はじめまして編 第1話 「ま、迷子の姉ちゃん…?」
なぜか寝る寸前に一つ機械の声が聞こえた気がしたが、それ以外は何も変わらない朝を迎えた。
…そうおもっていたのだが、部屋の雰囲気が全体的に違う。物の位置とかその程度の変化ではなく、壁の色が違っていたり、ドアに関してはドアノブがついておらず引き戸だったりと、家そのものが違う気がしてきた。
ということは、俺は人の家で一夜を過ごしてしまったのだろうか?
「・・・え?もしそうなーーー「りゅうちゃーん、もう朝よ~」」
割り込むように入ってきたお姉さんのような透明感のある声。ただ家族とみられる人の名前を呼んでいるのを見るに、完全な部外者の人の家に入ったわけではなさそうだ。
とりあえず起きて状況を確認する。ベッドから起き上がり周囲を見渡すと、学習机に置かれていた持ち主であろう人の、物理の教科書が目に入った。
それを手に取り裏面を見る。もちろんそこには名前が記されていたのだが、名前がそこそこ特徴的な苗字で、またどこかで見たことがあるのだ。
「日野森・・・竜也?待った、日野森ってもしかしてあの志歩とか雫とか」
まさか転生なんてないだろうと思っていたが、案外誰にでも起こりえるものなのか・・・???
「とりあえず下に降りないと・・・」
「あ、やっと起きた?お兄ちゃん遅い」
不意に聞こえたドアのあく音。すっと目を向けるとそこには、いつも見られない緩い感じの部屋着姿に身を包み、灰色のショートヘアーが特徴的な、俺がゲームで何度も目にした少女がそこにいた。
これは現実なのだ。決して夢ではない。その言葉が脳内に電流のように走った。
「いやー、今日眠かったからな」
「めずらしいね、お兄ちゃんいつも私より早く起きてるのに。」
そんな突然な状況なのに、冷静に彼女に応対できている自分に驚いたが、ここで表情を見せては何か疑われるため必死に隠す。
「とりあえず朝ご飯できてるから、すぐ降りてきてね」
「ん、わかった」
そうして彼女の階段を下りる音が聞こえると、安心感が唐突に襲ってきて深いため息が漏れる。
「俺、これやってけんのかよ…。しかもオリキャラだし性格とか全くわからんぞ・・・??」
そんな独り言をつぶやきながら、部屋を出てリビングへと降りていくのだった。
~◇~◇~◇~
降りてみると、そこには先ほど見た灰色のショートヘアーの子・志歩とその姉・雫がいた。
母親はすでに仕事へ出かけているようで、ここにはいなかった。
「あ、りゅーくん!おはよう~」
「おはよー。」
雫と挨拶を交わすのち、一つだけ空いていた志歩の隣の席に腰掛け、朝ご飯を見る。
綺麗な日の丸形の目玉焼きとしっかりと焼き目が入ったウインナー、そして色とりどりの野菜が食卓を彩り、今まで自分が食べていた朝ご飯からは考えられないほどの贅沢なものであった。今まではTKGで一週間を乗り切ったこともあったし、なかなか収入が入ってこなかったときはもやしご飯で過ごした日々もあったっけ。
「じゃあ、食べようか」
志歩がそういうと、みんなで手を合わせ食事へ挨拶をする。
「「「いただきます」」」
各々が食事を口に運ぶ。俺も目玉焼きを醤油につけて一口。
丁度いい半熟加減が口をなんというか、こう、ほわーってなる。(語彙力の消失)
そうだな、言うならば天に召されるような、感じたことのない美味しさに思わず笑いが出そうになる。まあ笑いが出てたとしても誤魔化せばいいわけだが。
「そういえば、今日からりゅーくんも高校生ね~」
「確かにそうだね。もう竜也もそんな年頃か~。」
「年頃って、なんかその言い方やだな…」
「私たちは宮女だから通学路を把握してないけど、道すじは大丈夫かしら?」
そんなのさっき来たばっかだから把握してない、なんて言えるわけもないため噓をつく。
「ある程度は。まあ迷ったら最悪司先輩に聞くさ。」
「確かに、りゅーくんは司君の連絡先を持ってたわね」
(そうなのか。初めて知った。)
そんな他愛ない会話をしながら朝食を食べ終え、学校へと用意を進めるのだった。
後書き何書こうかなと考えた結果プロセカの活動報告+αをすることにしましたー
最近「生きる」のマスターをAPできまさいた
うれしかったです




