にそっと触れる。
ひんやりとした金属の感触が指先に伝わる。
――瞬間、指輪が淡く光った。
視界に、透明な文字が浮かび上がる。
【指輪情報】
充電状況:残り7日
次回発動可能:7日後
効果範囲:単独転移
備考:なし
「……充電完了まで、一週間か」
光はまだ微かに残り、まるで私の意思を待っているかのように瞬く。
【観察】
対象:指輪
状態:待機中(残り充電7日)
効果:次回転移準備完了時、対象を安全に移動可能
危険度:中
私は小さく拳を握る。
「……一週間、待つしかない」
そう思いながら、再びカバンへ視線を落とす。
指輪で情報を見たあとだと、中身の価値が妙に現実味を帯びて見えた。
小さく息をつき、【観察】を発動する。
【観察】
対象:カバン
重さ:重
内容:旅用の衣服、防具、回復・薬品類、道具、硬貨
危険度:低
私はゆっくりカバンを開け、中身を一つずつ確認していく。
【観察】
対象:小瓶に入った液体
効果:体力や状態を回復できる
危険度:低
【観察】
対象:旅用の衣服
効果:移動や戦闘に適した装備
危険度:低
【観察】
対象:軽装防具
効果:身を守ることができる
危険度:低
【観察】
対象:万能薬(2本)
効果:けがや病気をある程度治せる
危険度:低
【観察】
対象:回復薬(3本)
効果:傷を癒す
危険度:低
【観察】
対象:手書きの地図
効果:移動や探索の参考になる
危険度:低
【観察】
対象:麻痺毒付きの短剣(使用書付き)
効果:ナイフの先から周囲に麻痺毒を噴射できる
危険度:中
私は短剣を軽く持ち上げ、使用書を読みながら眉をひそめる。
「……ロイドさん、こんな物騒なものプレゼントするなよ」
さらにカバンの奥から、いくつかの硬貨が見つかる。
【観察】
対象:硬貨
数量:数枚
効果:通貨として使用可能
危険度:低
ふと、自分のカバンの底を思い出す。
野良ダンジョンで手に入れた、赤いポーションのようなものだ。
取り出して【鑑定】を行う。
【鑑定】
対象:赤いポーション
効果:体力を少しずつ回復する
危険度:低
「お、これも使えるな……」
もう一つのカバン――ロイドの家族宛の荷物。
好奇心は湧くが、手を出すわけにはいかない。
封印されたまま、そっと隅に置いた。
私は赤いポーションを軽く振る。
(カバンの中身は、ひと通り確認できたな……)
だが、心の中には迷いがあった。
(リリィの世界に……先に行くべきか?)
指輪の光を見るたび、リリィの笑顔と「またね」がよみがえる。
胸の奥で、静かに燃えるように。
だが――ロイドの依頼も頭をよぎる。
あのカバンには、家族へ届ける荷物が入っている。
放置するわけにはいかない。
私はため息をつき、指輪を握る。
「……リリィには、また会える」
少し間を置いて、続けた。
「でも今は、ロイドさんの荷物を届ける方が先か」
頭の中で、二つの道がぶつかる。
ひとつは、リリィの世界へ向かう道。
もうひとつは、ロイドの依頼を果たす道。
【観察】
対象:指輪
状態:待機中(残り充電7日)
効果:次回転移準備完了時、対象を安全に移動可能
危険度:中
私は光る文字を見つめ、ゆっくりとうなずいた。
「……リリィは、待ってくれるはずだ」
肩の力が、少し抜ける。
「まずは、ロイドさんの依頼を終わらせる」
カバンを肩に掛け、部屋を見渡す。
指輪の光が微かに揺れ、決意に応えるように瞬いた。
(あとは一週間、この部屋で準備を整えて……)
深く息を吸い、扉に手をかける。
窓から差し込む午後の光が、床に影を落としていた。
「目指すは……ロイドさんの世界、だ」
私は小さく拳を握り、歩き出す。
次に指輪が光るその瞬間まで――
準備を整え、責務を果たすための静かな時間。
そして、新たな一歩が静かに始まろうとしていた。
ユウ「思ったより物騒なものはいってるんだがどれぐらい危険な世界なんだよ」
ロイド「そういえば説明してなかったな、、、」




