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91.それぞれの帰宅

地上に降りたその瞬間――


「……うっ……」


マリは何かを堪えるように喉元を押さえたかと思うと、

次の瞬間――


「うぅええぇぇぇぇっ!!」


街の入り口にあった綺麗な石造りの噴水の前で、

彼女は盛大に吐いていた。


あまりの光景に、近くを通りかかった商人の少年が思わず後ずさる。


「……マリ、それ……噴水の“水”じゃない……?」

ルカが半笑いの顔で言う。


「だって……! あれ絶対もう空飛ぶ生き物じゃないよ……あれ兵器だよ……!」

マリは涙目で言いながら、腰を落とし、ガクガクと肩を震わせていた。


「ふふっ……でもよく頑張ったのね」

オリビアはいつも通りの穏やかな笑みを浮かべ、マリの背中を優しくさすった。


マリはそのまま、ルカとオリビアに両脇を支えられながら、

フラフラと街の中へと歩いていく。


ベンゲルの街は相変わらず平和そうで、人々はそれぞれの日常を営んでいた。

マリはその風景を眺めながら、小さく呟いた。


「……この平和が、当たり前じゃないって、今なら分かる……」


ルカは隣で、少しだけ強くマリの腕を握った。


「私たち……変わったよね」


マリはゆっくり頷いた。


しばらくして、三人はベンゲル中央広場で立ち止まり、それぞれに言った。


「じゃあ……」


「3時間後、この場所で再集合」


「いいのね、荷物の整理と、家族への説明を済ませて戻ってくるのね」


三人は、最後にもう一度顔を見合わせると、静かにうなずき合った。


「行こう」


そう言って、それぞれの“家”へと歩き出した。

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