61.魔法武術大会~三回戦
「ところで、でんわばんごうってなに?」
俺の顔を見て不思議がるマリ。
そうかこの世界には電話はないんだ、どうやって説明しようか・・・めどくせー。
「あ!そうだ、ルカの試合が始まるぞ!」
「本当だ!がんばれ!ルカ~!!」
簡単に話をそらした・・・単純だ・・・・。
ルカの相手は、Aクラスの男子生徒だった、魔法属性は炎。
ルカは試合前に俺と同じ土魔法を使用すると宣言していた、得意とする水系魔法よりも、幼いころから使っている土魔法の方がシックリくるのであろう。
「しかし、みんないい杖もっているよなーいいなぁー、俺も欲しいなぁ」
「カイって、まだ魔法の杖って作ってないのね」
「え、杖って作るモノなの?」
「そうだよ、杖を作って育てるのよ」
「そうなんだ、俺も作ろう!」
「あ!試合始まるよ!」
「はじめ!」
一瞬だった、無詠唱で魔法を発動させ、空中に砂で生成された岩が無数に作られ、相手に向かい放たれた、相手の身体を数か所貫通させた。
「やった!」
サークル上では、血を拭いて倒れる対戦相手、レフリーが試合を止める。
「早く回復魔法を!」
サークルからルカが降りてくるが、どこか表情が暗い。
「・・・みんな気を付けて、魔法力を相当下げないと危ない・・・・」
クマノ一族で修行した一か月は、相当なものだったのだ、それに気が付かされた。
「あぁ、気を付けた方がいいなぁ」
次の試合は、ミーアだった、もちろん無難に勝ち上がり、マリも無事に勝ち上がった。
ただ、我々の魔法力を見て、2回戦は相手が全員棄権する自体となり、不戦勝で3回戦へと駒を進められた。
俺の3回戦の相手は、グレーンの取り巻きの、なんとか君だった、いつも一緒にいる、未来のネコ型ロボットに出て来る、お金持ちの子みたな奴だった、名前が長くておじさんにはとてもじゃないけど覚えられない、顔がきつねっぽいから、キツネ君と呼ぼう。
「お前たち平民風情が、よく勝ち残れたな!まぁここで終わりだけどな!」
「ありがとうございます。殿下のお陰でここまで駒を進めることが出来ますた!」
「お前!平民の癖して愚弄するのか!、そうか分かった、俺の火炎魔法で地獄の業火に焼かれて死ぬがいい!!」
「ガタガタ言わなくいいから、はやくしなさいキツネ君!」(会話に飽きた)
「誰がキツネだ!!!」
レフリーの開始の合図とともに、詠唱を始めるキツネ君。
「次は力を抜いて、力を抜いて、そぉ~っと・・・・そぉ~っと・・・・」
「ストーンバレット!」
砂の粒で作られた小さな岩の塊は、詠唱途中のキツネ君の頭をかすめた。
かすめた頭は、髪の毛がパラパラと舞い落ち、逆モヒカンになっていた。
顔を真っ赤にするキツネ君、再度詠唱を最初からやり直す。
「まだ、威力が高いなぁ、もう少しセーブしないと・・・・」
どうやってセーブするのか、考えていたらキツネ君の詠唱が終わり、火炎魔法がカイを襲った。
「インフェルノファイアー」
「インフェルノ!?それってヤバいやつじゃん!!」
一瞬で我に返ったカイ、しかしキツネ君のはなったインフェルノファイアは、地獄の業火ではなく、蛇みたいな細い炎がヌラヌラと走って迫ってきた。
気を抜いたカイは、ストーンバレットを放ってしまった。
小さな岩の塊は、インフェルノファイアを打ち消しながら、キツネ君の股間目掛けて飛んで行った。
貫通はしなかったが、顔を青くさせたキツネ君は股間を抑えたまま倒れて、泡を吹いた。
「そこまで!」
「あぁ、見てるだけで痛い」
それを見ていた男衆はみんな股間を抑えていた。




