依頼達成の報告
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そして私たちは、ギルドへ戻るため歩き出した。
町は夕方の色に染まり始めていた。
商人たちが店を片付け、酒場からは笑い声が聞こえてくる。
ギルドの大きな扉を押して中に入ると、いつもの賑やかな空気が広がった。
依頼を探している新人冒険者、報告を終えて酒を飲んでいる連中、受付にはいくつかの列ができていた。
私はその様子を見ながら歩いていく。
すると――
「ユウ!」
声が飛んできた。
顔を上げると、受付の奥から手を振っている人物がいた。
アイルだ。
「ちょっとこっちに来てちょうだい!」
私は少し驚く。
「え?」
今日は直接呼ばれた。
リリィと一緒にそちらへ向かう。
アイルの受付は、ギルドの端のほうにある。
他の受付は冒険者が並んでいるのに、そこだけは不思議なくらい空いていた。
というより――いつも誰も並んでいない。
リリィが小声で言った。
「ここ、ひといないね」
私は苦笑する。
「まあ……そうだな」
受付台の向こうで、アイルは腕を組んでいた。
小さな体、アヒルの獣人で、ほとんどリアルサイズだ。
机の高さが少し高すぎるのか、椅子の上に立ってこちらを見ている。
「ほら、早く来なさいよ」
「依頼の報告でしょ?」
私は受付の前に立った。
「荷物の運搬、完了しました」
アイルは書類を受け取り、目を通す。
「ふーん……ロイドのところの依頼ね」
書類に印を押す。
「はい、これで完了」
私はうなずく。
「ありがとうございます」
アイルは書類を片付けながら、ちらっとリリィを見る。
少しだけ表情が変わった。
「……ユウ、ちょっといい?」
私は首をかしげる。
「なんです?」
アイルは声を少し落とす。
「リリィのことなんだけど」
私は一瞬だけ体が固くなる。
アイルは申し訳なさそうに言った。
「ここ数日ね、町の記録を調べてみたの。迷子の届けとか、家族からの捜索依頼とか……でも、まったく出てないみたいで」
リリィはきょとんとしている。
アイルは小さく息を吐いた。
「ごめんね、何の情報も見つけられなくて……」
胸の奥が少し痛んだ。
当然だ。
リリィは――この世界の子どもじゃない。
だから、捜索届けなんて出るはずがない。
でも、そんなことは言えない。
アイルは本気で調べてくれていた。
私はなんだか申し訳なくなった。
だから――とっさに言葉が出た。
「だ、だいじょうぶ」
アイルが顔を上げる。
私は少し慌てながら続けた。
「実はさ、リリィが住んでる場所、もう分かってるんだ」
リリィが横で少し驚いた顔をした。
私はそのまま言葉を続ける。
「だから俺が直接そこまで送り届けるって。リリィの家族には伝えてあって……」
アイルは目を丸くした。
「え? そうなの?」
私はうなずく。
「うん。だから、心配しなくて大丈夫」
少しの沈黙。
そしてアイルは、ふっと息を抜いた。
「……なんだ。そういうことなら、先に言いなさいよ」
腕を組む。
「こっちは結構真面目に調べたんだからね」
私は苦笑した。
「ごめん」
アイルはリリィを見る。
「リリィ」
リリィがぴしっと背筋を伸ばす。
「はい!」
アイルは少し優しい声で言った。
「この人の言うことちゃんと聞くのよ?」
「はい!」
元気よく返事をする。
アイルは小さく笑った。
「ま、ユウなら大丈夫でしょ。変なことしなければね」
私は肩をすくめた。
「信用されてるのかされてないのか」
「半分くらいね」
そう言ってアイルは机を軽く叩いた。
「はい、報告終わり! 次の依頼探すなら掲示板行きなさい」
私はうなずく。
「ありがとう」
受付を離れながら、少しだけ振り返る。
アイルはもう別の書類を整理していた。
相変わらず、あの受付には誰も並んでいない。
私は小さくつぶやいた。
(……申し訳ないなぁ)
嘘をついたことに。
少しだけ罪悪感を感じながら。
ユウ「へへ、安心して俺任せてくれ」
アイル(本当に任せて大丈夫かしら??)
衛兵「何かあったら私が対応するので安心しなさい」




