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第46話 6人で出発

第2章最終話です!!

どうぞ!!

2000万ロドの使い道も決まり、これでライベリットの街ともおさらばとなる。

それまでの間、バイトで何とかお金を貯めて僕達の所持資金を350万3400ロドに増やす事が出来た。

目標であった50万ロドを遥かに超える金額だ。


今日はその出発前の前日…粗方荷物は纏めたから良いものの…問題は運ぶ手段が悩ましい所だ。

ライベリットに到着した時は4人だったのが6人に増えた訳だ。

一応テントも大きめのを購入しておいたが、いかんせん生活に必要な物が2人分増える訳だからね、そうなると荷物も更に増える。


今までのように…背負って歩くのはキツいだろう…。

そこで何か良い提案が無いか皆で集まって相談する。


「何とか、次の町まで楽に荷物を運ぶ方法が無いかな?」


「だとしたら、荷車が必要になるが…僕らで引くのも大変だな。」


ミュラの荷車という言葉である人物が口を開く。


「ベル様~それだったら、馬車とかはどうかな? 馬車で荷物とかを運べば良いと思う。 馬とかその荷台とかはこの街で買えるし!」


ラウちゃんの馬車という提案、成る程その手が有ったか!

確かに考えてみたら、馬車なら荷物を乗せた荷台を馬力で運ぶことも出来るし、皆に苦労を掛けずに済む、しかもこの街には馬車売り場が有るんだ、それなら問題は無い!

他もラウちゃんの意見に賛成を唱えて行くが、ただ一人リオさんだけは複雑な表情でいた。

それどころか、リオさんは賛成はおろか反対すらも言わないで黙ったままだった、その異様な態度に僕は恐る恐る声を掛け、質問をした。

すると彼女の口から馬車の提案に対しこう言う…


「確かに馬車は良いですけども、問題はどの荷台だけじゃなくて馬ですよ。 馬が利口なら良いですけど、それに例えその馬が有ったとしても…私達の資金で買えます?」


その言葉に全員が論破された。

言われてみると馬を買うにしても、どのくらいの値段なのかは分からない、お金をケチって安い馬を購入しても言う事を聞かなきゃ買った意味がなくなる。

良い馬だとしても、僕達の金額で買えるのかどうかも心配だ…。


「確かにリオちゃんの言う通りだけど、まあ百聞は一見にしかず、行こ行こ。」


そんな変な雰囲気をラウちゃんの一言で解決してしまった。

これにはリオさんも納得した、まあここで議論してても何も変わらないからね、その結果僕達全員で馬を見に行く事に。


馬売り場で馬を見に行く僕達は、色んな馬を見るが…確かにリオさんの予想通り、手が出せない馬は利口な馬で1000万するのもいた、逆に安い馬は微妙な馬だらけだった。


やはり無謀な事だったのかな…。


「う~ん…やっぱり無理なのか…?」


そんな時だった、僕達が通った際…。

灰色の体に青色のたてがみの変わった馬が突然…。


「何だ?」


「ヒヒィーン!!」


その馬は、顔をミュラにすり寄る行為をしてきた。

勿論、ミュラに対する行為なら別に何も問題は無いが…今度は近づいたマシューにもすり寄る行為をしてきたのだ。

異様な馬だったが…何故か、嫌な感じはしなかった。


そんなやり取りを見ていた御者のお兄さんがこの馬の事を話してくれた。


「その馬はな、何か分からねえけど変な態度を取る馬でな。 この馬を買いたいとかって客もいたけどよ…。」


御者さんが言うには、この馬は何度も買い取られたが、買い取った主の元を何度も逃げ出してこの売り場に戻ってくるという行動を繰り返してるみたいだ。

その噂のせいで、この馬を買う人は誰もいなくなり…次第に見向きもされなくなったとの事。


「んん…ちなみに、この馬は幾らぐらいで?」


僕は御者さんに馬の値段を聞いた。


「あぁ、その馬なら早めに売りたいからな、10万ロドでいいぜ。」


何と破格の値段だった、本来なら買うのを辞めるべきだが…今の僕達にはこの馬以外を買う選択肢は無い。

それに、こんなにも懐くなら問題は…無いはず…。


「じゃあ、お願いします。」


僕達はこの馬を買う事にした、後は追加で大きめの荷台を40万ロドで購入した。

後は、食材やら生活品やらを買い込むだけ…。

馬は出発の時に取りに行くとして…今度は買い出しか…。


「そう言えば、ラウちゃんは家の物とかもう良いの?」


「ベル様、ボクはあの家にある物に未練は無いですよ。 持ってく物だけ持ってって、後は次に入る住人の為に。」


ラウちゃんは清々しい表情でそう答えた。

もうこの街を出る訳だからね、ここに住んでいたラウちゃんに聞いたけど、その心配も無いようだ。


「それよりもベル様。」


「ん?」


「あの馬は大丈夫ですか? ボクはあの馬の事知ってますから、話しますけど…。」


今度はラウちゃんが、あの馬の事について知ってる事を話し始める。

彼女がまだ逃がし屋として働いてた時の事、依頼人を街から逃がす為に馬車を購入、その時に使った馬があの僕達が買った馬だった。

だが逃がす直前、馬が進む事を拒否したのだ、その為彼女は急遽別の馬を購入して依頼人を逃がす羽目になった苦い経験があるとの事。

ただ、あの馬は僕達同様にラウちゃん自身には懐いてたが、何故か依頼人には拒否の反応を示したとの事…。


「本当にご心配です…もし、その時の事がまた起きたらと思うとボク…。」


彼女は悲しい顔を浮かべながらそう言った。

これも全て、明日の出発にならないと分からないな…。


貸家に戻った僕達は、家に置いた自分達の物を全てまとめた。

生活必需品もまとめた為、その日の夜の食事はお店で済ます事にした。


「この街ともおさらばか…何か寂しくなるね。」


「何だかんだで、一月居ましたからね。」


リオさんが僕と同じ様にライべリットの街に対して別れを惜しんでいる。


「まあ、確かにこの街を出るのは良いですけども…次の町まではどのくらい時間が掛かるのかは分からないですよ?」


透かさず、旅の厳しさを語るマシュー…。


「食料は大丈夫ですか?」


するとそんな中で、ザン君が食料の心配をした。


「まあ、その為に3週間分の食料を調達したからね。」


「それなら、問題ないですね。」


「何か久々だな、ライベリットを出るの。」


「えっ、ラウネさん、ライベリット以外の所には行った事無いんですか?」


マシュー、ラウちゃんにライべリット以外出た事無いのかと聞く。


「いやそういう訳じゃないけど、ザン君買い取る為に長く滞在してたからね。」


「それを聞いた安心しました、私もかつての王宮とこのライベリット以外の場所には行った事が無いので。」


ザン君とラウちゃんの話をして思わず僕達も笑ってしまう。

最終日の夜は皆、楽しい会話を交えながら食事をした。


次の日の朝…

全ての荷物を持ち、いよいよ出口で待ち構えてる馬車の元へと向かう。

だが…あまりにも大量の荷物の為…どうしようかと考える…。


「どうしようか…。」


「皆さん、お疲れ様です。」


そんな時、聞き覚えのある声がその正体はタイラーさんやバロリックさん等のライベリットで関わった人達約40人余りが来てくれたのだ。

来た理由は、僕達が街を出る噂を聞きつけたからだと言う。


「この人数なら、この荷物の量も問題ねえだろ?」


「お兄さん、あたし達で良かったら手伝うよ!!」


「リュブオン家のいざこざを解決してくれたご恩の為、お手伝いします!」


「皆さんには奴隷から解放してくれた恩義が有ります、だから手伝わせてください!」


皆、僕達にお世話になった恩義があるとの事が理由から手伝いたいと願い出てきた。

大丈夫と断ったけども、それも聞かずに皆僕達の荷物を持ち始めてしまう。

そして皆、それぞれで持てる荷物を持って馬車のある出口へと向かう事に。

あまりの大人数からか、街の人達の注目を浴びてしまう事となった…。

本来なら…僕達6人だけで運ぶ予定だった為、注目を浴びずにいれると思ったが…量も量の為やむを得ず…。


「おっ、兄ちゃん達。 馬が出迎えてくれてるぞ。」


「ヒヒィーーーン!!」


出口ではあの例の馬が鳴き声で僕達を出迎えてくれた。


「待った?」


馬は僕達の姿を見ると顔をすり寄せてくる。

僕達が来て余程嬉しいのだろうな。


「そんじゃ、ついでに荷台の中に荷物入れてくぞ~。」


「よぉーし、皆、もう一頑張りだ!」


何と皆さん、運ぶだけじゃなくて荷台の中に入れてくれるなんて…

本当にありがたい…ありがたすぎるくらいだ…。


「これで全部です。」


「いやー…皆さん、本当にありがとうございます。 僕達の為に…。」


「良いんですよ。」


「何か…これでお別れだと思うと寂しくなりますね…。」


別れを辛そうに語るオルバーさん、

悲しそうな表情で…別れを惜しんでるみたいだ。

それは近くにいたベニーさんとかの兄妹達も同じ表情だ。

さらに言えば、皆少し寂しそうな表情となってる。

何だかんだで一月近くも関わった訳だからね…これで会えなくなると思うと寂しいのも無理は無いな。

そんな重苦しい雰囲気を見かねて僕は皆にこんな事を言う。


「心配しなくても良いですよ、気が向いたらまた会いに行きますので。」


また訪れる事を約束すると、皆の表情が少し明るくなる。

荷台にラウちゃんとマシューを乗せ、馬の手綱をザン君に任せ、とうとう馬を動かす事に、これでいよいよライベリットの街とお別れの時がやってきた…。


「それでは皆さん、またいつか!」


僕はそう言い、動き出した馬と共に歩き出した。

すると、40人くらいの人達が僕達に向かって手を振りながら


「また来てねー!」


「良い旅をー!」


「兄ちゃん達、頑張ってこいよー!」


「ありがとうございましたー!」


「お兄さん、本当にありがとー!」


「また会いに来て下さい!」


「皆さん、お気をつけてー!」


「元気でやってきてくださーい!」


僕達に激励の言葉を送ってく。

僕達も彼らの姿が見えなくなるまで彼らの事を見続けて歩いた。

そして…とうとう見えなくなり…


「良し…6人となった新たなセイラスの旅…始めようか!」


「おおー!」


「ヒヒィーーーン!」


一月ぶりに僕達は仲間を増やして、また新たな旅をする事に…。

次の町はどんな町なのかな…?


ベルラド「次の行き先は…?」

作者「…まだ決まってない。」

ベルラド「ちょっと待ってよ…!! それじゃ…!」

作者「なんちゃって、決まってるよ。 ただ、時間は掛かるよ~。」

ベルラド「何だ…。」


次回は第3章になります!!

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