1/11
第1話 コロナショックから始まった----投資の原点
コロナショックで株価が暴落した。
世の中は大騒ぎだった。そんなときに株を買おうとしたら、会社の同僚に言われた。
「株なんか買うの? バカじゃねえの」
JTを買うと言ったときも、似たような反応だった。
「JT? バカじゃねえ」
銀行だって投資信託を勧めてくる。なのに、いざ自分で株を買おうとすると、周囲の反応はこんなものだった。
まあ、気持ちは分からなくもない。世の中が不安になっているときに、わざわざ株を買うのだから。
でも、こっちは別に大勝負をするつもりじゃなかった。
銀行に預けても金利はほとんどつかない。それなら、証券口座にお金を移して、配当をもらえばいい。
目的は、株で大儲けすることじゃない。
将来、年金に上乗せする収入をつくること。
株価が何倍になったかより、配当が入ってくることのほうが大事だった。
安く買って、長く持つ。
そして、配当を受け取る。
株価が上がったからといって、すぐに売るつもりもない。
そもそも、高いときに売るなんて、本当にできるのか。
プロだって難しいんじゃないか。
だったら、最初から売り時を追いかけなければいい。
買ったら放置。配当をもらう。
それが僕の投資だった。




