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第61話 7人目の仲間

「あたしも、セイラスに入れてくれない?」


フィオさんから突然告げられた言葉に、僕達六人は揃って目を丸くした。


「…………。」


まさか、そんなことを言われるとは思っていなかった。


僕が返事を考えていると――。


「ええええええええっ!?」


突然、ラウちゃんが大きな声を上げた。


「フィオちゃん、本当に!? 本当にボク達の仲間になってくれるの!?」


「う、うん。そのつもりで来たんだけど……。」


勢いに押されたフィオさんが少し後ずさる。


次の瞬間、ラウちゃんの顔が一気に明るくなった。


「やったぁぁぁぁぁぁぁ!!」


「ラ、ラウちゃん!?」


「ベル様! お願い!」


ラウちゃんが僕の両手を勢いよく握った。


「フィオちゃん、仲間にしようよ! 絶対楽しくなるって! ボク賛成! 大賛成!!」


「ち、近い近い!」


目の前まで顔を寄せてくるラウちゃんを何とか落ち着かせる。


「ラウちゃんが嬉しいのは分かったから……。」


「だって嬉しいんだもん!」


どうやら、以前からフィオさんのことをかなり気に入っていたらしい。


「私は良いと思います。」


今度はリオさんが微笑みながら答えた。


「フィオさんにはザンさんを助けていただきましたし、グランさん達の救助にも力を貸していただきました。それに……私も一緒に旅をしてみたいと思います。」


「私も賛成です!」


マシューも手を挙げる。


「フィオさん、とても話しやすいですし……一緒にいたら楽しそうです。」


「私に異論はありません。」


ザン君も真っ直ぐフィオさんを見る。


「先日は私の命を救っていただきました。その恩を抜きにしても、フィオ殿であれば信頼出来る方だと思っています。」


「ありがとう。」


フィオさんが嬉しそうに笑った。


残るは――。


「ミュラは?」


僕が聞くと、ミュラは軽く肩をすくめた。


「僕も反対する理由は無いよ。」


「随分あっさりだね。」


「むしろベルが悩んでる理由が分からないんだけど。」


「いや、別に嫌って訳じゃなくて……。」


突然だったから驚いていただけだ。


僕は改めてフィオさんを見る。


「フィオさん。」


「うん?」


「本当に僕達と一緒に来たいんですか?」


「もちろん。」


今度は迷いの無い返事だった。


「あたし、一人旅も好きだよ。」


フィオさんは笑う。


「好きな場所へ行って、好きな芸をやって、色んな人に会えるし。」


「でも――。」


僕達6人を見る。


「みんなと一緒に旅するのも、きっとそれ以上に楽しいと思った。」


その言葉を聞けば、もう答えは決まっていた。


「分かりました。」


僕は手を差し出す。


「これからよろしくお願いします。」


「……!」


フィオさんは少し驚いた後、その手を強く握った。


「うん! よろしく!」


こうして、セイラスに新しい仲間が加わった。


「そういえばさ。」


握手を終えたフィオさんが僕達を見る。


「ちゃんとした自己紹介、まだしてなかったよね?」


「あ……確かに。」


最初に出会った時はリュートグランの捜索中だった。


落ち着いて全員で自己紹介する機会は無かった。


「それじゃ、改めて。」


僕から順番に名乗る。


「アルベール・リベルディです。」


「ディレン・ミュラリア。よろしく。」


「リオン・ザーランドです。改めて、よろしくお願いします。」


「マーシュア・ミランです!」


「ラウネ・ノランロド! よろしくね、フィオちゃん!」


「ザン・カッハリーです。よろしくお願いいたします。」


そして最後にフィオさん。


「あたしはフィオ・ベックハート!」


以前の偽名ではない。


本当の名前で、笑顔を見せた。


「よろしくね!」


そこでフィオさんが、何かを思いついたように僕を見る。


「アルベール……ベル君でいい?」


「え?」


「ディレンは……ディー君!」


「僕?」


「リオンはリオっち!」


「リオっち……ですか?」


リオさんが目を瞬かせる。


「マーシュアはシュアちゃん!」


「わ、私ですか?」


「ラウネはラウっち!」


「おおっ! 良いね、それ!」


ラウちゃんは早速気に入ったようだ。


そして最後にザン君を見る。


「ザン・カッハリーだから……カハちゃん!」


「カハ……ちゃん?」


ザン君が固まった。


「15歳だし、一番年下なんだからいいじゃん!」


「そ、そういうものでしょうか……。」


思わず僕達から笑い声が漏れる。


「じゃ、決まり!」


フィオさん――いや、フィオちゃんが満足そうに腰へ手を当てた。


6人だったセイラス。


そこへ一人の旅芸人が加わり――。


この日。


僕達セイラスは、7人になった。

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