猫の返却完了
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受付台の上で立ち上がったルナは、とことことアイルの方へ歩いていった。
アイルは一歩後ろに下がる。
「……ちょっと」
「来ないで」
しかしルナは止まらない。
受付台の端まで来ると、ひょいっとアイルの正面に座った。
「な、なにするのよ!」
アイルが慌てて振り向いた、その瞬間。
ぺろ。
ルナがアイルの頬を舐めた。
「……」
ぺろ。
「……」
ぺろぺろ。
アイルの顔がみるみる赤くなる。
「な、なななな……!」
受付嬢が吹き出した。
「ふふっ……アイル、懐かれてるじゃない」
「懐かれてないわよ!」
アイルは必死にルナを引きはがそうとする。
だがルナは楽しそうに尻尾を振りながら、ぺろぺろと舐め続ける。
周りの冒険者たちも笑い始めた。
「完全に気に入られてるな」
リリィが横でくすくす笑っている。
結局、私はルナを抱き上げた。
「ほら、もういこう」
ルナは少し不満そうに「にゃあ」と鳴く。
アイルはタオルで頬を拭きながら睨んできた。
「……あなた」
「今すぐ孤児院に返してきなさい」
私は苦笑いした。
「はいはい」
受付嬢が報酬の袋を差し出す。
「依頼達成。お疲れさま」
私は袋を受け取り、軽く頭を下げた。
「どうも」
そしてそのままギルドを出た。
外に出ると、私はルナを地面に下ろした。
「ほら」
「孤児院帰るぞ」
ルナは少し考えるように私を見る。
それから――
とことこ歩いてきて、
また私のカバンに潜り込んだ。
「……」
もぞもぞ。
ぎゅう。
耳だけがぴょこんと出る。
私はため息をついた。
「また入るのか……」
リリィが笑う。
「ルナ、そこ好きなんだね」
私はカバンを持ち上げた。
「……重いって,,,,」
こうして私たちは孤児院へ向かった。
教会の門をくぐる。
中から子どもたちの声が聞こえてきた。
「ユウお兄ちゃんだ!」
「リリィお姉ちゃん!」
子どもたちが走ってくる。
その後ろから、エレナも顔を出した。
そして――
私のカバンを見る。
耳。ぴょこん。
エレナの目が大きくなる。
「……え?」
次の瞬間。
「レナちゃん!!」
エレナが駆け寄ってきた。
私は慌ててカバンを下ろす。
ルナが顔を出す。
「にゃあ」
子どもたちが一斉に叫んだ。
「レナちゃんだ!」
「どこ行ってたの!?」
「いなくなってた!」
エレナはほっとしたように胸に手を当てた。
「もう……」
「心配したんですよ」
そして私を見る。
少し困ったような笑顔。
「……ユウさん」
「もしかして、ついてきちゃいました?」
私は苦笑した。
「……はい」
ルナはカバンの中で満足そうに丸くなっていた。
ルナ「ここを我の住処とする!!」
ユウ「むりむり、困るって」
リリィ「ねこちゃんとずっといっしょ!!!」
ユウ「いやいや 引き取れないって」




