ギルドで依頼を受けよう
エレナはルナを優しく抱き上げながら、私に深く頭を下げた。
「ユウさん、本当にありがとうございます」
「レナちゃんを連れてきてくださって……」
そして少し困ったような笑顔になり、もう一度頭を下げた。
「ご迷惑おかけして申し訳ありません」
私は一瞬、固まった。
(うわ……)
美人に正面から頭を下げられることなんて、今までの人生で一度もない。
どう反応していいのかわからない。
私は慌てて手を振った。
「い、いえ!全然大丈夫ですよ!」
声が少し裏返る。
「そう、あやまらないでください」
エレナは一瞬きょとんとしたあと、くすっと笑った。
「ふふ」
「優しいんですね」
私は少し照れくさくなって頭をかいた。
ルナはエレナの腕の中で、満足そうに「にゃあ」と鳴いた。
子どもたちも周りで騒いでいる。
「レナちゃん帰ってきた!」
「ユウお兄ちゃんが連れてきたの?」
「すごい!」
エレナは子どもたちを見て優しく言った。
「さあ、みんな。レナちゃんを驚かせないようにね」
それから私に向き直る。
「本当にありがとうございました」
私は軽く手を振った。
「それじゃ、俺たちはこれで」
リリィが横で元気よく手を振る。
「またねー!」
こうして、ルナを無事孤児院に送り届けることができた。
孤児院を出たあと。
私はリリィの方を見る。
「……よし」
「ルナも返せたことだし」
「ギルドに戻るか」
リリィは元気よくうなずいた。
「うん!」
私たちはそのままギルドへ戻った。
ギルドの扉を開ける。
相変わらず中は冒険者たちでにぎわっている。
私は受付の方を見た。
アイルのいる受付。
だが――
そこにアイルの姿はなかった。
「あれ」
私は首をかしげる。
「アイルいないな」
リリィも周りを見回す。
「ほんとだ」
私は肩をすくめた。
「他の仕事で忙しいのかな」
そう思いながら、別の受付を見る。
すると――
今朝対応してくれた受付嬢がいた。
眼鏡をかけた金髪の女性。
目元には小さなほくろ。
胸元のラインが強調された制服を着ていて、大人の色気のようなものが漂っている。
彼女の受付は空いていた。
私はそちらへ歩いていく。
「すみませーん」
受付嬢は顔を上げる。
そして私を見ると、すぐに微笑んだ。
「あら!あなた」
「さっきの人ね」
私は軽く会釈する。
受付嬢は楽しそうに聞いてきた。
「あの子はちゃんと送り届けてきたのかしら?」
私はうなずいた。
「はい」
「孤児院に返してきました」
受付嬢は安心したように息をつく。
「それならよかった」
「アイル、結構本気で心配してたのよ」
「え?」
私は少し驚く。
「あいつが?」
受付嬢はくすっと笑った。
「口は悪いけど、ああ見えて面倒見いいのよ」
私は「へえ」とうなずいた。
そのとき。
受付嬢がふと思い出したように言った。
「あ、そういえば」
「まだ自己紹介してなかったわね」
彼女は胸に手を当てて微笑んだ。
「私はミレイ」
「このギルドの受付をしてるわ」
私は軽く頭を下げた。
「ユウです」
横のリリィが元気よく言う。
「リリィです!」
ミレイは優しく微笑んだ。
「よろしくね」
私はなるべく視線を上に保つようにする。
(……胸見ないようにしないと)
どうしても視界に入ってしまうので、意識して目線を上に固定する。
ミレイは少し面白そうにこちらを見ていた。
「ふふ」
「そんなに緊張しなくていいのに」
私は少し咳払いをした。
「そ、それで」
「依頼を受けたいんですが」
ミレイは頷く。
「ええ」
私は続けた。
「俺が受けられる依頼って、どんなものがありますか?」
ミレイは後ろの依頼ボードに目を向けた。
そして数枚の紙を取り出す。
「そうね……」
「あなたはまだ新人だから」
「受けられるのはこのあたりかしら」
紙をカウンターに並べる。
・薬草採取
・森の見回り
・荷物の護衛
・小型魔物の討伐
ミレイが指でトントンと叩く。
「まずはこのあたりが基本ね」
「どれも新人冒険者向けの依頼よ」
私は依頼書を見ながら考える。
「ふむ……」
ミレイは微笑みながら言った。
「どれにする?」
「冒険者さん」
ミレイ「あら~、おに~さんよかったらお店こな~い」
ユウ「受付で何やってるんですかミレイさん,,,,」
リリィ「夜のお店行きたい!!」
ユウ「だめだ!いかないからな!」




