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プロローグ/私とあの子
目を覚ますと、頭の中にあった全てがバラバラに砕ける。
高い高い空の上から広く散らばった無数のその残骸は、いつも不規則に広大な砂漠に堕ちる。
起きているうちに、それらを全て拾い上げる事は叶わない。
ただ、新しい記憶はあまり大きく割れず、またスタート地点にある事も多かったので、見つけるのはそう難しくなかった。
「……私は、誰?」
疑問は小波だ。広がる波紋は答えとなる欠片を共鳴させる。
目の前に居る相手もそうだ。凝視していると欠片が反応する事がある。それを拾えば、手から零れ落ちるまでは覚えている。
だから、生活に支障はない。そもそも生活を気にしたこともない。今が夢か現かなのかすらも、いつも曖昧だ。
確かなものは一つだけ。
大事なものも、一つだけ。
欠片が光らない唯一の問いかけの、答えを見つけ出す事。
「あの子は、どこ?」
そうして今日もまた、ルナは記憶の砂漠を宛てもなく歩き続ける。
目に付く残骸を、気ままに拾いながら。




