63.魔法武術大会~準々決勝
「言いたいことだけ言って帰ったわね!」
怒りが込みあがってるのか、顔を真っ赤にしているマリ。
準々決勝1回戦は、ミーアとAクラスの誰か知らない人、とてもミーアの相手になるはずもなく、決着は一瞬で決まった。
そして2回戦は、知らない人同士の試合だったが、これが凄い泥試合で、制限時間30分をフルで使い、最後はじゃんけんで勝敗が決まった、居眠りしている人もいたぐらいだ。
3回戦が、いよいよ俺と二コラ令嬢の試合となった。
二コラが入場すると悲鳴に近い歓声があがる、凄い人気のようだ、スタンドに向かって挨拶をする令嬢、キャーキャー言われている令嬢。
「凄い人気じゃないの、ご令嬢」
次は俺の入場だったが、これがまた酷いほどのブーイングだった。
死ねとか、平民とか、馬のフンとか言われたい放題、最初は泣きそうになってたけど、そのうち気持ち良くなってきた、それではヒールを演じてみますか!
二コラの持っている杖は、どの生徒の杖よりも凄いとわかるモノだった。
「カイ!あの杖はクロヌ・ワンドっていうのね、魔力を数倍まで跳ね上がる杖なのね」
「え!!!?ワイド!?」
令嬢への歓声で何も聞こえなかった。
「さすが、先生ね、この杖を知っているなんて、まぁそんなこと知ったろころでもう終わりなんだけどね、ねぇ、平民、棄権するなら今のうちよ」
「え?なに?距離があるんで、声張ってもらいます!!!?」
令嬢への歓声で何も聞こえなかった。
「ほんとふざけてる」
「はじめ!」
準々決勝三回戦が始まった。
「え!!?なに!?始まったの!!?」
令嬢への歓声で何も聞こえなかった。
俺の目の前を火の玉が通り過ぎる。
「よく避けたわね!でも、次は外さない!」
「え!!?何!?聞こえない!?始まってるの!!?」
令嬢への歓声で何も聞こえなかった。
「審判!!!始まってるの!!!?え!!?聞こえないって??」
今度は、氷の塊が俺の足元へと飛んできた。
「危ないって!!、え?始まってるの!!?」
令嬢への歓声で何も聞こえなかった。
しばらく、そんなことを繰り返していると、令嬢の魔法が止んだ。
「はぁ、はぁ、はぁ、やるわね・・・私の攻撃魔法をすべて避けるとわ・・・」
(どうも魔素が切れたみたいだ。)
「え!!?なんっスか!?全然聞こえないって!声張って!!!!」
令嬢への歓声で何も聞こえなかった。
俺が知らない間に、試合が終わっていた。
令嬢の魔素切れにより棄権となった。
二コラご令嬢は泣いていた。
なんで泣いてるんだろう・・・。
サークルを去るときのブーイングは凄い事となった。
「ゆるさんぞ!平民め!」
ひそかに闘志を燃やすグレーンだった。




