帰還の準備
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私は手の中のそれを見る。
古い紙の手紙。
そして、少し重そうなカバンが二つ。
ロイドは静かに言った。
手紙だ。……俺の家族に、この手紙を届けてほしい
私は一瞬、言葉を失った。
ロイドの家族。
つまり――ロイドがいた世界の家族。
私はゆっくり聞いた。
「……俺が、その世界に行ったときに?」
ロイドはうなずいた。
「ああ」
短い返事だった。
だがその声には、強い思いがこもっていた。
私は手紙を見つめる。
「ロイドさん、その世界に行けるかは……」
ロイドは私の言葉を遮った。
「分かってる。確実じゃない。だが――」
ロイドはゆっくり椅子に腰を下ろす。
「お前は行く」
私は驚く。
「え?」
ロイドは私を見る。
その目は、妙に確信していた。
「お前は、いろんな世界を回る。そういう顔をしている」
私は苦笑する。
「顔で分かるものですか?」
ロイドは鼻を鳴らした。
「長く生きてるとな」
そして手紙を軽く叩く。
「もし、その世界に行ったら、これを渡してくれ」
私はうなずいた。
「……分かりました」
カバンを見る。
「このカバンは?」
ロイドは言った。
「一つは、俺の家族に渡す荷物だ。もう一つは――」
少しだけ間を置く。
「お前にやる」
私は目を丸くした。
「俺に?」
ロイドはうなずく。
「中に少し道具を入れてある。俺のいた世界に行くなら、持ってた方がいい」
私はカバンを持ち上げる。
思ったよりしっかりしている。
革製の丈夫な作りだった。
「……いいんですか?」
ロイドは肩をすくめた。
「どうせ俺はもう使わん」
そして少しだけ笑った。
「それに、お前は、またここに来る」
私はカバンを背負う。
「そのつもりです」
ロイドはうなずく。
そしてリリィを見る。
「お前さん」
リリィがぴしっと姿勢を正す。
「はい」
ロイドは言った。
「ユウを頼むぞ」
リリィは目をぱちぱちさせた。
「え?」
私は苦笑する。
「普通逆じゃないんですか?」
ロイドは真顔で言った。
「こいつは、放っておくと無茶する顔だ」
私は思わず笑った。
リリィもくすっと笑う。
そして元気よく言った。
「うん! りりぃがみてる!」
ロイドは満足そうにうなずいた。
少しの沈黙。
倉庫の中は静かだった。
私は手紙をしまう。
「……必ず渡します」
ロイドは言った。
「ああ。頼んだ」
私は扉の方へ向かう。
そのとき、ロイドが最後に言った。
「ユウ」
私は振り返る。
ロイドは腕を組んだまま言った。
「必ず生きて帰ってこい。それだけだ」
私は少し笑った。
「大丈夫です。必ず帰ってきますから」
そして扉を開ける。
外には朝の光が広がっていた。
私はリリィを見る。
「……行くか」
リリィはうなずく。
「うん」
指輪の帰還機能。
充電はもう――完了している。
私は深く息を吸った。
そして、左手の指輪をゆっくり握った。
どうやって新規の方たちに定着できるようにすればいいのだろうか、、、




