猫とツナ缶②。
子猫はツナをがつがつと食べていた。
小さな体なのに、ものすごい勢いだ。
私はしゃがみ込み、食べている頭をそっと撫でてみる。
ふわふわの毛。
子猫はちらっとこちらを見る。
その顔はまるで、
「仕方ないな、撫でさせてやるよ」
と言っているようだった。
私は思わず笑う。
「よしよし」
子猫は構わず食べ続ける。
そして――数秒後。
ぺろりと完食した。
空になったツナ缶をじっと見る。
それから、ゆっくりと私を見る。
そして。
「にゃあああ!!!」
さっきより明らかに大きい声だった。
「……」
私はツナ缶を見る。
子猫を見る。
「まさかもっとツナ缶欲しいのか?」
子猫はもう一度鳴く。
「にゃあ!!」
要求の声だった。
私は苦笑する。
「ないない。もうない」
すると子猫は、突然――
ぺしっ。
私の足に猫パンチを繰り出してきた。
「おい」
もう一発。
ぺしっ。
そして今度は私のカバンに飛びつき、
がじがじとかじり始める。
「ちょ、やめろって」
しばらく暴れたあと、子猫は動きを止めた。
どうやら、これ以上ツナが出てこないと理解したらしい。
ふん、とでも言いたげに離れると、
私から少し離れた場所で身体を丸めた。
そして――
そのまま寝てしまった。
「……寝ちゃったな」
さっきまで暴れていたとは思えない。
私はスマホを取り出す。
丸くなって寝ている子猫。
その周りでは、子どもたちが元気に走り回っている。
ぱしゃ。
ぱしゃ。
何枚か写真を撮る。
なかなかいい写真だ。
私はスマホをしまった。
「さて……」
いつまでもここでじっとしているわけにもいかない。
「何か手伝えることあるか聞いてみるか」
私は立ち上がる。
子猫は――
まだぐっすり寝ていた。
起こさないように静かにその場を離れ、
私は教会の方へ歩き出した。
ユウ「にゃおーん」
ネッコ「(゜д゜)!?」




