65.魔法武術大会~決勝戦
準決勝は俺とミーアだったけど、ミーアがお腹が痛いと言い出して、棄権することとなった。
本当に痛いのか?まぁミーア相手に魔法なんて打てないしね、ちょうど良かった。
これで俺は決勝へと駒を進めることが出来た。
決勝の相手は、グレーンだ。
準々決勝でのマリとルカの死闘により、二人とも負け扱いとなってしまい、グレーンは一度も試合することもなく、決勝へと駒を進めた。
通常の生徒なら、準決勝あたりから体内の魔素が切れて、魔法が発動しなくなるらしい。
なので、毎年決勝戦は泥試合のようだ。
二コラ令嬢をコテンパンにしてやろうと思ったが、中途半端になってしまったし、なんとも不完全燃焼だ。
これはグレーン殿下に八つ当たりするしかない!
「カイ、次の決勝戦なんだけどね、気を付けた方がいいのね」
マリとカイを回復させたオリビア先生が戻って来た、マリとルカは目を覚ましたようだ。
「気を付けるとは?」
「戦い方を気を付けないと後々大変なことになるぞ・・・さぁ行ってこい!!」
「追う!行ってくるぜ先生!ミーアとマリとルカの仇を取ってきます!!」
「マリとルカは関係ないのよね!!!」
(これより魔法武術大会、決勝を始めます!それでは選手入場!西よりCクラスなのに決勝に残ってしまった残念な選手!カイ選手!!!)
サークルへと入場する、あり得ないほどのブーイングを浴びる。
やっぱり泣きそうだ・・・・
(東より、我らスタンハイム王国第六継承権をお持ちとなる、グレーン=ベンゲル様のご入場だ!)
花火が打ち上げられ、チアリーダーがグレーンを取り囲むように踊りながら入場してきた。
なんとも華々しい。
ここまで差をつけられると、拗ねちゃうよ。
ここでレフリーチェックが入る。
「決勝戦は、時間無制限、魔法制限なし、相手を殺すか、戦闘不能、ギブアップのどれかで勝敗とします、では正々堂々をお願いします!」
レフリーが防壁魔法の外に出た瞬間。
「はじめ!」
今度はちゃんと聞こえたぞ、二コラ令嬢より人気がないな、グレーン王子。
「おい!平民!このドぐされ野郎!逃げるなら今のうちだぞ!」
どんだけ口の汚い王子様だ・・・・
「うるせー!このヘッポコ王子!ミーアとマリとルカの仇を取らせてもらうぜ!」
「なんなんだ、最後の二人は!知らんぞ!」
「うるせー!このへなち〇野郎!!!」
「何を言ってるのか分からないが、愚弄するな!」
レフリー「早く初めてください!」
「王子様と同じ魔法でやつけてやるよ!」
「何を言っている平民風情が!!!」
グレーンが詠唱を始めた、これはファイアーボールだな。
詠唱が終わると同時に、俺もファイアーボールを発動させ魔法を放った。
二人同時に放たれた炎は、サークルの中央でぶつかり合い、グレーンの炎を飲み込み、グレーンへと一直線で飛んでいく。
「なに!?」
首から下が炎に包まれるグレーン。
「ぐぁあああ!!」
メラメラと燃えるグレーン。
「大丈夫だ、火力は調整している、死ぬことはない」
「なぜ俺様の魔法が!!!」
カイが魔法を放って伸ばされた腕、開かれた手のひらを、ぐっと握ると同時に
グレーンを包んでいた炎が一瞬にして消えた。
炎が消えたグレーンはプスプスと煙が出していた。
「ちょっと笑ったら可哀そうよ・・・ぷぷ」
「・・・卑猥・・・・」
戻って来たマリとルカがカイの試合を見ていた。
会場中が笑いに包まれる。
俺は何も見ず、サークルを後にした、何が起こったのか分からないグレーン。
控室から慌てて飛んでくる二コラ。
「グレーン様!!!」
手にはバスタオルが持たれていた。
キョロキョロするグレーン、ふと、自分の姿をみた。
炎の魔法により、来ていた制服は消し炭になっていて、全裸となっていた。
「ああああああ!!!!」
股間を隠し慌てふためくグレーン、タオルを持って走ってくる二コラ。
どうしてよいか突っ伏したまんまのレフリー。
笑いの渦に包まれる会場。
サークルから出ようとして、防壁魔法にぶつかり気を失うカイ。
魔法武術大会の決勝はまさにカオスとなった。
「なーにやってるのね!!!」




