出会い
よろしくお願いします!
この話から序章の終わりまでは、主人公と他の子の出会いの話となっております。本編までしばしお付き合い下さい。
私の家族は、いわゆる転勤族だ。
お父さんの仕事が日本全国のあっちへこっちへと飛び回るもので、もともとは単身赴任を予定していたらしいが、お母さんがどうしても、と無理を言って家族みんなで日本各地を飛び回ることになった。
その結果、長くても二年、短いと一年で引っ越すこととなり、私に親友と呼べる人はできなかった。
しかし、友達がいないと言うわけではなかった。
幸いなことに、私は、初めて会う人でも何も気負うことなく話しかけることができ、すぐに誰とでも仲良くなれた。それこそ、短い付き合いではあったが、涙を流してもらえるほどに。
そんな生活が何年も続き、とうとう小学校を卒業した。これまでに五回以上は引っ越しをしただろうか。
卒業した小学校は一年ほどしか在籍していなかったため、周りのみんなとの温度感には少し寂しさを感じたが、笑顔でまたねと言ってもらえたことはとても嬉しかった。
さて、小学校を卒業すれば新年度から中学生になるわけだが、皆は地元の中学校に流れるように進級するのに対し、私はまたまた新天地である。
友達と卒業祝いで遊ぶ暇もなく、引っ越しの準備をして特に仲良くしてくれた友達にお別れを言って、その土地を離れた。
今回もまた、一年か二年で別れを告げなくてはならない。私は、そう思っていた。
*
私は、新しい中学校に入学をした。
見知らぬ土地、見知らぬ人々、見知らぬ天井、何もかもが目新しい光景であるが、これはもはや慣れたものである。
卒業してから間もなく引っ越したおかげで、事前に通学路を確認したり、スーパーに買い物をしに行ったりと自分がよく使う道はある程度把握することができた。
初めはこのようにうまくいくなんてことはなく、小学生になってから転校したときは、通学当日になって道がわからないと気づいて焦ったものだ。お母さんは、元々一緒に登校するつもりだったらしく、それから数日間はお母さんと一緒に登校したことを今でも覚えている。
それから学びを得て、今ではすっかり立派になりました!
……なんて思っていたらお家に筆箱を忘れてしまった。
何が立派だろうか。私は昔からこうである。どこか抜けているのである。まだ自覚ができているだけましではあるが、何かドジをしないようにと気を付けても、いつも忘れものだったり、ちょっとした段差でつまづいたりと、どこかしらで何かが起きるのだ。
これを心配して話しかけてくれる人もおり、私の人と仲良くなりやすい理由の一つでもあると感じている。私としてはそんなことは自力で何とかするからドジなんてしたくないのだが。
さて、筆箱どうしよう。
初日だから使わない可能性は大いにあるのだが、人に話しかけるのにはちょうどいいきっかけである。それなら、利用しない手はないだろうと、そう考えて隣の席に話しかけようとすると、
「あの……!」
と、突然、何か意を決した様子の誰かに声をかけられた。
これが、私とモモちゃんの出会いだった。
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